貧者の豪遊

　今日は雨、梅雨だから仕方が無い。
例によって遅発ちの私、11時前に家を出る。
高速を避け、一般道を行く。
大宰府から山家、朝倉、杷木、日田、玖珠、水分峠とお決まりのコースだ。
今日の目的地は、別府市神楽女湖、ネットの情報では菖蒲が満開。
その前に、由布院で食事などと、考えている。

　湯布院では、貧者の豪遊と言う我が家独特の周遊コースがある。
湯布院御三家と言われるブランド旅館をすべて網羅するコースだ。
玉の湯、亀の井別荘、山荘無量塔、いずれも一泊5万クラスの旅館だ。
そして、湯布院で一番の眺望を誇る大露天風呂を持つ、山のホテル夢想園。
この4軒のブランド旅館を日帰りで楽しむコースなのだ。

　玉の湯で昼食、ここのお弁当は最高！今まで裏切られたことはない。とにかく米が美味しい。おかずも地産品を見事に調理してある。余すことなく食べられる。値段は2500円だった。なぜだったのか、そう今回は値上がりしていて3000円。それでもお値打ちに変わりは無い。雨のせいか、予約なしで今回は食事が出来たのだが、普段は予約が必要だ、過去何度か食べそびれたことがある。静かな店内から、手入れの行き届いた山野草が咲き乱れる庭園を見ながら、至福のひと時をすごすことが出来る。

　お腹が満ちたら、山荘無量塔へ。ムリョウトウと読むのではない。ムラタだ。湯布院で一番お高い旅館だ。当然それなりの事はある。ここの喫茶室でPロールとコーヒーのセットを頂こう。こけおどしのホール用スピーカが鎮座する喫茶室で、木格子の窓から季節の移ろいを楽しめる。この際、お値段なんて関係なくなってくる。ここのPロール、湯布院の街中で販売しているものだが、これも予約がないと買えない代物、湯布院ロール！！。お店の周りを予約券を手にうろうろしている人たちが多い。しかし今回は予約なしで2本ゲット。これも梅雨のおかげだ。

　で、お土産の購入は、亀の井別荘で。品揃えは豊富だが、金鱗湖そばの為か大賑わいで亀の井別荘の閑静な雰囲気は味わえない。近隣異国の言葉が飛び交っているのもここの特徴か、ともかくお土産処ではある。またお食事処も玉の湯に振られたときに何度か利用したが、断然、玉の湯の勝ちである。

　湯布院は温泉、温泉に入らずして何の湯布院か。温泉なら夢想園。ここの大露天風呂からの由布岳の眺めはもう、見事の一言。立ち寄り湯は午後3時までなので注意が必要。

　
　今回の目的地は神楽女湖の菖蒲。玉の湯で遅めの昼食をとり、湯布院ロールを買い求めたあと、すぐ出発。雨は止んでいるものの、この土地特有の霧が由布岳を覆いつくしている。25年振りに訪れた神楽女湖。大駐車場に車は数台。やはり雨のお陰か。行きかう人もいない遊歩道をしばし歩き、湖に出る。目の前に菖蒲の......。霧に霞む緑の木々を逆さに映す湖面。東山魁夷の世界ではないか。雨を押してここまで来て良かった。

　帰路は九重町役場の敷地内に立つ、見晴らしの湯へ。町営の源泉かけ流し温泉施設だ。ここは、いつも空いている。入浴料は300円、超格安なのだがこの付近には有名温泉地が多数存在するので、お客はそちらに引かれるのだろうか。高台にある町役場の付帯施設なのだが、国道からは温泉であることがわかりにくい。土日は湯船にバラの花が多数浮かんで香りを放っている。今回は貸切湯状態、一人で大浴場を占拠してしまった。これも梅雨のお陰、女湯も貸切状態だったとか。おそらくこの温泉施設は赤字だろう。九重町町民は250円、70歳以上は200円。赤字に違いない。

　玖珠ICから大分自動車道へ、鳥栖で九州自動車道に、大宰府で高速を降りる。当然通勤割引50％OFF、1150円なり。

　ちなみに、私の車には燃費計が後付してある。この燃費計は優れもので、エンジンをかけ、次にエンジンを切るまでを、今回燃費として表示してくれる。
これによると。

　出発から日田、ここで赤司羊羹を買った。　　21.71Km/L
　日田から湯布院　　　　　　　　　　　　　　20.56Km/L
　湯布院から神楽女湖　　　　　　　　　　　　20.96Km/L
　神楽女湖から由布川渓谷　　　　　　　　　　30.41Km/L
　由布川渓谷から九重町　　　　　　　　　　　26.65Km/L
　九重町から自宅　　　　　　　　　　　　　　23.86Km/L
　通算燃費　　　　　　　　　　　　　　　　　21.89Km/L

　恐しい燃費ではあった。