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2019年01月11日 イイね!

LINK ECU - エンジン制御の話 - 空燃比、MAP(and/or MAF))で行くか、AFセンサで行くか その2

燃料制御において何を指針として使うかについて考察する、その2。

当ページで記載する情報の正確性については一切保障しないことをここに宣言する。

前回の結論としては「燃料制御はAFセンサを目標値に合わせ込むフィードバック制御が一番」だったけど、世の中はMAF使っていたり、MAP使っていたり、O2センサ使っていたり、燃料マップで決め打ちで燃料入れていたり、で、上記結論ではすまされない事情があるに違いない、というところまで検討した。
まあ、そもそもAFセンサは高そうだし、過去は信頼性の問題があるということを聞いているから、信頼性が必要とされる量産車において、AFセンサのみの燃料制御は非現実的なのであろう。
その他、AFセンサによるフィードバック制御での最大の問題は始動時の燃料量が決まらないからエンジンがかからない、というところにあるのは間違いないかと考えられる。
前回、AFセンサの応答特性について検討しているが、新たにデンソーのWEBページでAFセンサの技術文書を見つけた。素晴らしい。
これによると応答特性仕様はRich->Lean/Lean->Rich共に<=200msecとある。3000rpmで1回転200msecだから応答が遅い。積極的には使いたくないな。
また、アイドリング付近は回転数が遅いから燃料を入れてからAFの結果が得られるまでの時間がかかるため、アイドリング制御がとても難しそうで、このあたりを補うために、その他センサが必要になりそうだ。

では、各種センサによる制御方法のメリット/デメリットについて考察していこう。
ところで、世の中ではDジェトロやLジェトロとかいった単語があるけど、どうもこれ、エンジン制御の歴史の中で使われてきた通称で、歴史を知らない素人にとっては覚える必要性を感じないからすっぱり無視することにする。実際、LINK内ではこの手の単語が出てこないし。

MAFによる制御:
電気油圧制御システム設計において、油の流量をフィードバック制御に使う例はほとんどやってない。少なくとも僕はやってない。電気ではモーター制御に電流を使うけど、これは電流を使わざるとえないので使っているにすぎない。そもそも流量を測定するには直列系で測定する必要があり、測定箇所でなんらしかのエネルギー損失が発生する。エネルギー損失を少なくするためには測定レンジを最適化(すなわち狭くする)必要がでてくる。感覚的には迂遠であるのだ。そして、電流はさておき油の流量測定は可動するメカが必要になってきて、信頼性に欠ける。圧力なら半導体センサで測定できるからメカに比べて圧倒的な信頼性がある。
空気流量も油と同じ流体の流量測定のため、その測定は迂遠に感じるし、信頼性にも疑問を感じる。
CAR BOY的チューニングではエアフロ流用をよく見ており憧れを感じていた。実際、僕のS15はエアフロの径が小さいようで、初期セッティング時にとりあえずエアフロ外してパイプをつないだらトルクが1kgほど増したとのことだった。ただしこれ、とりあえずの実験で今後のオプションとして現在はノーマルエアフロが付いている(でも使ってないけど)。
こういったところがチューニングの余地になるんだろうけど、下手に他車種のセンサを流用したら、前述の測定レンジや分解能やそもそも流量におけるセンサ出力の特性が違ってくるだろうから、設計者的にはあまりいいアイデアとは思えない。例えばRB26DETTのエアフロをSR20DEに流用する場合を考えると、そもそも流量のレンジが6気筒ターボと4気筒NAで全然違うから無謀としか思えない。
ということで、MAFによる制御はエアフロセンサを使う時点でどうなんだろう、と疑問を感じる。

MAPによる制御:
エンジン制御での制御目標は、ドライバーの意思を示すスロットルポジション(以下、TP)である。スロットルはエンジンに入る空気量を調整する。エンジンが吸いたい分だけ酸素を入れて、その酸素に見合うだけの燃料を加えて点火してやると、負荷(走行負荷と各種フリクション)に打ち勝つだけのトルクが出力されるようにエンジン設計がされていると考えられる。スロットルを絞って、エンジンに入る酸素量を抑えれば、出力されるパワーが抑えられる。しかし、TP=吸入酸素量とはならないようである。LINKで取得したスポーツ走行時のログデータ(図1)にてTPとMAPを同じグラフで見てみると、青のTPグラフが上昇のときは赤のMAPも上昇、下降の時は下降と符合は一致しておりTPとMAPの時間遅れはほぼ見られない。しかし、数式に落とし込めるような関係性は見られない。

図1

ちなみに本グラフの回転数は図2である。

図2

エンジンに入る空気量は圧力×吸入抵抗を吸入工程の時間分で積分すれば得られる。吸入抵抗はメカ設計で決まる固定要素であるため吸入工程の時間を回転数から割り出せば、エンジンに入る空気量を算出できる。
よって、TPに対して遅れ要素がない測定信頼性の高いMAPはなかなか理にかなった選択と考える。

TPによる制御:
ターボやスーパーチャージャー等の過給機付きエンジンはTP位置一定でも過給圧により入る空気が増減するからTPのみの制御は使えない。NAではある程度ありかと思えるが、前述の図1のようにTPと空気量は一致しないから選択肢としては疑問がある。

ということで、燃料制御においてMAPを使うのが適切である、というのが結論といえそうだ。実際、聞いたところによるとレースの世界ではほぼMAPをメインに使っているとのことである。
Posted at 2019/01/11 20:11:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | LINK ECU - エンジン制御の話 | クルマ

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