
皆様こんばんは。
さて、2021/2/3でランサーエボリューションVII発売から20年が経ちました。
おめでとうございます㊗️
今宵はランエボの歴史を(VII辺りをちょっと詳しくw)少しだけ振り返ります?(笑)
→書いてたら意外と長くなってしまった...
※実はあまり詳しくないので間違いがあったらご指摘くださいw
92年9月
初代「ランサーエボリューション」誕生。
(E-CD9A)
それまでの三菱自動車はWRCをギャランVR-4で戦っており、計6勝を記録。
WRCで勝つにはもっと軽量でコンパクトなボディが必要と考えた三菱自動車は93年のWRCにランサーエボリューションを投入。
しかし、ホモロゲーション取得(93年以降のグループA最低年間生産台数2,500台)までの開発期間が短かった為、4WD特有のアンダーステアが強く、決して運動性能が良い車とは言えなかった。
94年1月
「ランサーエボリューションII」発売。
(E-CE9A)
初代ランエボの問題点を克服する為に時間をかけ、マイナーチェンジ。
外観こそ大きな変化はないが、足回りをメンバーごと一新し、トレッド・ホイールベースの拡大。
エンジンにも改良を加え、10ps向上。
これにより、走行性能は大幅に改良した。
三菱自動車は、ランサーエボリューションをWRCに投入して3シーズン目、95年の第2戦スウェディッシュ・ラリーにおいて、ランサーエボリューションシリーズとして初優勝。(ドライバーK.エリクソン)
95年1月
「ランサーエボリューションIII」発売。
(E-CE9A)
エボIIからの基本車体構造に変更はないが、大型リヤウィングや大開口フロントバンパーを備えた。
また、エンジンにも改良を加え最高出力を270psまで向上させた。
WRCでは
95年
第6戦ラリー・オーストラリア
(K.エリクソン)
96年
第1戦 スウェディッシュ・ラリー
(T.マキネン)

第2戦 サファリ・ラリー
(T.マキネン)

第5戦 ラリー・アルゼンチン
(T.マキネン)

第6戦 1000湖ラリー
(T.マキネン)

第7戦 ラリー・オーストラリア
(T.マキネン)
で優勝を飾った。
96年8月
「ランサーエボリューションIV」発売。
(E-CN9A)
前年にベースであるランサーがフルモデルチェンジした為、ランエボも第二世代へと進化した。
本モデルの最大の特徴は、前モデルからエンジンの搭載方向を左右反転させ、トランスミッション内部にあったインターミディエイトギヤの廃止により、大幅なレスポンスの向上を果たした。
最高出力は自主規制いっぱいの280psまで向上。
また、三菱自動車新開発のAYC(アクティブ・ヨー・コントロール)の採用により、エボIIIに比べ旋回性能が大幅に向上した。
しかし、新開発のAYCは完成度が低く異音発生のトラブルが相次いだ。
WRCでは
97年
第4戦 ポルトガル・ラリー
(T.マキネン)

第5戦 ラリー・カタルニア
(T.マキネン)

第7戦 ラリー・アルゼンチン
(T.マキネン)

第10戦 ラリー・フィンランド
(T.マキネン)
98年
第2戦 スウェディッシュ・ラリー
(T.マキネン)
第3戦 サファリ・ラリー
(R.バーンズ)
で優勝を飾った。
98年1月
「ランサーエボリューションV」発売。
(E-CP9A)
エボV開発当初よりテストドライバーとして中谷明彦が携わる。
スーパー耐久では無敵だったR33GT-Rに勝つべく、様々なアイディアを盛り込んだ。
このモデル最大の特徴はなんといっても「3ナンバーサイズ」にサイズアップした1,770mmの車幅、タイヤサイズのアップ、フロント4ポットリヤ2ポットのブレンボ社製キャリパーを採用したところである。
当時の280psクラスの中でも抜群の運動性能を見せつけ、ベストモータリングの筑波アタックやバトルにおいても優秀な記録を残した。
WRCでは
98年
第7戦 ラリー・アルゼンチン
(T.マキネン)

第10戦 ラリー・フィンランド(日本車100勝目)
(T.マキネン)

第11戦 サンレモ・ラリー
(T.マキネン)

第12戦 ラリー・オーストラリア
(T.マキネン)

第13戦 ラリー・グレートブリテン
(R.バーンズ)
で優勝を飾った。
99年1月
「ランサーエボリューションVI」発売。
(GF-CP9A)
99年のWRCラリーレギュレーションへ対応するための主に外観変更等のマイナーチェンジを行った。
フロントバンパー・リヤウィングの変更を行ったのだが、リヤウィングの形状がWRカー規定を超えるとしFIAが指導した為、一部改良された。
WRCでは
99年
第1戦 ラリー・モンテカルロ
(T.マキネン)

第2戦 スウェディッシュ・ラリー
(T.マキネン)

第9戦 ラリー・ニュージーランド
(T.マキネン)

第12戦 サンレモ・ラリー
(T.マキネン)
00年
第1戦 ラリー・モンテカルロ
(T.マキネン)
で優勝を飾った。
00年1月
「ランサーエボリューションVI TME」発売。
(GF-CP9A)
通称エボ6.5。
当時のWRC三菱のワークスドライバー「トミー・マキネン」4年連続ドライバーズチャンピオンを記念して発売。
ターマックラリーを意識し、前部のバンパーを中谷明彦のデザインを基に見直し、フォグランプ設置部の廃止により、空力を改善した形状となった。
その他、エンジン・ターボチャージャーなど細部を見直し、大幅な出力向上はないものの前モデルより完成度を高めた。
また、WRCワークスマシンをイメージしたカラーリングもオプション設定された。
WRCでは
01年
第1戦 ラリー・モンテカルロ
(T.マキネン)

第3戦 ラリー・ポルトガル
(T.マキネン)

第8戦 サファリ・ラリー
(T.マキネン)
で優勝を飾った。
そして第8戦サファリラリーがWRCグループAでのランサーエボリューション最後の優勝となった。
01年2月
「ランサーエボリューションVII」発売。
(GH-CT9A)
前年にベースであるランサーがフルモデルチェンジした為、ランエボも更に第三世代へと進化した。
外観のデザインはエボVI以前と比べ、大人しい印象になった。
また、ベースのランサーのボディが大型化した事や三菱自動車の新機構ACD(アクティブ・センター・ディファレンシャル)の採用により、エボ6より40kg増となった。(GSR比)
発表時には、大型化したボディやホイールベースがロング(+115mm)になった事、車重が増えた事によりランエボファンからは、「曲がらない車なのではないか?」と不安の声があった。
しかし実際に販売開始後の反響は、「よく曲がる4WD」として予想を良い意味で裏切ってくれた為、評判が良かった。
エボV以降、開発ドライバーとして歴任した中谷明彦がベストカーに書いたコラムによると、当初ランサーセディアのボディサイズがギャランVR-4(E3系)とほぼ同一であった事から、ランエボ6.5が最後のモデルになる事やランエボを販売するかどうか決めかねていた事が伝えられていたという。
このモデルから三菱はWRCでの活動を今までのグループAから、ランサーセディア(CS2A)をベースとしたWRカーに移行した。
その理由は、97年のWRカー規定の改定により、ランサーも改良のレベルでは対抗できなくなった事と、ランサーエボリューションとランサーセディアでは全長などの違いから、同一車種ではないと判断されてしまい、ランサーエボリューションではホモロゲーションを取得出来なかった事に起因する。
02年2月
「ランサーエボリューションVII GT-A」発売。
(GH-CT9A)
ランエボ初となるオートマチックトランスミッションモデルである。
エンジンは、オートマチックトランスミッションの特性を考慮してピークパワーを抑えたセッティングが施された。
外観はエボVII GSRとほぼ変わらないが、シティユースを考えた小型リヤウィング(オプションで大型リヤウィングへ変更可)やA/Tオイルクーラー冷却の為、ナンバープレートの位置がバンパー中央に変更となった。
03年1月
「ランサーエボリューションVIII」発売。
(GH-CT9A)
このモデルの特徴はなんといっても、ダイムラー・クライスラーより移籍してきたオリビエ・ブーレイ氏によるデザイン「ブーレイ顔」になった事。
このデザインの変更は大変な不評で、さらにラジエター冷却性能低下や、空気抵抗増大を招いた。
一方で、走行性能は改良されており、特筆すべき点は6速ミッションが採用された事。
そして、エボVIIのタンク容量が48Lに対し、エボVIIIは55L(GSR)へとアップされている。
AYCは内部構造を見直し、制御トルクを増大させたスーパーAYCとなっている。
また、リヤウィングが量産セダン世界初のカーボン製となった。
04年2月
「ランサーエボリューションVIII MR」発売。
(GH-CT9A)
通称エボ8.5。
MRとはMitsubishi Racingの略で、エボVIIIの熟成モデルである。
当初、その大幅な改良から「次期エボ9」や「最後のランエボではないか」との噂があった。
ビルシュタインダンパーの装着・ドア内部サイドインパクトバーのアルミ化・量産車初のアルミルーフなどが主な改良点である。
またエボV・VIと同じ大容量タービンが採用されている。(GSRとRS6速車のみ)
05年3月
「ランサーエボリューションIX」発売。
(GH-CT9A)
ランエボに搭載されるエンジン(4G63)として初となる可変バルブタイミング機構「MIVEC」(マイベック)を採用。
また、タービンコンプレッサーハウジングを改良し、コンプレッサーホイールはマグネシウム合金を採用。
これらにより、エボVIII MRに比べ最大トルク発生回転数が3,500rpmから3,000rpmに下がり、低回転のトルクアップとトルクバンド増大、さらに高回転域でのレスポンスが向上した。
外観は、前モデルで不評だったブーレイ顔を廃止。
当時のスーパー耐久で走っていたテスト&サービスのスーパー耐久仕様フロントバンパーと似たデザインになった。
リヤバンパーは、中央にディフューザーを装着し、空力の向上。さらにリヤの車高を5mm落とす事でコーナーリング時の接地性能を高めた。
05年9月
「ランサーエボリューションワゴン」発売。
(GH-CT9W)
ランエボ初となるワゴン。
エボIXのシャーシをベースに、上半分にランサーワゴンのモノを溶接したモデル。
6速ミッションとオートマの二種類をラインナップした。
セダン(通常のランエボ)と比較して車重は100kgほど増加しているが、人によっては元々FFベースでフロントヘビーでもあるせいか、リヤにトラクションがかかって乗りやすいとも言われている。
06年8月
「ランサーエボリューションIX MR」
「ランサーエボリューションワゴン MR」発売。
(GH-CT9A/GH-CT9W)
通称エボ9.5。
再びMitsubishi Racingの名を与えられ、熟成したランエボ第3世代の最終モデル。
また三菱自動車の名機4G63型エンジンを搭載する最後のランエボ。
エンジン系の大きな変更はなく、タービンに小改良が加えられた。
また、ECUのチューニングによってエボIXよりさらにレスポンスが向上している。ACD・スーパーAYCのセッティングも変更され、より旋回性能が向上している。
発表前より、「4グレード合計1,500台限定」と言われていたが、結果的には追加生産が行われ、2,500台ほどが生産されたと言われている。
また、人気が高い第3世代の最終モデルと言うこともあり、現在の中古車市場では歴代ランエボ一値段が高い。
非常に状態の良い個体だと当時の新車価格をはるかに上回る。
07年10月
「ランサーエボリューション X」発売。
(CBA-CZ4A)
エボ10は8年間生産され、エボシリーズ初のカタログモデルとなった。
ベースのランサー(ギャランフォルティス)がフルモデルチェンジをした為、ランエボも最後の第4世代となった。
モノコックボディはギャランフォルティスと共通だが、そのほとんどに手が加えられている。
トランスミッションには5速マニュアルとツインクラッチSSTが採用されている。
エンジンはこれまでの4G63型からオールアルミブロックの4B11型が搭載されている。
15年8月
「ランサーエボリューション ファイナルエディション」発売。
(CBA-CZ4A)
同年4月、三菱自動車はランサーエボリューションXの特別仕様車「ランサーエボリューション ファイナルエディション」を8月に発売することを発表し、先行予約受付を開始した。
1,000台限定販売で、販売台数に達した時点で予約の受付を終了。
また、ファイナルエディションの発売をもって国内におけるランエボの生産終了も告げられた。
同時に三菱自動車が国内のセダン市場から完全撤退することも意味している。
ランエボファイナルエディションはエボ10の改良版だが、どこにもランサーエボリューションXのエンブレムは見当たらない。
リヤトランクにはFinal Editionの文字がしっかりと刻まれている。
これが本当に本当に最後の三菱ランサーエボリューションであり、最後の三菱自動車ランサーシリーズとして幕を閉じたのである。(2016/4/18)
The Spirit of Competition=競争心
Heart-Beat Motors
MITSUBISHI MOTORS