前編ではユニフォミティマッチングについて書きましたが、後編は実際の調整と、その後のインプレです。
関東でGSP9700を導入している数少ないお店である、横浜戸塚の
アイピーエムでユニフォミティマッチングをお願いしました。
まずは現状を計測した結果です。Nがついた数字が RFV(ラジアルフォースバリエーション)といって、そのタイヤの真円度を表します。数値が低い方が真円度が高く、良い状態です。
予想よりも良い数値でしたが、右前輪の結果が悪く、95Nでした。80Nが基準で、それ以上だとハンドルに振動が発生することがあるようです。
欧州車はユニフォミティにシビアな車が多いようで、ちょっとでもバランスが崩れると途端に高速シミーが発生するそうです。プジョーもユルいフランス車と思っていましたが、ここら辺の管理は他の欧州車並に気をつかう必要がありそうです。
右前輪の詳細な計測値です。この中で気になる点が指摘されました。ホイールのラジアル リムランアウトが 0.44mm あり、あまり良い数値ではないそうです。不良品とまではいかないけど、ホイール側の問題もあるかもしれないという事でした。
確かに愛知にあるお店の
施工事例を見ても、0.1mm 以下のホイールが多くありました。しかし、中には 0.3mm で良好なユニフォミティを持つものもあったので、タイヤとの相性もあるかもしれません。
今回は一つだけ数値が悪かった右前輪のみマッチングを行いました。待つこと2時間、やっと調整が終わりました。95Nから基準ギリギリの80Nまで低減できました。
その他、ユニフォミティの状態が良かった後輪を前に移し、タイヤのローテーションを行いました。
これが調整後の状態です。
さあ、いよいよ調整の結果がわかります。ドキドキしながら走り出し、程なくして幹線道路に出てスピードを50km/hまで上げました。この時点で、すでにハンドルを握りながらひとりニヤけていました。ステアリングの感触が滑らかになっているのを十分に感じられたからです。
ユニフォミティマッチングは高速シミーの解消のためにお願いしたので、一般道の速度域での効果は予想外で、嬉しい誤算でした。
今までハンドルを握っていて、路面状況をよく伝える車だと思っていたのですが、あの感触は路面情報だけではなく低速域からも発生していたハンドルの振動もかなり含まれていたようです。調整前に比べて雑味が消えてステアリングのしっとり感がより強調されました。
そこから首都高に乗り速度をさらに上げます。これまでハンドルの振動が出ていた速度域に到達しても、ハンドルは滑らかな感触のままです。高速シミーは見事解消されました。手は離せないので、心の中でガッツポーズです。
しかし、さらに速度を上げてみると僅かに振動が発生しました。これまでよりは軽いですがハンドルにプルプルという感触が伝わります。そして、直進性もイマイチになり、車がフラフラと不安定に感じます。調整の結果、後輪のユニフォミティが劣化しているのが原因かもしれません。
しかし、シミーが発生する速度域はこれまでよりずっと高くなり、自分の巡航速度からは外れているので無視しても良さそうです。
結果として、高速シミーの完全解消とはいきませんでしたが、非常に満足しています。巡航速度でのシミーは解消し、予想していなかった低速時のステアリングの感触も改善しました。調整料金が26,000円と普通のバランス調整の5倍はしましたが、確かな効果があります。
いま装着しているタイヤが5年目なので、いっそ変えてしまおうかとも考えていましたが、それで直る保証もなかったので、その前にユニフォミティマッチングをお願いして正解でした。
あと1年半はいまのタイヤを使って、来年末の車検時期にタイヤを新調しようと思います。その時は勿論ユニフォミティマッチングで組み込んでもらうつもりです。
タイヤというのは本当に重要なパーツで奥が深いですね。今回の調整でこれだけ改善したのだから、タイヤを交換して全輪のユニフォミティが30N以下になったらどれだけ素晴らしいんだろうと想像してしまいます。もしかすると、知らなかった方が良かった世界を知ってしまったのかもしれません。
Posted at 2016/07/05 23:28:08 | |
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プジョー308SW | 日記