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tadano@bunbunのブログ一覧

2009年10月23日 イイね!

定刻定時に曲がる男(シルビアS15編)6

「しまった!」
予想はしていたが、寝坊をしてしまった。

取り急ぎ準備をして、現場に向おうとすると、リビングのテーブルに一通の手紙が。
「洗濯物を干して置いてください。妻」
こんなときに限って家の用事を押し付けられる。
仕方ない共働きでどちらかが休みの日は家のことをするのが当たり前だ。
「だからといってこんな日に…」
思わず口に出てしまった言葉に辺りを見回した。
妻がいたら気まずい空気になるからだ。
とりあえず家の事を済ませ、現場に向うことにした。
少し時間がずれると人が溢れかえる通勤路。

人ごみを抜け、現場に着くと、突然人の気配が消えた。
そう、ココは通勤時間でも人通りが少なかったのだ。
そして、目的の駐車場近くに近づいたとき、聞き覚えのある声がした。

そっと覗いてみると、なんとそこにいたのは剣持警部。
携帯で誰かと会話をしているらしい、
今ならばれずに先に進むことができるだろうと踏んで、
素知らぬ顔で横を通り抜けた。
普段着だし、髪型も少し変えていたのでばれずにその場を凌げた。

事件にかかわる自分物でもある本人が
こんなところに朝からいると怪しいので
できるだけ事件に関わる人物とは
会わないようにと通勤時間を選んだのだ。

なのにどうして剣持警部がこんな時間に
しかも仕事中も私服だから仕事なのか私用なのか?
気になるものの今は自分の用事を先に済ませようと
駐車場の敷地内に入ろうとしたとき、
駐車場奥の道路脇から飯田夏美が現れた。
前回会ったときとは違い私服だ。
帰宅するのかと思いきや駐車場に向っている。
まだこちらには気づいていないが、
このままではこちらと出くわしてしまう。

特別あってはいけない人物ではないが、
こんなところであってしまうと何かと後が面倒だ。

只野は急ぎ隠れる場所へ

「いつから逃げる立場になったのだ?」

自分の行動がますます怪しくなっているのは
気づいているもののどうもタイミング悪いようだ。

物陰に隠れていると、飯田夏美が駐車場敷地内に入ってきた。

「車で来ているのか?それともこの辺りに住んでいたのか?」

しばらく様子を見ていると、どうも行動が怪しい。
何かを探しているような動きだ。

少しした後、遠くから剣持警部の声が近づいてきた。
まだ電話をしているのだろうか、明らかにこちらに向かってくる声の大きさだ。

「また敷地内に会いたくない人物が増える。」

このままここにいることがばれるとますます怪しい立場になってしまう。

と、飯田夏美も剣持の声に気づいたのかどこかに隠れようとする。
だが、隠れる場所が見つからないせいか辺りをキョロキョロするだけだ。

するとこちらの物置き場に気づき飯田夏美がこちらに向ってきた。

「げ!まずい!まずすぎるこの状況!」

だが、只野はココから身動きが取れない状態になっていた。
隠れていた場所にあったホウキが、
倒れ掛かっていたのをずっと支えていたのである。
今コレを動かすと不自然な動きになり、
最悪剣持警部にまでばれてしまう。

すると飯田夏美が物置の裏にたどり着いた。
当然、只野と目が合い驚いたと同じに声を出そうとする。
だが、飯田夏美の口を只野はホウキを持っている反対の手でとっさに押さえた。
「しーっ!静かに!今はとりあえず隠れていよう。」
飯田夏美も空気を読んだのか
とりあえず黙り只野と向かい合った状態で物置の裏に隠れることにした。

剣持警部は辺りを見回しながら携帯電話越しの相手とまだ会話が続いている。
「大丈夫だ!今は誰もいない。で、どこにあるんだね?例のものは?
アレにたどり着くまでが大変だったよ。
早く例のものを私にくれないか!ここで待っているからな!」

少し苛立った口調で話していた電話を切り、
剣持警部も駐車場敷地内に滞在することがわかった。

只野は様子を見て隙があるならとりあえずこの場から離れようと考えたが。。。
「最悪だな…」
どうゆうことなのか飯田夏美が寝ている。
「こんな状況でありえないだろ。」
向かい合った状態で立っていたので只野に抱き付く形で眠っていたのだ。
どうしようもない格好になってしまったので、
しぶしぶばれない限り待機しようと決断した。

当たり前だがココまで接近した状態で
飯田夏美を見たことがなかったのでいろいろと気づかされることがあった。

意外に背が高かったり、思ったよりスタイルはよかったのだが、
少し胸を強調するような、ラインの出る服を着ている。
それと少し香水くさいことに気づいた。
背が高く見えるのはヒールのせいではなく単純に背が高いのだ。

「もう少し年が若ければ、今時のモデル風だな?
それにしても。。。本当は、胸がないんだな。」

ほしのあきに3割にだったけど、今では2割5部だ!
「減った5部が胸とかそんなんじゃないけど?」

誰に言い訳しているのかわからないが、
そんなことを頭の中で考えていると、飯田夏美が目を覚ました。

自分が眠ってしまったことに気づき小さな声で

「すみません、私ついうっかり。。。」

10分程度寝ていただけだが、いろいろ気づけたこともありなぜか満足していた。

そうこうしていると、また誰かがやってきた。
少し強面のがたいのいい男だ。
どうやら剣持警部と話をしていた相手のようだ。

「コレが例の金だ。」
剣持警部が白い封筒に入ったものを渡す。
中身を見るまもなく強面の男は、茶色い封筒のものを剣持警部に渡す。

「ちゃんと入っているんだろうな?」強面の男が聞き出すと。
「気になるなら数えればいい20枚くらいあっという間だろう。」
剣持警部は今までにないにやけ顔で強面の男と話をしている
「残りの80枚も後で頼むぜ!」結局中身は数えずに
強面の男がすぐに駐車場敷地内から出て行った。
その後を追うように剣持警部も出て行く。

只野はなんとなくだが、今回の事件と関係が有るんじゃないのか?と疑いぶった。

すると今度は、≪55分の男≫が現れた。
誰かが隣にいる。大きなしゃべり声で女性だとは解った。
「トオルゥ~この前の鞄買ってよ~」
少し頭が弱そうな印象を持たせる女性が≪55分の男≫に向って
トオルと呼んでいる。どうやら名前はトオルらしい。
「あぁもう少し待ってなこの前の事件の保険が
降りるからその金で≪エミリ≫に買ってやるさ。
ふっ!それにしてもうまくいったな。
おっと…あまり関係ない話はしないようにしよう。」
途中で会話を止められたがかなりの情報量は手に入ったと確信した只野。

しかしこれも事件と関係があるのか?少し解らなくなってしまった。

悩んでいるとあのトオルという男は助手席に女性を乗せて出て行ってしまった。
≪シルビア≫
「おかしい。。。なぜシルビアが今動ける?
ガラスが取られていたのはもう直ったのか?」

今はすぐに思い出せないが何かすごいものを見落としていることには気づいた。

ようやく誰もいなくなったので、
とりあえず飯田夏美に抱きついているのを止めてもらった。
そして素直にここは聞いておこうと。

「何かココで探しものをしていたよね?」
ストレートに聞き出しすぎたのか、飯田夏美が少し戸惑う。
だが、観念したのか話し出す。
「実はこの辺りでお金を落としてしまって…」モジモジしながら言う彼女に只野は
「小銭?いくらぐらい落としたの?
それなら隠れなくてもよかったのでは?一緒に探すよ。」
モジモジしていた姿のせいもあったのか、
大金ではなく小銭程度だと勘違いしてしまった。
「小銭じゃないんです。ちょっと大金でして…
その…金額も100万…ほど…なくしたというかこれから拾うというか…」
何を言っているのかさっぱりわからず頭の中にはまさに「…」だった。

「これからってどういうこと?」

「実は。。。」

飯田夏美が話をしようとしたその時
後ろから突如声がした!なんと剣持警部だ!

「やはりな!途中、飯田夏美を見失ったのはこの辺りだったからな。
それに只野!お前もな!」
なぜ自分まで呼ばれたのか、そもそも剣持警部は何しにここにいるのか。。
何が何やら、理解ができないまま、剣持警部は二人の前に歩いてきた。
不敵な笑みで。。。
先ほど強面の男と会っていたときのような裏のあるような顔つきだ。

するとそこにさっき出かけたはずの55分の男トオルが≪シルビア≫に乗って戻ってきた。
トオルは3人に気づかないまま駐車場に止め車から降りこちらに向ってくる。
トオルが剣持警部に気づいたとき、「あっ!」と女性と二人で立ち止まった。
剣持警部も少し驚いた顔はしたが、すぐにニヤリとした顔をした。
女性も一緒に立ち止まっていたのでよく見てみると、
なんと、昨日ドーナツを買ったところの店員だった。

その洋菓子屋のエミリがこちらに気づく。
だが、昨日と打って変わって冷たい顔つきだ。
隠し事がバレた時のような気まずい顔にも見えるがこの際どうでもいい

偶然が偶然を呼び合い、今ここには事件にかかわる人間が集まっている。
皆々が思っているこの中に犯人がいる。
その人物を合わせ全員が揃ったということだ。

--------------------------------------------------------------------------------
只野のメモ:

ココから先、急展開があり犯人がわかります。
さて今回の犯人は。。。

ポイント 
1.事件のあった午前中シルビアのフロントガラスがなかったように見えた。
2.帰宅中、只野はシルビアに近づいた際、何者かに襲われ気を失っている。
3.シルビアはフロントガラスを取られ車内にあった現金が盗まれている。
4.只野が来た時間8時半からトオルが戻ってくる時間はおよそ20分。
5.トオルが戻ってきた頃には、只野はすでにいない。
6.8時半過ぎに飯田夏美が只野を保護している。
7.剣持警部は強面の男と取引をしている。
8.飯田夏美は現金を探していた。
9.トオルのシルビアの様子がおかしい
10.助手席に乗っていたエミリは意外に冷徹だ。
11.只野は普段からお金に困っていた。
12.駐車場から病院まで徒歩で5分かかる
13.駐車場は朝でも暗い


今回の事件は単独ではなく、二人の人間による犯行の可能性がある。


以上が只野が考えた犯人発覚までのポイントだ



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Posted at 2009/10/23 11:19:43 | コメント(8) | トラックバック(0) | 只野ミステリー(仮) | 日記
2009年10月22日 イイね!

定刻定時に曲がる男(シルビアS15編)5

またあの子だ…

今日もツンとした顔付きが印象的な女性と目があった。

「あんまり見つめるなよ…」

ポスターに向ってついつい声に出してしまいそうになりながら
明日の事で頭の中がいっぱいな只野であった。
「朝から調査すれば大体の事はわかるかな?」
手順を考えてその通に動かないと予想外にのめり込む可能性があると
自分の性格を考えてのスケジュールを立てようとしているが、
こんな時に限ってスケジュールをうまく立てれない。
「そもそも何を確認するんだ?」
脳が疲れている…

そう思い帰路の途中、池袋で甘いものでも買って帰ろうと
いつものお店に寄った。

表参道のお店から出てきたらしい、少しお高い洋菓子
シュークリングというドーナツだ。

これは只野と妻の好物だ。
妻が疲れている時によく買って帰っていた。

まだ二回しか買ってないが…

そのお店に立ち寄った時、以前も担当だった女性がいた。

「今日は、レアチーズが試食できますよ。」
笑顔で話す彼女は、只野の方にしか向いていなかった。

「ん?」

私に言っているのか?というジェスチャーをしたら
大きく縦に頷き返してきた。

爪楊枝に刺さったドーナツを頂こうと手を出したらドーナツを口元まで持ってこ
られた。

少々戸惑っていると、食べてください。と、そのまま半ば強引に口の中へ

お味の方はというと…

レアチーズだ。

それ以上でもそれ以下でもないしましてやレアチーズ以外の味になるはずもなかった。

只野はこのドーナツの中にクリームが入っているというのがナイスなんだ。
そう思い込んでいる。

試食も済ませて今日は何を注目しようか悩んでいると。

「2週間ぶりですね?
先日はありがとうございました。」
と、話し掛けてこられた。
不意を突かれると案外返事が出来なくなり「あ、うん…」
つい無愛想に返事をしてしまった。
なんとなく空気がイマイチなせいか、
必要なドーナツを選んでそそくさと帰ろうとした。
「また来てくださいね?」
彼女の言い方に只野は違和感を覚えながらも愛想よく返事し駅へと向った。

PM8時…

只野は電車の中でふとあのシルビアの事が頭に浮かび、
何かを思い出した。
「いつも見ているシルビアとあのときのシルビア。。。何か違ったな・・・
ホイール。。。ボンネット。。。いや。。。なんだ??」

そうこうしていると最寄の駅につき、
電車を降りた瞬間思い出そうとしたものもどこかに降りてしまった。

またあのシルビアを見てから帰ればわかるか!

そう思い、シルビアの止まる駐車場についたのだが、
何か様子がおかしいことに気づいた。

電気が点いていないのだ。

この前のようにまた何者かにやられたらあの暗さだとまずいな…

そう思った只野は深入りせずそのまま帰路に。
と、ここで只野は機転を利かせて。

このまま歩きであの《ゆきさだ病院》まで
何分かかるのか自分の足で確かめようと思い実行してみた。

人通りが少なく反対側も駐車場で障害物もなく
それほどいつもスタスタと通り過ぎてしまう場所のせいか
およその時間すら立てれなかったのだ。
いざ歩いてみると意外に距離がある。
この距離を記憶もないまま歩けるのか?
ましてや、病院の裏など一人で行けるのか?
そんな疑問がますます浮かびながらも病院の前に着いた。



「意外に暗いな?これなら誰にも会わずにここまでこれるかも…
現に今は誰ともすれ違わなかったし。。。」

だいたい駐車場まで5分といったところだった。

手前には5~6台止めれるほどの駐車場があり、
今は2台ほど止まっている。

「明日また確かめるから今日はいいか。。。」

と、ここも深入りしないで今度はマンションまで寄り道しないで帰った。



いつもはこの上に人形があるのに一つも置いていない。
誰かがいたずらで持っていったのかどうでもいいことだが、
変なところにすぐに気が付いてしまう。


今日は変なところに寄り道もしないで帰ったので心配されないで済んだ。
一応そんな意味もこめてお土産と言うことに玄関に入る前に決めた只野であった。



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只野メモ:洋菓子の女性(実は、同じマンションの住人。だけど只野は気づいていない。)


Posted at 2009/10/22 22:36:09 | コメント(7) | トラックバック(0) | 只野ミステリー(仮) | 日記
2009年10月22日 イイね!

定刻定時に曲がる男(シルビアS15編)4

「もうクタクタ…」
只野は予想以上に根掘り葉掘り質問されたりして
同行したことに後悔をしていた。
しかし、拒否したところで強制的に連れていかれるのが関の山。
どちらにせよ、あんな扱いされるなら自分から言えることを言ったほうが、
まだ気が楽だと言い聞かせるように帰路に向かった。

「犯人扱いかょ…」

状況はわかっても納得はいかなものもある。

内容というのが、昨晩只野が気を失っている間、
あのシルビアが車上荒らしに合っていたらしい。

午後8時に被害者《55分の男》はいつもの駐車場に帰宅。
その30分後に、只野が駐車場に、
そしてその20分後に忘れ物を取りに帰ってきた。
しかし、被害者が戻ってきた時には、
すでにガラスが取られ、中にあった現金100万円も盗まれていた。

と、いう話だ。

なぜ正確な時間がわかったかというと、
駐車場にある防犯カメラに被害者が帰宅した時間、
只野が駐車場に来た時間がカメラにハッキリ写っていたからだ。
更にその二人以外の出入りがなかった。

ただそれだけで犯人扱いされた状況で尋問されていた。

しかし、完全な犯人にすることも出来ないこともわかっていた。
その理由が…
只野は被害者が来た時には、すでにいなかった。
その時間帯は、病院の裏で飯田夏美に保護されている。
只野の指紋が一切出てこなかった。
警察に呼ばれたのは、防犯カメラにキョロキョロした只野が写っていた。
ただそれだけだった。
初めからただの参考人にしかならないということが、
わかっていたが形式上聞けることを聞いていただけらしい。

それでも犯人ではないのか?という扱いで尋問してくるのだから気分はよくはない。
只野が出て行った後、

「只野はただの参考人っか…」

と、洒落にならない洒落で空を見ながら尋問した剣持は呟いた。
そんな洒落を呟いているのはどこ知らず

ムンムンとしながら『へのへのもへじ』のような顔で
警察署を出ていく只野。

「それにしても…あの子《飯田夏美》が
早く保護してくれていたことを言えばこんなに遅くならなかったのに…」

つい不満を声に出してしまい、辺りをキョロキョロしながら徒歩で帰宅していった。

時間は午後9時であった

それにしても気になっているのが、自分の行動範囲だ。
確かにシルビアを見に行ったが、その時は何も問題はなかった。
さらに何者かに気を失わされている。
被害者が来るまでに誰にも会わず病院の裏にいった?
防犯カメラに写らずどうやって?
今回の真相は何か裏があるのでは?

そう思った、只野は会社に電話をして休みを貰った。
木曜日の今日ではなく金曜日…
只野はうっかりして曜日を間違えたのだ。
「55分の男を見ないと曜日ずれるよなぁ…」

今日は真相が気になるものの痛む体を我慢して仕事にでるはめになった。

「明日は自分の足で現場を調べてやる!」
電車の中でつい力みが声に出てしまい、またもキョロキョロと回りを見渡していた。


只野のメモ:
55分の男(いつも55分に曲がり角を曲がる。
今回の被害者でもある。
お互い毎朝すれ違っていたのは認識している)

飯田夏美(看護士、たまたまゴミを捨てに裏に来た時に保護をしてくれた。
27歳くらいでしっかりもの。
特別美人ではないが、よくいえばほしのあきに3割似ている)

剣持警部(金田一少年に出てくるような名前だし、
格好も似ているが、そこまで熱い警察官ではない
)

そして…振り返り様に襲ってきた犯人?


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Posted at 2009/10/22 09:37:30 | コメント(12) | トラックバック(0) | 只野ミステリー(仮) | 日記
2009年10月21日 イイね!

定刻定時に曲がる男(シルビアS15編)3

定刻定時に曲がる男(シルビアS15編)3AM7:00…

けたたましい目覚ましの音が鳴り響くはずが、聞こえてくる音は足音…
しかも、廊下をスリッパのような履物で歩くような音で目が覚めた。

「体がだるい…」
目を開けるといつも見える天井と景色が違うことに気づく
ハッとした只野は、起き上がろうとしたが、
体中に激痛が走り起き上がることができなかった。
と、同時にここが病院だと気づく
近くを歩く看護士さんに声をかけた。
「すみません…ここは…?」
わかりきっていたが、状況を把握するために聞いたことだ。

すると看護士は近づいてきた。胸元に名札が付いていることに気付いた。

飯田夏美…

すると、その飯田夏美が、
「ゆきさだ病院です。あなたが倒れていた場所の裏にある病院ですよ。
声をかけても反応がなかったので急いで連れていったの。
それにしてもどうしてあんなとこにいたのかしら?」

興味はないが、会話のために繋げたような言葉で問い掛けられた。

そんな問い掛けに構わず、只野は頭の中で昨日の事を思い出そうとした。

「昨日は確か駐車場で…シルビアを見た後…」
少し頭が痛かったが、なんとか思い出し、
最後の記憶と、倒れていた場所が異なることがわかった。

とりあえず先生に体の状況を説明してもらい、
軽い打撲以外、特に問題がないらしく、病院を出ることにした。

まだボーッとする頭で空を見上げ…
「外は、快晴…今日は平日…時間は8時…こりゃ休みだな」
会社には、体調不良ということで休みを貰った。
電話を切ると後ろから女性の声で只野を呼ぶ声がした。

振り返ると先程の飯田夏美だ。

もの凄い顔をして走ってくる。

「只野さん!お会計がまだです!
ちゃんと払ってください!」


ボーッとしていたことを理由に財布から少ない小遣いで支払いを済ませた。

そのまま病院を後にしようとすると今度は困惑した顔で飯田夏美が…

「外で警察の方が待っていますよ…?何かあったんですか?」

只野にだってわかるはずがない。

とりあえず素知らぬ顔で抜けれるか試しに出てみた。
漫画のようには行かなかった。

「只野さん?ですよね?警察です。」

手帳を見せながら近寄ってきたのは、
髪の毛は短く無精髭に白髪が混ざるような
見た目は45歳くらい身長は只野と同じくらいの
174cmくらいで今時風な細マッチョな人だった。

格好が私服なので警察には見えない。

「昨日のことでお話が聞きたくて…宜しければお時間頂けませんか?」

何を言っているのか理解はできなかったが、
拒否する理由が思い当たらなく取り合えず同行することにした。


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Posted at 2009/10/21 09:16:44 | コメント(16) | トラックバック(0) | 只野ミステリー(仮) | モブログ
2009年10月20日 イイね!

定刻定時に曲がる男(シルビアS15編)2

定刻定時に曲がる男(シルビアS15編)2最近の只野は、定時退社がもっぱらだ。
仕事の出来は、まぁまぁ普通
スムーズにスケジュールをこなし、トラブルも積極的に解消していく、
特に人間関係にトラブルもなく、
重宝しているメンバーの一部だが、
不況のせいもありむやみに残業ができないのだ。

仕方なく電車に乗り帰宅していると…

ふと目の前にある女性があらわれた。

ここ最近よく会う女性なのだが、いつもどことなくツンとしている。

電車の空調で紙が揺れているのが、
特徴的な彼女は、実は只野の好みの女性でもあった。

「いつかお茶でもできたらな…」

そんなこともたまに考える既婚者であった。

しかし、彼女を見つけるときはいつも顔が少し上を向く姿勢になるので首が痛くなる。
あんまり長く彼女を見ていると怪しまれるから時には違う女性を見てみたり…
電車の中のミステリーにいつもワクワクしている感じだった。
そうこうしていると乗り換えの池袋に着いてしまい、別れを惜しみながら電車を降りる。

「また明日も会えるかな?」

気づけばそんな淡い想いを抱いていた…

あんまり引っ張ると読者のみんなに怒られそうだから白状するけど、その女性は…

宙吊りの水川あさみのポスター…

こんな男がよく結婚できたなと思うかも知れないが、
本人は至って普通だと思っているのだ。

端からみると平凡に見える彼だが、意外なことにやはり平凡な日本人男性だ。

今日も本当なら平凡に帰宅する予定だった。

あの駐車場に近づかなければ…


21時15分…

最寄りの駅まで帰宅した只野の携帯が鳴った。

大阪にいた時の友人からだった。
その友人は近々こちらに遊びに行くという話をしたくて電話をしてくれたらしい。
只野もそれとなく返事をし時間が合えば夕食も!
と、約束もしていた。

電話を切った後、微かにしか残っていなかった、今朝の記憶が蘇る。

《シルビア…》

友人もシルビアに乗っていて、シルバーのマニュアル車だ。

只野は思い出したら見に行って見ようと決めていたので、
渋々と興味津々の気持ちを半々に駐車場に向かった。

昼間でも薄暗い駐車場の中、なんとかシルビアを見つけると
早速フロントガラスを確認した。

だが期待する結果でもなく、問題なく付いていた。

「ただの見間違えか…」

声にならない声で呟いた時…

ゴソッ…

誰かが後ろにいることに気付いた。
振り返ろうとしたその時…

誰もいなかった。

が、次の瞬間…
目の回りが暗く閉ざされた世界に…

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Posted at 2009/10/20 20:37:42 | コメント(11) | トラックバック(0) | 只野ミステリー(仮) | モブログ

プロフィール

「今まで隠していたんですが、衝撃的な報告しますね。
純正ホイール新品タイヤで高速乗るとめっちゃ快適!!」
何シテル?   03/28 23:25
YouTubeに少しずつ動画を投稿していくことにしました。 基本的にステップワゴンを中心に作業工程などをあげます。 たまにスペーシアもやるかもしれません。 ...
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