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イイね!
2018年05月05日

エンジンオイルの話。



おヒマでございます。

今回はいつもと打って変わって、真面目っぽい話。

誰もが一度は悩んだことがあると思います。

最近コレに悩まされているので、少し僕の考えの整理も含めて。。。

長い文章がイヤな人は、水色の太字だけ読むと少しだけ話がわかります。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


Z33の後期型に搭載されているVQ35HRというエンジン。

前中期型のVQ35DEからガラリと変わっていますね。

HRには、“High Revolution”とか“High Responce”の意味が込められています。

突然ですがここで、前型のVQ35DEという型式の意味を考えると

VQエンジンの 3500ccで バルブ機構はDOHC 燃料はElectronic Injection 方式です

という意味。




この時点で勘付いたらスゴいです。

そう、おかしいんですよね。

後期型で設計を改めてVQ35HRになったとしても、このエンジンがDOHCでありElectronic Injectionであること、

これには変わりがないわけですから、本来であれば

VQ35DE-HR

とか、型式として“DE”を残さないと、おかしな話になってしまいます。




そこまで考える人、そんなにいないと思いますけどね笑

実際、このVQ35HRの型式申請をした人間が、型式の成り立ちも知らないで間違った申請をしてしまい、

それがまた認定されちゃったもんだから、そのまま今に至っているみたいです。。。

なんともお粗末!





閑話休題。



そんな逸話のあるエンジンですが、なんとも気難しいエンジンでもあります。

それが、エンジンオイルのこと。

VQ35HRの純正注入オイルは、日産 ストロングセーブX Eスペシャル 5w-30です。

このオイルの素性はイマイチつかめていませんが、化学合成油で、エステルが配合されている。

というところまでは製品の缶カンに書いてあります。

さて、クルマが好きで、サーキットとかジムカーナとかする人は特に

エンジンオイルの銘柄をいろいろ変えて試す方々も多いかと思います。

GT-R指定の0w-40入れてみようとか、暑さ対策で10w-50にしてみようとか。



これをZ33後期型でやるとどうなるか。

結論から言うと、エンジン始動してから2~5分の間、まともに走れません。

思いっきりハンチングして、前後に揺さぶられます。エンジン壊れたかってくらい。

僕はこの症状に悩まされ、ネットで色々調べました。

その中で徹底的に原因を追求されている方の記事がありました。これを要約すると



『排気側バルブタイミングの制御にエンジンオイルの粘度を使っているので、

純正と違う粘度のオイルを入れると制御が狂ってしまい、ハンチングを起こす』



ということのようです。

ちなみにその制御が始まるのは油温が80℃50℃[1]を超えてからなので、始動直後ではなく

始動後2分くらい経たないと症状は出ないし、温まり切ってしまえば

粘度の差も小さくなって制御も正常に戻る、ということみたいです。



上記のことを考えると、VQ35HRには5w-30以外を入れてはいけない、ということになります。




ここでもうひとつ問題を提起します。

それは、Z33は冷却が弱く、油温水温が上がりやすいということ。

モータースポーツを少しでも嗜む方には悩みの種です。

特に気をつけたいのは油温。潤滑がうまく行われなければ、エンジンは死にます。

一般的には、120℃以上に上げてはいけない、と言われています。

ただ、実際には少し話が違っていてるようで。。。




オイル粘度の5w-30という表記のうち、30は油温100℃時点での粘度を表します。

これが、10℃上がるごとに粘度は10下がる、というのが超簡単に捉えた温度-粘度の関係だそうです。
(実際はもっと複雑です。たぶん。)

なので30のオイルは、110℃になると20相当の粘度になる、と。

もうひとつ情報として、『粘度が20を切るのはよくない』ということ。

つまり、5w-30のオイルは110℃以上にすると危険、ということになります。



先程、Z33は熱に弱いと書きました。

実際、ジムカーナ等で高回転ばかり回していると、油温110度まで10分と持ちません。

サーキット1周したら終わり、みたいな。

なので、サーキットに頻繁に行く人はオイルクーラーを装着します。



では、僕のように年に3~4回、お遊びジムカーナしかしないような人はどうするか。

しかも通勤に車を使っていて、オイル交換の頻度もそれなりだとすると

オイルクーラーをつける費用と、それによるオイル量の増加は、痛い出費です。。。




...せめてジムカーナ中くらい持ってくれればそれでいい。

そう考えると一番簡単なのは、オイルを5w-30から40、はたまた50にすればいい。

僕は安直に、GT-R指定のMobil 0w-40を入れました。良かれと思って。

そうすると出てきたのが、上に書いたハンチング問題。

原因がわかるまで本当に悩んだし、分かったあとも悲しかった。

僕は考えました。



・油温が50℃を超えたあたりから症状が発生する

・温まりきってしまえば、症状はおさまる

→低温時だけというなら、5wさえ合わせればいいんじゃないか?



そう思って入れたのが、今回のMobil 5w-40でした。

が、やはりそう簡単では無いようで。。。

0w-40に比べればまだマシなものの、5w-40でもハンチングは発生してしまいました。




でも、オイルクーラーを入れる決心は付きません。

資金力が圧倒的に足りない。。。

では、オイルを突き詰めてみようかという考えに至ります。




求めるのは、高温性能が良いオイル

何がそれを満たすのかというと、俗にいう100%化学合成油。

さらにエステルが配合されていると、高温時でも油膜が保持できるらしい。

そして、できるだけ安いもの。

これでやっと、欲しいものが定まりました。



100%化学合成油で、できればエステルが配合されていて、粘度5w-30のオイル。



なんや!化学合成油買えばええんやろ!と思いましたが

ここでもうひとつ、壁に当たります。

それは、『全化学合成油』表記の問題。



これもまたややこしい問題なのですが、

エンジンオイルのベースオイル(基油)には、I~Vのグレードが設定されています。

内訳は

I、II、IIIが鉱物油(処理法が高度になるにつれ上がる)

IV、Vが化学合成油です。

なのに、グレードIII100%のオイルは「全化学合成油」と名乗って販売しているのです...!
詳しくはご自分で調べてください。。。

ただし性能的にはグレードIVを凌ぐものもあるようなので

グレードIIIだから良くない!と一蹴するのはちょっと違います。が、

真剣に100%合成油を欲しがる人間には、ジャマ以外の何者でもありません。





メーカーに依っては、グレードIIIと決別するために

「PAOベース100%合成油」とか、「100%合成油」と「全合成油」の表記を分けていたりと

見分ける方法がないわけではありません。

しかしMobilのように、全オイルに「化学合成油」という表記があっても

中を探れば0w-40はグレードIV、5w-30、5w-40などはグレードIIIだったりと

非常に分かりづらい(というか分からない)表記をしているメーカーもあります。

ちなみにコスパで有名なTAKUMIオイルは、表記は化学合成油ですが

商品説明にしっかりHIVI(=グレードIII)と書いてあり、良心的です。




じゃあ、どのオイルがこの条件に合致するんだよ!!ということで、

グダグダ言っていても埒が明かないので、オイルの候補を挙げる段階に移ります。


① もう純正でいいじゃないか、エステルも入ってるし。
『日産 ストロングセーブX Eスペシャル 5w-30』
(\1100/L)



...これがわからんのです。

缶の表記が2種類あって、「部分合成油」と書いたものと「化学合成油」と書いたものの

2種類の画像が出てきます。

過去は部分合成油だったことは事実なようですが、なぜ表記が変わったのか。

グレードIIIを使っているから部分合成油としていたが、最近のトレンドに合わせて化学合成油としたのか。

基油を見直してグレードIVのみを使うようにし、100%化学合成油として商品を変更したのか。


頭を捻っていてもしょうがないので、お問い合わせセンターにでもメールして聞くしかないですね。。。




② 安心安全というウワサ。
『Sunoco SVELT 5w-30』
(\1200/L)

100%化学合成油がほしい方には人気のようで、価格も良心的。

エステルも配合されています。

いまのところトップ候補ですね。




③ 自動車部の先輩がオススメしてたメーカー
『RED LINE 5w-30』
(\2900/L)

これも100%化学合成油です。

12SRに乗っていたときに一度だけ入れましたが、

Mobilより固いため小排気量には向いておらず、やめてしまいました。高かったし。

日本向けのHPがあまり整備されていなくて、情報が少ないのがネック。




④ カー用品店の自社ブランドもナメてはいけない
『YellowHat MAGMAX プレミアムX SN 5w-30 』
(\1400/L)

カー用品店がこんなに力を入れているとは意外でした。

これも、100%化学合成油だそうです。

商品説明には、PAOベースにエステルを配合と書いてあります。

ちなみにグレードIIIを使った合成油は「全合成油」表記なので、分けているようです。

価格もそれほど高くない上、店舗でそのまま交換をお願いすれば、量り売りしてもらえる・・・!(店舗に依ります)


無駄がありません。素晴らしい。

[2] 素晴らしくありませんでした。
  このオイルは5w-30と表記してありますが、ハンチングが直りませんでした。
  要するに、粘度特性に違いがあるということです。
  このオイルがどのように製造されているかわかりませんが、粘度が重要な人にはおすすめできません。
  安かろう悪かろう、かもしれません。







以上、長々と書いてきましたが、これで二晩くらい悩んでいました。

きっとZ33後期型に乗っている方は、同じ悩みに当たると思います。

もしくはもう乗り越えてしまったか。。。 もう11年前のクルマですしネ。



もっと良いオイルをご存知の方!

もしくは上の説明が間違っている!という方!

その他諸々アドバイス等いただけると嬉しいです!

なにか思うことがあれば、コメントに残していってください。

たぶん、エンジンオイルにもいろいろあるので、一概には言えないと思いますが。。。



そんなことを考えつつ、GWの終わりを静かに迎えるのです。

みなさんも、お仕事がんばりましょう。。。

では、長々とお付き合いありがとうございました!!


オイルの価格は2018/05/06現在、Amazonでの価格を参考にしています。

[1] 2018/05/07追記。自分の車で測定した数値に書き換えました。
[2] 2018/12/12追記。ハンチングが直らないため、候補から除外。
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Posted at 2018/05/06 02:24:41

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