日本総鎮守

　去年の初詣は天照大神をお祀りした天岩戸神社にお参りした。毎年、お参りする神社を選ぶのに迷うのだけれど・・・。我が国には八百万（やおよろず）と言って多くの神様がいらっしゃる訳で、今年一年をどの神様にお願いするかはこちら側の意思にかかっている。

　貧乏神、疫病神、その他いろいろ悪神もいらっしゃるし。古来より殺して祀る式の祟り封じの神様もいらっしゃる。弁財天や荼枳尼天（ダキニ）などの外来の神様もいらっしゃる。荼枳尼天と言えばなじみ薄いようだけれど、稲荷神社の神様なのだ。

　動物の化身やら、その他自然物やら、果ては飛行機や乗り物などなど・・・。種々雑多な神様がいらっしゃる国が日本なのだ。

　だから人間も死ねば神になる国。靖国神社は国のために亡くなった方々をお祀りしている神社だ。私の父親もその一隅を為している。

　靖国神社だけではない。各地には護国神社も存在する。その様な事情は海外には案外知られてはいないようだ。

　いずれにせよ、我が国の宗教観は一神教では無いのである。だから今まで何度でも書いているけれど、我が国では神様を選ぶ事が出来るのである。

　で今年。今年は日本総鎮守！これは偉い。天照の兄貴である大山積神（大山津見神、大山祇神）。山の神であり海の神であり木花咲耶姫の父親なのだ。木花咲耶姫は山幸彦の母親で神武天皇は山幸彦の孫だ。このあたりの系図はややこしいし時代が合わなかったり、近親婚が多かったりと難解ではあるけれど、物語としては面白いのでぜひ、古事記や日本書紀の通読をお勧めする。

　太宰府天満宮などの菅原道真のように歴史上の人物で悲運のうちに没した怨霊封じの為に祀られた神様にはあまり願い事をするには気が引けるというか・・・。それに比べると神話時代の神様は生々しくないので、おおらかにお願い事が出来るような気がする。

　もっとも神話時代でも勝ち組系の神様と負け組系の神様はいらっしゃるけれど、そのあたりはお好み次第と言う事で・・・。

　ちなみに初詣参拝者数日本一は毎年明治神宮なのだけれど、こちらの祭神は明治天皇だ。