ナメタがれいのブログ一覧

クルマネタではないのだ

この時期に雪が積もると決まって思い出すことがある

あれから8年ほど経過したか

我は福島県　郡山市に単身赴任しておった

郊外のアパートから通勤を始めたある冬の夜のこと

我は猛烈に飢えておった

あまりに郊外で　食料品を買える店が見つからないのだ

弁当屋さんも　コンビニもない　土地勘がなくて探せないのだ

駐車場も確保できなかったので　足がなく　自転車のみであった

スーパーを探すにも退勤が21時近くで　それも難しかった

毎日　コメと缶詰ばかり食べていたので　まいっておった

ちょうどその晩は８時台に退勤できた　急いで家路についた

今夜こそは　食料品店を探して　お惣菜にありつくのだ

活きのいい魚があったら　焼いても煮てもいいなぁ

材料を買いこむのだ　もう缶詰は嫌なのだ

その思いがかなって　ようやく　スーパーを発見　嬉しいことこの上ない

喜々として　お買い物を始めたが　閉店間近なのだ　ホタルの光が流れ始まった

急がねば…

刺身やら　魚やら　野菜やら　鍋セットやら　パンやら

各種お惣菜なども　スーパーのかごに放り込み一杯となった

どうやら　間に合ったと安堵しつつ　レジで清算が始まった

『　いやあ　やっと　まともな晩飯にありつけますよ　』などと　

年配の男性店員さんと談笑しながら　さて　支払いを…

と、　そこで　とんでもないことに気が付いた

あろうことか　財布がないのだ　急いだあまり　職場のロッカーに置き忘れたらしい

放心状態となったが　恥ずかしさと落胆の気持ちでいっぱいになりつつ

『　すみません　財布を職場に置き忘れてきました　商品をお返しします　お手数をおかけしました　』

店員さんもあっけにとられておる

急いで　商品を元に戻し　再度レジの店員さんに詫びて　スーパーを後にした

その直後に閉店

トボトボと雪深い道の中　家路につきながら　財布を忘れてきた　我のマヌケさに失望

今日も缶詰かと　ため息…　

はぁ　せっかく　まともな食事にありつけるところだったのに…

店員さんにも　迷惑をかけてしまったのだ…

重い足取りで雪道を300ｍも歩いたろうか

後ろから　急接近してくる人の気配があり振り返った

なんと　レジにいた　年配の男性店員さんではないか　大きな袋を２つも抱えている

何事かと驚いた　『　どうかされましたか？　』

ミスター店員さんは　『　これを　どうぞ　』と我に差し出した

状況が理解できずに　おると　ミスター店員さんいわく

『　お腹がすいておられるのでしょう…　これらの商品は　明日には　賞味期限が切れるので

廃棄せねばならないのですよ　お金はいりません　これ食べて　また　お仕事ガンバって下さいね！』

なんということだ…　この雪の中…

食料品が満載された袋を２つも担いで　我を追いかけてきてくれたのか

差し出された袋には　刺身やら　活きのよい魚やら　野菜や　パンや　お惣菜がぎっしり

鍋セットまでが入っておった　少なく見積もっても　3500円分は下るまい

これが人の情けというものか…

私はそのお気持ちがあまりにありがたく　涙がこぼれそうになったのだ

このご時世にこんなことが起きるとは…胸が熱くなった

後日　支払いに行ったが　ミスター店員さんはおらず　店長に経緯を伝え　お礼を申し上げた

代金は受け取ってもらえなかった　

『今後も　当店をよろしくお願いしますね　お待ちしておりますよ(*^。^*)』とのこと

福島県民と　郡山市が一気に好きになったのはいうまでもない

ミスター店員さんは元気でおられるだろうか…

毎年　雪が積もると思いだす　懐かしいエピソードである

我が出現した日が来てしもうた



いわゆる　世間でいう誕生日なのだ



世に出でて　ほぼ半世紀が経過したことになる




もう半世紀も経ってしもうたか




半世紀…十分な時間ではないか




我はいったい何を成したのだ




アマデウスは３５歳で逝ったが　900曲以上の作品を遺した




大石内蔵助良雄は主君の仇　吉良上野介義央を討ち　

天下泰平の世に一石を投じた　享年　４５歳




薩長同盟と大政奉還の立役者　坂本竜馬は　これを３３歳で成しておる






飢饉に喘ぐ民衆を助けんと私財をなげうち　

乱を起こした大阪町奉行所組与力

大塩平八郎　　　享年　４５歳
　




先人たちの生き様には感心することしきりなのだ





我も　早や　半世紀





我の成すべきことはなんぞや　何故にここにおる？

我思う、ゆえに我あり　～デカルト～


やはり　右腕ありきかのぉ