
お待たせしました・・・やっと本命の
LS430 です。
(えっ、誰も待ってない・・・ですよね^^;)
今回の試乗会は、
LS430 のプロモーションがメインで行われましたので、
LS430 に関してはフルコースでその実力を垣間みる事が出来ました。
流石、トヨタが万を侍して投入した自信作だけにプレミアム感満載で、非常に丹念に作り込まれた車である事が乗り込んだ瞬間から分かりました。 まさに
Lexus の言う
『おもてなし』をそのまま車の演出に使ったような雰囲気まであります(笑)
エクステリアとしては、比較的高めのデッキラインを保ち、オーソドックスな感じのシルエットであり、旧モデルのイメージを継承しながらもより
MB っぽい雰囲気を持たせていると言ったところでしょうか。個人的には、フロントのヘッドライトがもう少し薄いデザインにして、デッキラインを低く抑えてロー&ワイドなシャープさを出すと尚良しといったところですが、親父系サルーンとしては無難なデザインなんでしょうね。
インテリアは、流石に高級感が溢れている感じで、ウッドパネルや革も本物の質感がしっかり出ていて他の国産車と一線を画した出来映えではと思います。特にリアシートは、足元も広く、シートも包み込むような座り心地で正に金持ち気分に浸れる空間に仕上がってました(笑)
で、実際に運転してみるとどうかと言う事ですが、これが予想に反して意外とスポーティでリアシートだけでなくフロントシートも十分楽しめる車になっていました。今回試乗した
LS、
GS、
IS の中で一番運転していて楽しくバランスの取れた車と感じました。
特にパフォーマンス体験プログラムでの試乗では、スポーツ仕様の
version.S とノーマルな
"素"の2台に乗る事が出来ましたが、特に
"素"の印象が良かったです。
version.S は、エアサスがスポーツ指向でチューニングされ、ブレーキも大径化されたモデルですが、特設コースを走っていて所々に不自然なサスの動きが感じられ、細かくセンシティブに車を制御しているのが分かるのですが、反ってそれが運転の楽しさをスポイルしている感じでした。そのに比較して
"素"は、サスの動きも滑らかで乗り心地も良く、サスそのものに懐の深さを感じるような自然な粘り腰があって、軽快感すら感じる乗り味でした。まぁ~そもそも
LS のような車格の車にスポーツチューンが必要か否か疑問でもありますが、
LS らしさと言う乗り味では
"素"がお勧めだと思います。あと、エアサスの出来としては、抜群な部類のものだと思います。欧米は殆どがコンチネンタル社製ですが、
LS のトヨタ内製のエアサスは今までのエアサスのネガな部分を殆ど解消していて、ダンピング制御も自然な味付けで跳ねる感じが全く無く大柄なボディーを上手くフラットライドさせていて良かったです。
ブレーキも特設コースでチェックしましたが、基本的に意識的にフルブレーキをする必要は無く、軽く踏み込むだけで車が車速や踏み込みの強さ等を判断して ABS が介入する直前までブレーキングを自動的行い、同時にノーズダイブや車両の乱れを抑えるようにエアサスやステアリングの制御を行って、最大限の制動力を発揮できるように調整してくれるようです。実際、フル加速からポンと強めに踏み込むだけで勝手にブレーキ調整をする感じでスムーズに減速してくれました。これはアドバンスドセーフティ体験で行われたプロドライバーによる緊急回避のデモでも感じる事が出来ました。このような仕組みは確かに高齢者や女性のドライバーにはありがたい装備ではありますよね。
ハンドリングは、大柄な車体の割に軽快でした。一応、アクティブステアリングのようなのですが、
BMWのようにその存在を余り感じる事はありませんでした。特設コースでの比較的タイトなコーナーリングするセッションにおいても、全般的に弱アンダー傾向ながら普通の運転で思ったように車が動いてくれる印象でした。大きさのわりに取り回しは楽な方だと思います・・・まぁ、私自身、
TOUAREG のようなデカイ車乗ってましたから、このぐらいの大きさでは普通な感じだったのかも知れませんが(笑)
そうそう忘れてました・・・8速ATですが、前宣伝程スムーズじゃありませんでした(笑) ちゃんと変速ショックもありますし、大体が3~6速の間を行ったり来たりしている事が多いようなので、その有効性は良く分かりませんでした。まぁ、所詮、ATなので効率よくエンジンパワーが伝わってくれれば従来の6速あたりで十分かと思いますが。エンジンもトルク特性とATとのマッチングがいいせいか、扱い易い感じでしたね。以前のセルシオのようにモーターの如く無音で廻るというよりも、静粛性は意識しながらもエンジン音をちゃんとドライバーに聞かせるような感じもあって、回すとそこそこ音は聞こえてきました。特にいい音だとは思いませんでしたが、比較的軽く廻っている感じの高質なエンジン音でしたね。
公道試乗でも
LS の印象は余り変わる事は無く、乗り心地は良く、そこそこ軽快で、ブレーキも安心して踏めて、運転も(飽きない限り^^;)楽しめる車に仕上がっていたと思います。
総じて、
LS はプレミアムグレードなサルーンクラスでは十分
*買い*と言えるだけの車になっていると思います。個人的には、このクラスのサルーンを買う予定は今後もありませんが、もし将来気が変わって検討するとしたら、候補の1台にはなるだろうなぁ~との印象はありますね。非常にそつなく纏められた、レクサス随一のいい車である事は言えると思います。
ただこの試乗を通じて感じた事は、安全装備とは言え、ここまでハイテク武装してしまうのは技術フリークな私としても
???のオンパレードでした(^^;
日々仕事等で IT 関係と向き合っていると、そのソフトウェアのバグやエラーリカバリー、MTBF 等のハイテク固有の潜在的な問題が発生した場合、どこまで人間がフールプルーフに対応出来るか不安感がありますね。おそらく日常的に乗ってしまい、カーナビのようにこれらのハイテクでのケアに慣れてしまうと、自ずと人間感覚は怠ける方向に向かってしまうので、何か問題が起きた時にとっさの対応が出来なくなるんじゃないかと心配になります。メーカーサイドも当然、このような問題を認識し、何重かのチェック機能や保護機能を入れていると思いますが、やはり動かすのは人間であり、複雑な社会環境の中で運転する以上、もう少し人間を信頼してもいいんじゃないかなぁ~と正直思いました。
以上、長々と引張り続けましたが、これにて好き勝手言いたい放題な LEXUS インプレは終わりにしたいと思います。 ごちそうさまでしたm(__)m
PS: LEXUS オーナーの方々、好き勝って言ってすんまそん。お気を悪くされないで下さいね。
Posted at 2006/11/12 23:17:06 | |
トラックバック(0) |
Impression | クルマ