「犯人はあなたですよ」
只野の指先は剣持警部に向いていた。
みんなまんざらでもないといった顔をしている。
本人を除いて…
「何故警察であるワタシが見ず知らずの彼の車から現金を盗み、
アナタを傷つけなければいけない」
剣持警部は反論しながらも明らかに焦り始めていた。
只野は推理を続けた。
「剣持警部はここでとある約束をしていた。ある人物と…
しかし、その約束とは誰にも見つかってはならない重要な約束だった。
約束の内容は今は言いとして、その約束の場所に私はたまたま現れた。
ちょうど受け渡しでもしていたときでしょう。
私自身は見ていませんでしたが、剣持警部と一緒にいた人物が私に気づいたんです。
そして後ろか私をなぐり気絶させた。」
「むちゃくちゃな話だ!」
剣持警部は少し苛立ちをあらわしながら言い返した。
「確かに普通の約束なら私を気絶させる必要はないでしょ!
普通の約束ならね?」
「違法物の取引ね?」
剣持警部以外のみなは気づいたようだった。
「そう!剣持警部は違法取引を行っていた。
そこに私はたまたま現れた。
見られたと勘違いしたんでしょう。」
夏美「それで只野さんが襲われたのはわかっても
トオルさんの車上荒らしはなんのため?」
なぜか夏美が食いついた。
しかし只野は、あわてず
只野「車上荒らしなんかじゃないんです。ですよね?トオルさん?」
今度はトオルの方に皆の視線がいった。
「え?」トオルは驚いた顔をしている。
「実は前にアナタの車を見たとき少し不自然な点があったのに気づいたんです。
遠くからだったのでわからなかったのですが、
先ほどもう一度見たときにわかりました。
トオルさん…シルビア、実は二台ありませんか?
一台は、フロントガラスがついていない車、もう一台は、
今乗ってきた車・・・違いますか?」
トオルはあきらめた顔をして、首を立てに振った。
只野「これ以上黙っていてもいずればれますよ。
車上荒らしがあったのではなく車上荒らしがあったことにしたんです。
剣持警部に見つかって。」
夏美「何を言っているのかわからない。」
只野「トオルさんは、剣持警部にはめられたんです。
私をシルビアで引いたと勘違いしたトオルさんは、病院まで私を担いだ。
だが、そのまま運ぶと自分が罪になる。
だから病院の裏に放置し見つかれば保護されるとふんだトオルさんはそのまま駐車場に戻った。
しかし私を運んでいるを見ていた剣持警部はそれをいいことにトオルさんをゆすった。
そしてたまたま持っていた現金で見逃してもらうことにした。
元々フロントガラスがなかったほうのシルビアであたかもフロントガラスを取られ
中にあった現金が盗まれたことにすれば、現金は戻ってこないにしろ
何かしら条件を出してもらったんでしょう。
その現金は先ほどとある人物に流れた。取引のために。。。」
こうして剣持警部は汚職事件に絡んだ犯人であったことが判明し、
無事犯人は見つかり、只野は普段の生活に戻ることができたのだ。
Posted at 2009/10/24 18:50:17 | |
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