
もう春なのに、
エスプリがしばらく修理中だったため
タイトル写真は昨年の春のものである。
ステアリング周りの
イグニッションスイッチのあたりから
またケムリが出てしまったので、
イグニッションスイッチと
そこから各部に行く配線を新調することにした。
ところがなんと、純正のスイッチが見つからない(u_u)
その捜索は世界に及んだ。
まずはヨーロッパ域を探して、
次にアメリカ域を探したが、
ウチのと同じスイッチは、ついに見つからなかった。
僕のエスプリには、
歴代のオーナーが後付けしたと思われる
謎のスイッチがたくさんあるというのに
肝心のイグニッションスイッチは
この世界から
ケムリのように消えてしまったようだ。
でもスイッチがないと、エンジンがかけられない(~_~;)
行き詰まった僕は、
いつもワケ知り顔のネコさんに
『スイッチはどこかな?』と
困った顔で聞いてみたが
もちろんお返事はなかった(^^)
しかし・・・その後
スイッチとは思わぬ形で遭遇するのだった。
・・・・・
ある仕事上で出した、自分のアイデアに
どうも違和感があったので、
もう一度練り直してみようと
歩きながら考えることにした。
どうせならと、懐かしいところを
散歩したくなった。
そうだ・・遥か遠い夏に
クワガタを採り、宿題の水彩画を描いた
懐かしい森に行こう!
そこは子供の頃に、
僕のユメがかなう場所だったのだ。
そして、記憶にある その森は
いつも夏の揺らめく カゲロウの先にあった。
子供の頃の記憶のままで
様々な場所を訪問すると
想像よりスケールが小さくて驚く事が多い。
しかし、季節の違いはあるものの
その森は、なんだか記憶よりも
ずいぶん深くて暗く、オマケに霧まで出ていて
ちょっと怖くなっていた。
そう言えば、かつてこの場所で
何かの事件があったような気もするが
いまひとつ、覚えていない。
・・・
僕は、森の奥の方に向かって歩いていく。
ん ⁉︎ ・・・落ち葉が・・・
目に飛び込んできたのは、異様な光景だった。
まだ、春は浅いのに、森の奥の方は
緑色の葉がしきつめられていている。
何かの事情で、他所から運んできた
緑の葉を、しきつめたのだろうか⁉︎
そんな、フワフワな足元の感触のまま
20メーターぐらい進んだ時に
それは来た(O_O)
踏み締めた左足、
その瞬間、落ち葉を通して
硬い金属の感触と同時に
”カチリ'' と
スイッチが入ったような音が響く。
え! 地雷 ⁉︎ (笑)
当たり前だが、
僕はホンモノの地雷など、踏んだ事などない。
しかし、イメージ通りの感触に戸惑ったのだ。
もし、これがホンモノならば
足を離した瞬間に
爆風は上に向かって放射状に及ぶであろう。
ムダだと思うが、真横に飛ぶか ⁉︎
・・・しかし
ここは1960年代のカンボジアではない。
現在の日本なのだ。
一応、真横に飛んで、受け身で起き上がる
僕をイメージしてみたが
平和な日本の森で、
ただひとり、横っ飛びするのは悲しすぎないか(笑)
本当にバカらしくなって、足を離す事にした。
しかし、足を離すと
今度もハッキリとした、足の感触とともに
”カチリ” と
スイッチのような音がして
全身にトリハダが立った!
空気が変わり
一気に森の密度が高まった気がした。
理由はよくわからないが、
一刻も早く、ここを立ち去らねばならない。
自分で決めた暗黙のルールがある。
こういう時は、けっして
あばいてみようなどと、思ってはならない!
そのまま、振り返らずに
立ち去るのが礼儀なのだ。
この場所は何かが変わってしまったのだ。
足早に森を出た、夕暮れの空から
突然、大粒の雨が降ってきた。
背後から、
強いメッセージを受けた気がしたのだが
それは遠ざかるうちに弱くなり
いつか子供の頃に、この森で
雨に濡らしてしまった水彩画のように
曖昧にぼやけてしまった。
・・・・・
その後
踏んだのが、地雷ではなく
スイッチだったおかげか ⁉︎
僕のアイデアは、納得できるレベルになり
世の中に出て行く事になった。
ありがたいことである。
ひょっとして、あの時踏んだのは
僕自身の
イグニッションスイッチだったのだろうか ⁉︎
しかし、その正体を確かめるには
あの日の森に行かねばならない。
そして、今でもたぶん その森は
夏の揺らめく カゲロウの先にあって
誰かが来るのを
ジッと待っているのだ(u_u)
・・・・・
さて、エスプリの方のスイッチである。
未だに純正は見つかっていない。
いつまでも走れないのも悲しいので
インパネのなかで、誰かが後付けした
謎のスイッチを流用することにした。
キーをひねるのではなくて
これでパチンとエンジンをかけるのだ。
う〜ん・・純正ではないけれど、
レーシーで悪くないかも(^^)
そして、ホンモノの春は近い。
Posted at 2016/03/20 22:32:05 | |
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