アテンザ退院しました。
今日、一週間ぶりに車を引き取って100kmほど走りましたが、完治しました!\(^o^)/
今後何かの参考になれば・・・ということで詳細を記載します。
<症状>
①エンジンの吹け上がりが何となく重い
②アクセル操作に対するレスポンスが鈍い
③長い全開加速の際、ハンチングのような症状(※)が出る(去年の夏ぐらいから)
(※)加速度が一定ではなく、僅かに波打つような症状です。アクセル全開で、且つ4~5千回転をゆっくりと上昇していくようなパターンの時(お察しください・笑)だと症状が確認し易かったです。
ただ、上記症状はすべて、メカニックの方がパッと試し乗りしてもわからないくらいの軽微なレベルでした。
(特に①、②に関しては、毎日のように乗っている自分の車だから感じられる変化、という感じでしょうか)
<車両情報>
生産:2012年12月
総走行距離:約36000キロ
吸気:社外エアクリーナー(純正交換タイプ)
排気:ノーマル
その他:KnightSports 4BEAT-D (チューニングロム)
<診断と修理>
診断機でデータを取ってディーラーの試乗車と数値を比較したところ、私のアテンザはターボチャージャーの過給のかかり方が緩慢になっている事が判明しました。
(ただし、最大過給圧については、試乗車とほぼ同じ数値だったそうです。)
しかし、初期の目視検査やタービンのガタつきの検査の段階ではターボチャージャー自体には異常がなさそうとの判断で、続いてエンジン本体にもチェックが入りました。
ここで判明したのが、カムシャフトの異常摩耗でした。
(実際に私も交換前の物を見せてもらいましたが、目視ではありますが、最大の摩耗部分では優に1mmは削れていました(@_@;))
早速カムシャフトを新品に交換して再度データを取ったのですが、思うような数値の改善が見られないとの事で、もう一度ターボチャージャーを詳しく点検する事になりました。
その結果、タービンハウジングの内壁に、タービンが触れたような痕跡が見受けられました。
(現物を確認させてもらいましたが、羽のガタつきはそれほどではないものの、確かに僅かに擦れたような痕跡が・・・)
ということで、ターボユニットも新品に交換してみたところ、今度は数値が改善!
最大過給圧も、交換前より高めにかかるようになったとの事でした。
(つまり、試乗車も最大過給圧が落ちてたってこと??)
その後、メカニック2人でテスト走行(一人は運転、もう一人はリアルタイムデータの診断係(?)だそうです)し、問題ないとの事で修理完了となりました。
<修理後のインプレッション>
まず真っ先に感じたのは、アイドリング時にハンドルに伝わる振動の安定と低減でした。(以前は、若干振動が乱れるというか、コクッコクッと不整脈のように(?)、振動が時折ハンドルに伝わっていました。)
走ってみてると、確かにサッと過給圧がかかる感じで、その後も気持ちよく伸びていきます。
修理によってコンピュータがリプロされて4BEAT-Dのデータが消えてしまったため、KnightSportsさんのところまで試運転も兼ねて行ってきましたが、行きの高速道路はノーマルの状態であったにも関わらず、預ける前のチューニングロム導入の状態よりもパワー感がありました。
(4BEAT-Dを再インストールしてもらった帰り道については言わずもがなです・笑)
ハンチングのような症状も収まっており、高回転まで気持ちよく回り、しっかりパワーもついてきます。
全体的なフィーリングとしては、洗練されたことによって大人しくなった感じもしますが、加速時に背中を押される感覚は間違いなく強くなっています。
『ジェントルな加速フィーリング』という感じでしょうか。
<交換部品>
カムシャフト(吸気側・排気側)
ターボチャージャー
ガスケット、シール類
※すべて保証対応
<雑感>
個人的には、想像していたよりもかなり重症だったと感じていますが、また気持ちよく乗ることが出来るようになって良かったです(^^)
そして何より、嫌な顔一つせず、改善に向けて細かく対応してくれたディーラーの対応に本当に感謝です。
マツダのクリーンディーゼルがいくら新しい技術とはいえ、車としての根幹に関わる部分の不具合(リコール等)が若干多いのでは?と個人的には感じていて、メーカーの対応にも『?』という部分もあったりで(後述の件も含めて。。。^^;)、正直なところ困惑していた部分もあり、その上でディーラーの対応も悪ければ、今回の件で車を手放す事も考えていたかもしれません。
(いくら走りが良くて、デザインが良くても。。。)
しかし、いつもきちんと対応してくれるディーラーさんのおかげで、次もまたマツダ車になるのではないかと思っています(^^)
ディーラーの質って、思っていたよりも車選びに重要な要素だと気づきました(^^;)
(今までは”値引きが一番大きいとこ!”だけで選んでました・笑)
<『カムシャフトの摩耗』と昨年の『改善対策』との関連について>
今回の入院でカムシャフトが異常摩耗している事が判明しましたが、それならば
『摩耗した分は何処に行ったのか?』という疑問が湧いてきます。
当然ながら、摩耗した分は
金属粉としてオイルに混ざってエンジン内を循環する事になるのですが、
金属粉と聞いてピンときたのが昨年末の
『CX-5、アテンザの改善対策について』です。
まずは、
不具合とその改善対策の内容について。
不具合(一部抜粋)
『ディーゼルエンジン用のオイルフィルターにおいて、リリーフバルブの開弁圧が不適切なため、エンジン内部で発生する金属粉がオイルフィルターで捕捉されないことがあります』
対策(一部抜粋)
『全車両、エンジンオイルをフラッシングし、オイルフィルターを対策品に交換する』
オイルフィルター自体の役割については説明不要かと思いますが、今回問題のあった
リリーフバルブとは何でしょうか。
金属粉がオイルフィルターに溜まりすぎてしまった場合、オイル自体もフィルターを通過出来なくなってしまい、オイルがエンジン内を正常に循環しなくなります。
それを防ぐために圧力で目詰まり状態検知し、ある一定の値を超えるとエンジンオイルを強制的にエンジンに排出するのですが、この時に開くのがオイルフィルター内にあるリリーフバルブです。
簡単に言ってしまえば、”オイルの非常出口”のようなものです。
リリーフバルブから出てくるのは、当然ながらろ過されていない汚れたオイルです。
症状としては、この
バルブが開くときの圧力(開弁圧)の設定が不適切だったために、汚れたままのオイルがエンジン内を巡り、オイルに混ざった金属粉がタービンやバキュームポンプにダメージを与えてしまう恐れがあるという内容でした。
要は、
『オイルフィルターが悪者』
という扱いですね。
しかし、本当のところはどうなんでしょう・・・?
想定外にカムシャフトが摩耗してしまうことにより金属粉が大量に発生
↓
オイルフィルターのキャパを超える金属粉で目詰まりが進行
↓
規定圧に達し、リリーフバルブが開く
(つまり、オイルフィルター自体はきちんと設計通りに仕事をしている!?)
↓
汚いオイルが循環
結局のところ、
”不適切”なのはオイルフィルターではなく、想定以上に早いスピードで摩耗を起こす(金属粉を巻き散らず)カムシャフトなのでは?
という事です。
その場合、対策品としたオイルフィルターは、単に
『金属粉の捕捉可能容量を増やした』とか
『リリーフバルブの開閉基準圧を高めた』(開きにくくした)だけで、カムシャフトの異常摩耗という根本的な問題はそのままに、ただの対処療法になっているだけという事になりそうです。
オイルフィルターでの対策と比べると、カムシャフトの対策はかなり複雑なハズですから、そういう対処方法になるのも仕方のない事だとは思いますが、5年、10年と乗リ続けた時にどうなるのか・・・・
メーカーからの情報がない以上はあくまでも憶測の範囲でしかありませんが、しかし更に上記を裏付けるように、アテンザ(ディーゼル)の場合、
2013年の年次改良時にカムシャフトの仕様が変更されていることが判明しましたし(ディーラーにて確認済み)、実際に
それ以降の製造車両は今回のオイルフィルターの改善対策車両には該当していません。(ターボチャージャーやバキュームポンプは仕様変更なし)
具体的な変更内容は、カムの表面がダイヤモンドの層によってコーティングされるようになったという事のようですが、耐摩耗性という意味ではバッチリ辻褄が合います。
(ちなみに、今回の入院で私のアテンザもこの仕様変更後のカムシャフトに変更になりました。)
私の車は、オイル・フィルター交換などのメンテナンスは日頃からしっかりと行ってきているつもりですが、それでも、チューニングロムを入てエンジンを回し気味に走ったりと、決して車に優しい運転をしている方では無いハズです。
もしそれが今回の件の原因ならばレアケースとして見られても不思議ではありません。
しかし、先の改善対策でバキュームポンプやターボチャージャー交換が必要と診断された方はかなりいらっしゃるようですし、必ずしも乗り方や弄り方に左右されるものではないのかな?と感じたため、今回敢えて記事とさせていただきました。
メーカーからカムシャフトの摩耗についての情報はありませんし、もしかしたら、そもそもそれぐらいの削れなんてどぉ~ってことないって事もあるのかもしれませんが(!?)、もし同様の症状でお悩みの方は、一度ディーラーに相談されると良いかもしれません。