優秀な遺伝子も打ち負かし得る貧困―知能を左右するのは環境
世の中には他の人々よりも頭が良い人たちがいるということは誰もが知っている。そうした知性の差のどれほどが、遺伝子、あるいは育ち方によるものなのか、あなたも考えたことがあるかもしれない。ところが、その質問に答えるのは不可能だということがわかった。
というのも、環境の変化が人々の特質、育ち方、遺伝子をも一変させてしまう可能性があるからだ。
このことを如実に物語っているのがフェニルケルトン尿症(PKU)と呼ばれる恐ろしい病気だ。ある遺伝子の突然変異は、食べ物に含まれるアミノ酸の代謝を阻害し、その遺伝子を持つ赤ん坊に深刻な精神遅滞を引き起こす。PKUは数百年にわたって不治の病だった。低い知能指数(IQ)をもたらすこの病気にかかるかどうかは遺伝的要因で決まった。
ところがその後、科学者たちはPKUの仕組みを解明した。今や、そうした遺伝子を持つ赤ん坊に対して特別な食事療法を行うことができるようになった。PKUを持つ赤ん坊のIQが低くなるかどうかは、その子が食べるもの、つまり環境で決まるのだ。
PKUに対してと同様、われわれ人間には、環境がどのように作用するかを解明したり、それを変えるために行動したりすることができる。したがって、人間性や育成の相対的影響を測ろうとするのであれば、現在の環境だけではなく、われわれが作り上げる可能性がある、あらゆる環境を考慮しなければならない。
これはあまりなじみのない病気にだけに当てはまる話ではない。米専門誌「サイコロジカル・サイエンス」の最新刊では、エジンバラ大学のティモシー・C・ベイツ氏とその同僚たちによる遺伝子、SES(社会経済的状態、つまりどれほど裕福で高度な教育を受けているか)、IQの関連性に関する研究が報告されている。彼らはすべてのDNAを共有する一卵性双生児と一部のDNAしか共有しない二卵性双生児の違いを統計学を使って分析した。
心理学者たちが双子たちの研究を開始してすぐ、同じような水準のIQを持っている可能性は二卵性双生児よりも一卵性双生児の方がずっと高いということがわかった。IQは「遺伝性」が高く、その差は遺伝的違いによるものだ、と彼らは結論付けた。しかし、研究対象となったのはSESの高い双子ばかりだった。バージニア大学のエリック・タークハイマー氏とその同僚たちは、貧しく、SESの低い家庭で育っている双子たちの状況はかなり違っているということに気付いた。そうした一卵性双生児と二卵性双生児のあいだにはほとんど差がなかったのだ。IQにはほとんど遺伝性が見られなかった。優秀な教師に付きっ切りで教わったかどうかといった環境の違いの方がよっぽど重要なようだった。
ベイツ氏のチームの新たな研究では、子供たちが成長した後も同じ結果が出ることがわかった。貧しい家庭で育った人々にとってIQの遺伝性はかなり低かった。このことに矛盾を感じる人もいるかもしれない。結局のところ、人のDNAはどのように育とうが同じままなのだから。だが、IQが教育に影響されるとすれば説明がつく。われわれは、より多くの人々がより長く学校に通えるように環境を変えてきたため、歴史的に見ても絶対的なIQスコアは大幅に上昇してきた。
裕福な家庭に育ち、同じように良好な教育機会に恵まれた子供たちの遺伝子の差はより明確になる。教育上の選択肢が多い裕福な子供たち(あるいはその親たち)は、特定のスキルを際立たせたり、伸ばしたりする環境を選ぶこともできる。数学の能力がわずかに高い子供は数学のクラスを受ける可能性が他の子よりも高く、数学がさらに得意になる。
ところが、貧しい家庭で育った子供たちにとっては、教育機会の違いが遺伝子的な違いを圧倒してしまう。ひどい学校に入るのと少しましな学校に入るのとでは大きな差が生じ得るのだ。そして、貧しい家庭に育った子供たちには、自分たちの長所を伸ばす教育を受ける機会などほとんどない。
遺伝子がどのように知性を作っていくかは、あなたが生きるのが学校教育がまったくない世界か、良い教育を受けるには幸運が必要な世界か、豊富な教育機会に恵まれた世界か、で変わってくる。PKUを患う赤ん坊たちのために世界を変えられるのであれば、われわれは次世代の貧しい子供たちのためにも環境を変えられるはずである。
私の中の天才は、
アインシュタインですね。
IQの高い人たちを調べてみると、
こちら
すごいですね。
アインシュタインは、9位でまだ上がいると言う。
6歳で、たったの7ヶ月間で中高5年制の学校を飛び級どころか卒業してしまうとは・・・。
まさに生まれつきの天才。
Appleの創業者で、まだdosコマンドでちまちまやってた時代に、マウス操作の出来るGUI(グラフィック・ユーザー・インターフェース)を搭載した画期的なOSを搭載したMacを世に送り出し、パソコンを一般人にも浸透させ、いまのスマホの先駆けであるiPhoneを送り出し世の中を変えたと言っても過言ではない「スティーブ・ジョブズ」もIQ140と言われている。
そもそもハーバードに在学中の方々の平均IQは140らしい。
食べ物や環境でって書いてあるけど、限度ありますよね。
私のような凡人以下には、到底ここまでの天才になるのは無理です(笑
でも、IQはあくまでも基本性能が高いと言う話で、いかにその能力を使い多くの人を幸せに出来るかが一番の問題と思う。
IQが高いから幸せって話でもないですし。
日本の教育が問題視されていますが、義務教育を含め、学べる環境が整っている日本に生まれたことはやはり幸せことと思います。
自分の能力では、アインシュタインやジョブのようにたくさんの人の生活を激変させたり、驚きや幸せを創造することは無理ですが、自分の家族やまわりの自分と接する方々ぐらいはちょっとでも幸せに出きる位は頑張りたいなと思った次第です。
Posted at 2013/09/26 01:13:48 | |
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