
浜も今日で3日目。
昨夜は早めに寝たので薄暗いうちに起床。
シーカヤッカー。
釣り人。
ヨットマン。
漁師。
世の中が動き出す前に、その朝の早い人達はすでに動き出している。
自分も寝床をサッサと片してそちら側の人間に加わる。
今日は絶好の条件。
風は無風。いわゆるベタ凪という奴。
自分の艇はカナディアンカヌー。
世間一般的には湖や流れの少ない河川で使われるタイプ。
喫水が高いので風の影響を受けやすい。
強風時には湖面に落ちた枯葉のように風に翻弄されてしまう。
海では事故にもつながりかねないので注意が必要。
大丈夫だからと出航しても風向きが変わることもある。
午後から夕方に掛けて変わることが多いいので早い時間に出てなるべく早めに帰って来るのがベスト。
昼食用にレトルトカレー、パックご飯、カップラーメンと万が一に備えて余分に持って行く。
それらと水、シングルバーナーをクーラーボックスに詰め込む。
良い磯場があったらシュノーケリングをしようと足ひれ、水中眼鏡、シュノーケル(四駆用のエアインテークの事では無い。あしからず…。)とモリと箱眼鏡も積んだ。
コレで真っ黒なウエットスーツなんか着ちゃうと密漁者と間違われてしまうので程々に…。(マジな話)
シーカヤックも荷室が有るが浮力室も兼ねてる為に独立していて基本的に洋上では開けられない。フォーミュラーカー並のコクピットに納まってるので姿勢にも自由度が少ない。
デメリットが多いいカナディアン・カヌーもココが唯一のメリット。
道具やクーラーボックスをガサガサ積み込んで準備完了。
防水ラジオもガンネルにくくりつけた。
この時間でもジリジリと日差しが照らしている。日中は相当暑くなりそうなのでクッキーにもテンガロンハットを被らせて海の散歩に出航。
最初の難関、波が打ち寄せる辺りをタイミングを合わせて何本か乗り越える。そこを抜ければ波が大きなうねりに変わって安定する。
目標、城ヶ島。
速度の上がらないカナディアンでは微妙だが目指してみる。
長丁場だ。急いで漕いでバテては意味が無い。一回一回のストロークに無駄がない様に気にしながらややローペースで浜を離れる。
振り向けばディスコがかなり小さくなってる。
黒崎まで来ていた。
夏が過ぎて水の透明度が上がってる。冬はもっと綺麗だと聞いているので見てみたい。
海散歩 ~画像編~
①
②
③
④
⑤
⑥
<マリーナで停泊しているヨットを見に寄ってみた。
この艇のオーナー達は一体年間どのぐらいの時間使用して入るのだろう?
たまの休日に天気が良かったら箱根までドライブする為にだけスーパー7やコブラをちゃんと登録して所有する人は贅沢だと思うが比では無いと感じる。
多分、マリンスポーツを趣味としている人の別荘なのだろう。海に面して建つ浮世離れした建物。
海に浮かぶブイで休む海鳥。
クルージングに向かう為にマリーナから出て行くクルーザー。
暑さに弱いクッキーはわずかに出来る日陰に入って完全にグロッキー状態。好き好んで付いて来ている訳では無いから可哀想なのでクーラーボックスから水をやると寝転んだまま飲んでる…。(苦笑)
こんなシュチュエーションで“ゴンチチ”や“大滝詠一”とかを聞いちゃうとオシャレな人になれるのかも知れないが、そこは流石に垢抜けないオイラだけにラジオ。(海の上は地震も分からないから災害情報を聞く為でもある。)
ラジオだってFMヨコハマとかじゃなくて1242ニッポン放送。上ちゃんの後に人生相談聞いてバカ娘の為に借金した老夫婦の相談に同情しつつ大好きな高田文夫さんの“ラジオ ビバリー昼ズ”で爆笑しながらエンヤァ~トットと漕いでいる。
我ながらダサいと思うが…。(笑)
一直線に進めば城ヶ島まで行けたのだが地形に沿っての散歩だったので、油壺を過ぎた所でテリー伊藤さんの声を聞いてるので無理をしないで引き返すことに。
帰りは向かい風だから十二分のマージンを考えたからだ。
次回の楽しみに取っておこう。
やはり余裕を持ちすぎて3時ごろには浜に戻ってきた。
ディキャンプに来ていた人と話を交わす。
ディスコの隣にVWバスが。
観音のサイドドアが全開になっていて
室内は完全にキャンピング仕様。1965年式だそうだ。
6Ⅴのままなのかと訊ねたら不便だし動力性能的にも不利なので12V化してるそうだ。
一人なのに焚き火台でトライポッドも出して食事の準備を始めていた。吊るして大振りな肉を焼いていた。
陸に揚げた艇の横で休んでいたら御すそ分けを頂き舌鼓を打つ。
予想以上に疲れなかったので何か物足りなくなってきた。
若干海がシケて来たがまだ慎重になるような状況では無い。
再度海に出て近くの磯場で操船の練習をすることに。
海から突き出た岩はまだ良いが、海面ギリギリの高さの岩は偏光グラスを着用してなければ陽の反射で見ることが出来ない。
5メートル近い艇を入り組んだ迷路のような岩礁地帯をあみだくじの様に進んで行く。
打ち寄せる波が岩に当たって色んな方向に流れを作る。
右舷側を漕いだり左舷を漕いだり色んな漕ぎ方を駆使していい汗を掻いた。。。
のんびりゆったりに憧れてそういう雰囲気も楽しむのだが、それだけではまだ満足出来ないお年頃なのでした。。。(笑)
携帯が鳴った。自宅からだ。
「父さん、今何処にいるの?」
小学三年生の娘からだった。
「うーん、海の上。」
「・・・・・。」
「明後日は私の運動会だよ。」
「大丈夫、解ってるサ。それまでには帰るから。」
「じゃあね。」
結局その日、遅めの時間に浜を後にした。