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明石暇夫のブログ一覧

2015年03月01日 イイね!

映画「幕が上がる」からの「炎のチャイコフスキー!」

昨日は、ももいろクローバーZ主演の映画「幕が上がる」の公開日だった。しばらく前に先行上映で見てはいたが、スクリーンが小さかったのに最後列の席だったので、もっとしっかりと見たいと思っていた。ちょうどこの日は午後に大阪で用事(後述)があったので、名古屋から大阪の間のどこかで午前中に見ることにして、上映している映画館を探した。いくつか候補はあったが、なるべく空いていそうなところを狙って奈良県のTOHOシネマズ橿原を選び、朝ヴィヴィオで刈谷を出発し、名阪国道を西に向かって走った。

9時半頃にイオンモール橿原にある映画館に着き、10時過ぎにスクリーン1で席に着き、10時20分に上映が始まったが、約400人のキャパに対して、お客さんは何と30人くらいしかいなかった。






今回は特大のスクリーンでいちばんいい席だったので、表情までじっくり見ることが出来たが、スクリーンに映るももクロの5人は、普段ステージ上で見せる、「キラキラでギラギラな((c)只野菜摘氏)」姿とは似ても似つかず、普通の高校生になり切っているように見えた。そして、その普通の高校生がエネルギーを注ぐ対象を見つけ、迷いながら仲間といっしょに努力を重ねていくところは、本当に眩しく、羨ましささえも覚えた。この年頃に何かに没頭した人もそうでない人も、必ず伝わってくるものがあるはずで、主演がももクロということに関係なく、とにかくたくさんの人に見てほしいと思った。

出来ることなら高校生の頃の自分にこの映画を見せてやりたかった、とも思ったが、そんなことを言っても始まらないので、主題歌「青春賦」のサビの歌詞「思い出が勇気に変わる ひとり決めた夢を固く握って けしてたどりつけないはるか遠く それでもただひと筋に 僕たちは歩いてゆこう」を心に留めておくことにしよう。こうして書いてみると何とも青臭いが、こういう気持ちはいくつになっても持ち続けたい、と思った。

12時半に映画が終わった後、堺市のHモータースで、車検と整備が完了したばかりのポルシェに乗り換え、大阪・北区のザ・シンフォニーホールを目指した。前述の午後の用事というのは、3時からここで開催される「ザ・シンフォニー特選コンサート Vol.21 小林研一郎 炎のチャイコフスキー!」を聴くことだった。堺の手前での用事に予想外に時間がかかり、近くの時間貸し駐車場にポルシェを置いて、走って会場入りしたのは開演3分前で、本当に危ないところだった。

呼吸を整える間もなく始まった、1曲目のチャイコフスキーのバイオリン協奏曲で真っ先に気づいたのは、指揮者のコバケンこと小林研一郎氏が、楽譜無しで指揮していることだった。こんな長い曲の楽譜を完璧に暗記しているとは、只者ではない!と思い、氏の一挙手一投足に注目し、大阪フィルの演奏に聴き入っていた。コバケン氏はメロディーを存分に歌わせ、ソリストの佐藤久成氏も大阪フィルも、すばらしいテクニックでそれに応えていたのと、弦楽器の優しい響きが印象的で、聞きなれたメロディーが本当に生き生きとして聴こえた。

休憩をはさんで次に演奏されたのは、やはりチャイコフスキーの交響曲第5番で、この曲は、20年以上前から、辛い時や自分がイヤになった時に心を立て直すために聴いてきていて、クラシックのあらゆる曲の中で最も好きでもあり、今回のコンサートのお目当てでもあった。

このチャイ5、以前に、ユーリ・シモノフ指揮、ノーヴァヤ・ロシア交響楽団の演奏を聴いた時は、生の迫力には大いに感銘を受けたものの、全体としては「指揮者もオケも若くて元気があるね」という印象にとどまっていたこともあり、油断していたのがいけなかった。コバケン氏の「炎のチャイコフスキー!」の看板は伊達ではなかった。第1楽章の最初の、重くて暗い「運命の主題」が奏でられたときから、「曲の解釈に共感を覚える」とかのレベルでなく、まるで、チャイコフスキー本人が降臨しているかのような錯覚を覚え、心に真っ直ぐ届くような感覚があり、同時に、今思い出しても正体が分からない、言葉にならない思いが押し寄せてきて、涙が最後まで止まらなかった。こんな経験は初めてのことだった。

本当に、終わるのが怖くなるような濃密な時間だった。第4楽章の終盤の、全休止から主題を力強く演奏する箇所では、チャイコフスキーが「生きていれば、いつか必ずいいことがあるさ」と語りかけてくれたような気がした。この日、これを聴きに来て本当によかった。

チャイ5はすごくたくさんの録音があり、名演ということなら、他にもかなりの数があるのは間違いないだろう。手元にあるCDでも、ウィーン・フィルを限界ギリギリまで追い込んでいるゲルギエフの指揮は胸が熱くなるし、ジョージ・セルとクリーブランド管弦楽団の、どれだけ鍛えたらこんなに迫力がある音でアンサンブルが揃うのか、というような演奏も、鳥肌ものである。スヴェトラーノフとソビエト国立交響楽団の、こいつら本当に人間か、と思うようなもの凄いパワーも、カタルシスをもたらしてくれる。それでもこの日は、チャイコフスキーがこの曲に込めた思いに最も近づきたければ、コバケン氏に限る、と思った。終演後にロビーでCDを売っていて、大阪フィルの盤はなかったが、チェコ・フィルの盤があったので、買い求めた。目の前が霞むと危険なので運転中には聴けないが、心の支えとなる宝物になったのは間違いない。


この日午前中に見た「幕が上がる」、午後に聴いた「チャイ5」、いずれも、大げさでなく、生きていくエネルギーを与えてくれたように思う。辛いことばかりの現実からはどうやっても逃れられないが、「生きていさえすれば、必ず何とかなる」と思えているし、映画からは「今、この場所で全力を尽くせ」というメッセージをもらったように思う。映画「幕が上がる」の制作に携わった全ての方々、コバケンさん、大阪フィルの皆さんには、感謝してもし切れません。本当にありがとうございました!

Posted at 2015/03/01 22:22:22 | コメント(2) | トラックバック(0) | MCZ | 日記
2015年02月21日 イイね!

映画「幕が上がる」特別先行上映『来たよ!さぬき!』

映画「幕が上がる」特別先行上映『来たよ!さぬき!』昨日、高松のアルファあなぶきホールで開催された、ももいろクローバーZ主演の映画「幕が上がる」のライブ&トーク付き特別先行上映会に、日帰りで参加してきた。今日も一日その余韻に浸っていたが、記憶が鮮明な内に、印象を書き留めておくことにする。

映画は、原作が平田オリザ氏の同名の小説、監督が踊る大捜査線シリーズで有名な本広克行氏で、原作が面白いのは読んで既に分かっていたし、各種マスコミでの試写の評判も、絶賛に近いものだった。なので、私自身もかなり期待して行ったが、予想をはるかに上回る素晴らしさだった。

高校の弱小演劇部が、新任の先生との出会いをきっかけに全国大会を目指す、というストーリー自体は割とシンプルなものであるし、そこは原作に忠実と聞いていたので、登場人物の複雑な心理やその変化をどこまで表現できるのか、という点が最大の関心事だったが、ももクロの5人の演技は、予想をはるかに超えていた。本当に、一瞬たりとも見逃せないという思いだったし、息を殺して目の前の現実を見守っているような錯覚を時々覚えたくらいで、あんな経験は初めてのことだった。

また、ストーリー自体が、ももクロやそのメンバーがたどって来た道のりと重なる部分があるし、コアとなるメッセージである一人と一人、または一人と全員の関係性には、劇中劇として取り上げられている宮沢賢治の銀河鉄道の夜、あるいはももクロの楽曲の一部、たとえば灰とダイヤモンドと世界観が似ているようにも思える。この辺の関係については、映画をもう1回か2回見た上でじっくり考えてみたいと思った。

そして、映画そのものに加えて、主題歌である「青春賦」、これも本当に素晴らしい。その歌詞は、原作や映画の内容や世界観をほぼそのまま投影したように見え、世の中に、学校での出会いや別れを歌った曲はいくつもあるが、ネガティブな感情も含めた心の内面にここまで深く踏み込み、そしてその内容に私がこれ以上に共感できるものは、他には無いと思う。15日にラジオで初めてオンエアされた時に録音していたが、その歌詞、静かな感動を表現したようなメロディー、合唱曲風のアレンジやバックコーラス、そして何よりも、ももクロの5人の合わさった声、それらの全てが好ましく、何十回と繰り返して聞いていた。その曲が映画のエンドロールと共に流れてきただけでも感動的なのに、途中からメンバー5人がステージの床下からせり上がってきて、生歌に切り替わったと分かった時の驚きといったら!!しかも、ライブでこの曲を披露するのはこの日が初めてだった。この日、この時だけはうるっと来てしまった。

そこから数曲歌ったミニライブでの5人は、普段見慣れた元気一杯さだったが、約2000人という小さな会場は私にとって初めてで、今回でようやく「会えた」という感じがした。また、それに続いた本広監督とのトークショーでも、父親のような年代の監督を弄ってしまうところや、想像の斜め上を行くリアクションも含めて平常運転で、いつも通りの楽しさとハチャメチャさだった。高城さんが獲りたいと言っていたアカデミー賞はまだしも、それにつられる?ような形で百田さんが口走ったノーベル賞は、何であるかを知って言ったのかが今でも気になる。たぶん知らずに言ったような気がするが…

ともあれ、映画のヒットは間違いないだろう。本広監督によると、文部科学省選定作品になったとのことなので、学校やPTAの行事でも見られるのだろう。また、主題歌の「青春賦」は、個人的には、合唱曲の定番として定着したり、ことによると音楽の教科書に載ったりしても驚くには値しない、と思っている。

この映画をきっかけにももクロの人気がさらに上がったら、ライブのチケットがもっと取りにくくなるかもしれないが、かくなる上は、そんなケチなことは言うのはやめて、リーダーの百田さんが2013年のももクリで語った「ありえない世界」まで行けるように応援し、それを見届けようと思う。

最後に、この上映会は夕方からだったが、朝にはみん友さん2人と一緒に高松入りし、うどん店を4軒はしごした。本場のさぬきうどんをいただくのは本当に久しぶりで、4軒とも本当に美味しかった。2軒目の山越うどんは、私たちが訪れた数時間後にももクロの5人が来店した、というのを知った時は、そこにいた皆が悔しがったが、このイベントに当選して参加できたことだけで十分に幸運だった、と思うべきだろう。そういえば、私の席は1Fの最後列で、ステージからは30mくらいの距離があったが、ライブの最中、マネージャーのK氏がすぐ横に立ってステージをじっと見ていた場所だったので、ちょっと緊張した。これはラッキーだったのだろうか…

ともあれ、本当に楽しく、記念すべき1日だった。直前まで仕事が忙しくてヒヤヒヤしたが、いちばん手間がかかる相手先がちょうど旧正月休みで不在だったのと、木曜の夜まで掛かって仕上げて出し逃げした仕事に大きな穴が無かったので、何とか金曜は休むことが出来て、本当に良かった。最後に、神戸からの行程で車を出していただいたAさん、じゃなくてマーズさん、うどんツアーのすばらしい計画を立ててくださったtideさん、そして、現場で楽しい時間を共有させていただいた近所の先輩さん他の皆さん、ありがとうございました。また次回、どこかの現場でお会いしましょう!
Posted at 2015/02/21 20:58:15 | コメント(5) | トラックバック(0) | MCZ | 日記
2014年12月28日 イイね!

ももいろクリスマス2014(2日目)

ももクリ2014の初日、さいたまスーパーアリーナの現場から、24日の深夜というか早朝4時半過ぎに刈谷の自宅に戻り、25日は普段どおり出勤した。本当は4時くらいに仕事を切り上げるつもりが5時までかかってしまい、渋滞があったので少し焦ったが、6時10分には、ライブビューイング会場の安城コロナシネマワールドに入ることが出来た。

急いで席に着いて、今回のももクリ参戦に備えてポチった公式グッズの法被に袖を通した。法被の色?箱推し用の黒に決まってますがな。私にとっては、自分の子供に順番を付けられないのと同じで、ももクロの5人を推す順番はどうやっても付けられませんよ。

6時半少し過ぎにライブが始まったが、隣の席の方(私よりもう少し年配の男性)が、立ってリズムを取りながら聴いているのにペンライトをお持ちでなかったので、私の持っていた2本のうち1本をお貸しすることにした。聞けば、連れの方が来られなくなったとのことで、その辺の段取りが出来なかったようだ。慣れない手つきながら最後まで振っていたので、楽しんでもらえたようで、よかった。

ただ、そのペンライトの電池が途中で切れてしまった。電池の予備は持っていたので、2本ともすぐに交換したが、手元が暗くて物を置く場所がないところで単4電池を交換するのはかなり厄介だった。次回からは、事前に電池の電圧を測って1.3Vを切っていたら交換するようにするのと、ペンライトの予備を1本用意しておくことにしよう。

2日目は、曲順が初日からかなり変わっていたが、セットリスト自体はほとんど同じだった。その分、初日の現場では分からなかった表情や手の動きなどに気づいたので、初日が現場、2日目がライブビューイングというのは結構いいかも、と思った。

今回のセットリストは、「DNA狂詩曲」や「CONTRADICTION」(初日のみ)、「コノウタ」や「灰とダイヤモンド」(2日目のみ)、「MOON PRIDE」、「月虹」、「僕等のセンチュリー」、「上球物語」など、私が特に好きな曲が多く、その意味でも心から楽しめた。というか、ももクロの楽曲で、この曲はイマイチというのが私にとってはほとんど無い。特に、歌詞が好きでないというのは皆無で、これは本当に不思議なことではある。

アンコールが終わってからのメンバーの挨拶では、5人とも、これからも笑顔を届けていきたいということを異口同音に語っていて、本当に頼もしく思った。それくらい、終演後の会場はみんなの笑顔であふれていた。そういえば、メジャーデビュー曲の「怪盗少女」で既に「笑顔と歌声で世界を照らし出せ」という歌詞があるし、「ニッポン笑顔百景」の歌詞も、ももクロにぴったりだと思う。ヒャダイン氏の慧眼には本当に頭が下がる。

初日と同様に楽しい時間はあっという間に過ぎ、終演後はMMCZの皆さんと写真を撮り、再会を期して別れた頃には11時になっていた。

翌26日は仕事納めだったが、先週頑張った甲斐があり、何とか今年中に済ますべき仕事は片付けることが出来た。これで安心して年を越せそうだ。といっても、24日に休んだツケはしっかり回ってきて、この日の午後まで出勤していたのは部署で私だけで、大掃除を一人で行う羽目になった。見かねた他部署の人が蛍光灯の掃除を手伝ってくれたが…

その後、今年最後の仕事として、管理部署から渡された鏡餅を組み立てて飾り、7時には晴れ晴れとした気分で職場を後にすることが出来た。



仕事といえば、今年の2月から3月にかけては、今思い出しても背筋が凍るような危機的な状況に陥り、誰もがその客先の新規取引停止を覚悟したほどだった。そんな中で上海に飛んで事態の収拾を図ったが、全部捨てて逃げ出したくなるようなプレッシャーに何度も潰されそうになった。そんな時、「Z伝説~終わりなき革命」の歌詞で百田さんが「絶対あきらめない!」と叫ぶ声がどこからか聞こえてくるような気がして、そのたびに気力がよみがえる感覚があり、同時に、思ってもみないような打開策が次々に頭に浮かんだ。一日一日が勝負という切羽詰った状況で、立て直しのために、同じことは二度とできないというくらいの無茶をしたが、みんな頑張って付いて来てくれて、夏を迎えるころには危機を脱出することが出来た。Z伝説は、震災復興の意味も込められている曲とのことであるが、間違いなく私にも限界を超えて頑張る力を与えてくれたように思う。

最後に、ももクロの5人からもらったのは、笑顔や、仕事で頑張る気力だけでなく、MMCZのみんなとの出会いというのもあり、本当に、感謝してもし切れない。たった2年前の今ごろは、ももクロは名前しか知らず、みんカラにも参加していなかったが、それまで何を心の支えにしていたのか思い出せない。ともあれ、客先出入り禁止にならずに済み、何とか無事に年を越せそうなので、今年お付き合いしてくださったV@m、BBOC、そしてMMCZの皆さん、また来年もよろしくお願いいたします。
Posted at 2014/12/28 15:45:12 | コメント(2) | トラックバック(0) | MCZ | 日記
2014年12月28日 イイね!

ももいろクリスマス2014(初日)

24日から25日にかけて、ももクロのライブ「ももいろクリスマス2014」に、初日はさいたまスーパーアリーナの現場、2日目は安城コロナシネマワールドでのライブビューイングで参戦してきた。

今回、さいたまへの往復はヴィヴィオではなくて、愛知住みの6人が1台で行く計画に便乗させていただいた。23日の夜11時半に安城を出発し、翌朝5時半に会場に着いた。デニーズでしばらく時間をつぶした後、この日最初に起こした行動は、メンバーが紅白歌合戦で着る衣装にファンがサインペンでメッセージを入れてメンバーカラーに染める、という企画に参加することだった。

私がメッセージを書き入れる直前の状態(10:20頃)


同じ日の15:00過ぎの状態(画像は彩れがさんからの借り物です)


ファンもももクロの一部というのはよく聞く話で、同じことを言っているアーティストは世の中に他にもいると思うが、実際にこんなことを行ったのは前代未聞だと思う。それ以上に、この企画そのものがメンバーの発案であるということが、ファンにとってはこの上なくうれしいことだった。

その後は、会場前のけやき広場で、みんカラのグループMMCZの皆さんと話をして過ごし、3時から皆で遅めの昼食を摂り、4時半過ぎに会場に入った。



ライブ自体は、セットリスト、演出、バンドの演奏も含めたパフォーマンスなど、いずれも最高に楽しく、仕事が忙しい中、なんとか日程を遣り繰りして行って本当によかった、と思った。3日たった今でも余韻に浸っているほどで、今思い出したことを書き留めておくことにする。

・開演前、2月末に公開される主演映画「幕が上がる」の一部をスクリーンに映していたが、そこでの百田さんと玉井さんの演技に目が釘付けになってしまった。特に、劇中劇の「銀河鉄道の夜」での玉井さんのそれは、アイドルという枠組みのレベルをはるかに超えていると感じた。今までに出演した映画やドラマでは演技に強い印象が残らなかったのは、本人役とか、それに近い役だったからではないかという気がする。今回の「幕が上がる」は、平田オリザ氏の原作は間違いなく面白かったし、本広監督も、演技や映画の出来栄えには太鼓判を押しているので、この映画で、ももクロがより多くの世間の人に見つかってしまうのではという、期待と心配が混ざったような思いがしている。それ以上に、平田オリザ氏が語った「いっしょに世界を目指そう」の方が実現するかもしれない。

・私の席は、長手方向では後ろから3分の1くらい、高さは200レベルの中間くらいで、ステージからはかなりの距離があったが、会場全体が2万7千人以上も入っているとは信じられないほど一体感があり、また、残響もよくコントロールされているようで、ライブの内容を心底楽しむことができた。今まで参戦したライブ3回が、西武ドームと日産スタジアムという、いずれも音響に難がある場所だったので、あまりの違いにびっくりしたのもあるが、SSAがももクロにとって聖地のひとつとされているのは、このこともあるのだろう。

・メンバー5人とも安定して声が出ていて、終始安心して聞くことができたのがうれしかった。また、私が気づいた範囲では、大きく音程を外す場面は無かったように思う。開演のときに高城さんが言っていた「過去最高のライブを更新する」という言葉には、このことも入っていたんだろうと思った。

・今回、バックバンドは金管楽器を大幅に増やした編成になっていて、その厚みのある響きが新鮮だった。特に、「僕等のセンチュリー」などはビッグバンドのサウンドにピタリとはまっていたように思う。あと、幕間の社交ダンスで演奏していた「月と銀紙飛行船」など、ボーカル無しで聞いてもイイと思える曲が多く、ももクロは本当に楽曲に恵まれていると思った。

・「空のカーテン」のサビの部分は、同じメロディーで同じ歌詞を歌い、振り付けも揃えているのに、スクリーンに大写しになったメンバーの表情が、5人とも全然違っているのに気づいた。心の内面を表現したような歌詞なので、思い浮かべる情景は違っていて当たり前かもしれないが、これを見た瞬間、5人の個性がぶつかり、5人の歌声が合わさってこそのももクロなんだ、ということにあらためて気づき、胸を衝かれた思いだった。今日はもう帰ってもいい、と思ったくらいだった。

・その「空のカーテン」や2日目の「灰とダイヤモンド」の大サビでの百田さんの歌声が、歌詞の内容と合わせて、ひときわ心に刺さった。大げさに言うと、脳天を直撃されるというか、理性を超えた部分に直接届くような感覚があり、今でも耳の奥に残っている。あの高音部で声を絞り出すような歌い方は、音楽の専門的な見方では上手いという評価にはならないだろうし、曲によっては、もう少しさらっと歌ってくれたらと思ったこともあったが、この日は、やっぱりこれじゃなきゃ、と強く思った。

本当に時間が経つのを忘れるくらい楽しかったが、終わったら、6時半の開演から3時間半も過ぎて10時になっていた。そこから6人が集合して出発したのが10時半、海老名SAで12時頃に食事、途中でもう1回の休憩をはさんで安城に着いたのは午前4時半だった。さいわい、ノア(現行型)の2列目シートは乗り心地がとっても良く、帰りのほとんどの区間で爆睡したので、25日は普通に仕事が出来た。車を出していただいたMさん、本当にありがとうございました!

(続く)
Posted at 2014/12/28 10:51:25 | コメント(3) | トラックバック(0) | MCZ | 日記
2014年10月18日 イイね!

ももいろクローバーZのこと(3)

先週末から今週にかけてBDを見ていた、ももクロの国立競技場でのライブは、演出は直球ど真ん中という感じだったし、ゲストの扱いも大きくなかったし、ほとんど楽曲とパフォーマンスで勝負したような内容だった。それなのに心底楽しめ、その世界に引き込まれっぱなしだった。以前に比べると、エンターテインメントとしてのレベルが本当に高くなっていると思う。これなら、ももクロのことを知らない人にも楽しんでもらえるんじゃないだろうか。ただ、エンターテインメントの部分以上にメンバー自身に魅力があり、私もその落とし穴にはまってしまった。

・メンバー5人の人柄
ステージの上での5人は、いつ見ても、その歌の世界を伝えようというエネルギーというか気迫にあふれていて、一度ライブの現場に足を運んだだけで、すぐにその魅力に取り付かれてしまった。また、エンターテインメントに関する部分に関しては、5人とも、人一倍負けず嫌いで努力家なのは間違いなく、その一端が伺える、クイック・ジャパンの長いインタビュー記事は毎回楽しみになっている。まあ、そうでなければ、路上ライブから始めて、満員の国立競技場を熱狂させるなんて出来なかっただろう。それくらい、YouTubeに動画がある初の路上ライブと今とでは、隔世の感があり、どれだけ努力と失敗を重ねてきたんだろう、と思わせるものがある。

その一方では、笑いを取る場面でも全力で、変顔なんか朝飯前だし、自虐ネタとかメンバー同士で弄るところなど、「何もそこまで…」と思ってしまうくらいだ。

これらのすべては、リーダーの百田さんが国立でのライブの2日目の挨拶で語った「笑顔の天下」につながっているはずで、たぶん、5人とも、本当にそう思っているんだろう。そういえば、昔から「男は度胸、女は愛嬌」というけれど、両方持っているんだから、笑顔の天下は絶対間違いないよ、と思う。

あと、24時間Ustreamとかで見られるような素顔の部分の、わちゃわちゃした感じやグダグダなところは、それだけ見ていても楽しい。それから、ラジオの冠番組などで、5人の中からどの組み合わせの2人であっても、それぞれに全く違う面白さがあるというのも、本当に不思議ではある。

最後に、ももクロは礼儀正しい、というのはよく聞くけれど、それだけじゃないような気がすると思って、いろいろな曲の歌詞を見ていたら、「PUSH」に「心を込めて正々堂々 五つの願い 仁・儀・礼・智・博愛」とあるのに気づいた。これこそが運営陣がももクロに託した願いというか行動規範じゃないかと思っていて、実際にもそれを体現しているように見え、そんなところにも惹かれている気がする。

と、かなり省略したつもりでも長々と書いてしまったが、一言でいうと、「こんないい子たち、ちょっといないよ」という話である。

・お祭り
父親が転勤族で、自分でも引越しを十回以上繰り返し、地域のお祭りに思い入れを持つことが無かった私にとって、ももクロのライブこそが、日常から解放されて思いっきり騒げる本当のお祭りで、こんな日がやっぱり必要なんだ、というのに遅まきながら気づいたのは、7月に日産スタジアムで行われたライブ「桃神祭」でのことだった。そういえば、ももクロのライブに初めて参戦する前、最後に何かを思い切り叫んだのは、いったいいつのことだったか、思い出せない…

・全部
ももクロがイイと思う理由をこれだけ書いても、まだ核心に触れることが出来ていないような気がして、要は「全部」というのが正解らしい。その全部の中で、今までに出てない部分を思いついた順に書き出していくと…

1.「ピンキージョーンズ」の歌詞「気合い 根性 満開 覚悟 情熱 全開」にあるような体育会系のノリ
2.わざとダサくしたような演出や衣装がときどきあること
3.少しヤンキーっぽい演出があること

こうして書いてみると、日本人というか、日本の芸能文化のもっともコアな部分を、良くも悪くも特徴づけている点であるように見えてきた。この中で、体育会系のノリは私にはほとんど無いが、自分に無いからこそ惹かれているような気がする。というのも、「走れ!」を初めて歌詞を意識して聴いたとき、「いつだって踏み出す前に 言い訳ばっかり考えて 時間が過ぎて 忘れていくことに慣れてた 僕のココロが走りはじめた」の部分で、まるで自分の心の中を見抜かれたような気がしたからである。それ以来、気合いとノリで突っ走れ、というパワーを、少しずつ分けてもらえているように思う。

あと、ヤンキー志向も私には無いと思っていたが、以前は「これはちょっと…」と思っていた、公式グッズの法被のデザインが、最近はイイかもと思えてきてポチってしまう寸前なので、人の好みも変われば変わるものかもしれない。

と、これだけ書いてもまだ全然言い尽くせていない。仕方がないので、最後は「GOUNN]の歌詞から引用して終わりにする。

「ちぎれそうな想いに もう名前はつけないよ 恋とか友情だとか 全部を超えてる 全てがある」

・最後に
ももクロが6年前に結成されたことから始まり今に至るまでのすべての出来事や、その旗の下に集まった運営陣やアーティスト、ファンに至るまで、関わるすべての人たちは、カール・ユングが言う「集合的無意識」の働きで、同じ波長を持つ人が反応した結果なのではないか、そして自分もその一人だったのでは、と思えてならない。そう考えなければ説明がつかないほど、ももクロの周囲には、奇跡と呼ばれたり、偶然では起こり得ないような話が多すぎる。そういえば、「GOUNN」の歌詞は、仏教の世界観を元にストーリーを語っているのに、唐突に「シンクロニシティ」という単語が出てくる。これは、仏教で言う「阿頼耶識」は、ユングの言う集合的無意識と同じものであることを言っているのだろうか!?だとしたら、本当に、かなりすごい領域まで踏み込んでいる話だと思う。

と、最後はかなり妄想気味になってしまったけれど、今回いろいろ考えて、ようやく少し自分の考えが整理できたように思う。その結果、2つ前のブログで、「なぜももクロなのか」の答えとして書いた「聴くと元気が出るから」は、間違ってはいないものの、全てではないのも分かった。今後は、次のように答えることにしよう。

「1.エンターテインメントとして楽しめるから、2.楽しい時にもっと愉快な気分になれるから、3.前を向く力を自分の中に呼び起こせるような気がするから、4.同じ方向を向いて生きている人たちとのつながりを感じられるような気がするから」
Posted at 2014/10/18 00:33:22 | コメント(4) | トラックバック(0) | MCZ | 日記

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