なつこNのブログ一覧

久しぶりに、「クラッシュ」と「リバース」を読み返しました。
著者は、レーシングドライバーの太田哲也氏。

レース中の事故で大やけどを負い、７２時間の命と言われながら、
奇跡の復活を果たす・・・
そんな簡単な話でないことは、わかる、わかっていたはず。
ですが、私にとっては、病気で足が不自由になる前と後で、
この本の持つ意味はずいぶんと変わりました。
体が不自由になるということを、医師から説明されてもうまく理解することはできません。
物をつかむ、足を踏み出す、話す、食べる、眠る
そうした一つ一つの日常の動作を今まで通りにやろうとして、
「できない」という壁を確認する、
今はできないけれど、リハビリでできるようになると信じながら過ごす日々に、
医師からは、「これ以上は良くならない」とリハビリさえ打ち切られる。
自暴自棄になりながらも、社会の中での存在価値をみいだそうと、もがく。

程度は違えど、辿った道は同じ。精神的な苦痛も同じ。

ああ、病気になったばかりのときに、この２冊を読んでいたら、
もう少し穏やかな気持ちだっただろうか。
それとも、「自分はそこまで悪くない」と、ただ優越感に浸っていただろうか。
再読後にそんなことを考えました。

東北の震災から６年。
私も足が不自由になって６年。
震災の報道がされるたびに、病気で倒れた日のことを思い出す。たぶんこれからも。
元通りにはならないこと、受け入れられないことはたくさんありますが、
それと戦うとか、克服するとかではなくて、
RE・BIRTHという気持ちでいようかなと。


リバースの解説を「バガボンド」の著者・井上雄彦氏がしていることに今更ながら気が付き、
さっそく「リアル」（１巻から１４巻）を買ってみた。