花生米のブログ一覧

評判の高い（？）フリードリヒ・グルダのチェロ協奏曲、数日前ようやく初めて聴くことができました。

タイトルは「チェロ協奏曲」ですが、まずこれをタイトルから受ける印象どおりの曲だと思って聴くと、その期待は大きく裏切られます。

ジャンルにこだわるような人や、○○はこうでなきゃいけない、などと頑なに思うような人にはとても耐え難いシロモノ。
ハインリヒ・シフの超絶技巧チェロを中心にドラム・ギター・ベースなどを加えたブラス・オーケストラの演奏がぐるぐると渦を巻くといった内容です。

しかも破天荒なロックテイストの曲が一転情緒的なものや牧歌的なものに突然変わったり無伴奏になったり、最終楽章なんて運動会かちんどん屋？それともジプシー音楽？まさに驚きの連続。

権威や枠組、既成概念をとことん嫌ったグルダらしい曲でしたね。
グルダにとって音楽は単に“音楽”、ジャンル分けなど無意味なモノだったんでしょう。

しかしこれを演奏する人たちもまたすごいなー。
シフのカデンツァなんて悶絶ものです。

そして、カップリングされた「ウルスラのための協奏曲」もまたすごい。
ソプラノ歌手ウルスラ・アンダースが歌いながらパーカッションまで叩いているようです。
そしていつしかオケ（しかもベルリンフィル！）と交互に入ってくるのは長めのドラムソロ…！

まさに「炎のタムタム野郎」ですよ（昔、FM横浜聴いてました～）。

どこの誰がこんな曲を作ったんだ！アホか！などと思うよりもニヤニヤしながら聴き入ってしまいます。

このCD、しばらくハマりそうです。
楽しさにあふれた美がつまってますよ。

そういやグルダとウルスラ・アンダースが素っ裸で「オレたち狂ってるぜ！」などと叫びながらフリー音楽（グルダの自作曲『リベレーション』だったのかな？）を演奏してる映像もありましたね、“世界最高のピアニスト”とも謳われたこともある巨匠なのに（笑）