
別に忘れていたわけでもなく、煙草を吸いながら受験勉強の競争が始まりました( ノД`)…
茶髪に染めてた髪は黒く、抜いた眉毛は育毛剤で精一杯生やして(笑)
その時、やっとケータイもmovaからFOMAに買い換えて、由紀とメールしてました。彼氏とは別れたそうです。
ま、俺と比べたら長続きしたものか・・・俺なんか1週間でポイッして、ストーカーに合って、それでも『騙された方が悪い』とワルぶっていたから・・・
15歳になってからは『女を口説くのは辞めた。由紀を越える人は居ない。酷い事を今までみんなにしてきた』と思い知らされて・・・
イジメでここまで思い遣りというのを考えさせられるとは正直思わなかったし、地元の大人ってね?・・・どんな人でも『弱肉強食』ってほど意地悪で、楽して生きて後悔して、最終的に人のせいにして開き直る人ばかりだったんだ。
先輩の仕事を手伝った時にそういう人がいて、普通の労働者なんだけど、仕事が出来る人は貶されて、出来ない人達は集団になって新人を味方につけて、中学生の俺はそこでも醜いところを見てきた。
とにかく、勝ち続けなければならない・・・仕事が出来なくても、人として知性で勝ち続けなければならない・・・そう思ってた。
由紀:・・・拓海って、彼女とか作らないのぉぉ!?(*≧∀≦*)
僕:・・・そんな人居ないよ(^^;・・・
由紀:・・・立候補する人とか絶対に居そう・・・
僕:・・・前は居たよ?・・・今は居ないね(^^;・・・
由紀:・・・じゃ~私が立候補しちゃおうかな?(^^;・・・
よくわからん展開で交際する事になりました・・・でも、付き合ってわかったのは・・・
今まで遊び友達が出来た事がないのか、『友達が最優先。彼氏はその次』という由紀の考えでした。
まぁ~デートの約束を入れようとしても、先に友達と遊ぶ予定があって、仕方なかった。
友達が最優先。恋人はその次っていう由紀の考えは凄くわかる。俺も昔は友達が出来たら友達が最優先だったし、彼女とデートなんかは・・・したかな?と疑問になるほど友達と居ると楽しくて一緒に遊んでたから・・・
イジメられっ子が高校で友達がいきなり沢山出来たら、さすがに友達が出来た喜びで、恋人なんか目に入らないよ・・・
俺は女に手は出さないし、話し合いで解決して喧嘩はしない。
いや、恋人によく言われたのは『何で言い返さないの?』って、よく怒られるほど頭下げてばかりだから、喧嘩する勇気がない(^^;
でも、ある日デートの約束をして、いきなりドタキャンされて初めて彼女に怒った。『友達と恋人とどっちが大事なの?キチンと由紀の予定も都合も話し合ってデートするって決めたじゃん』と・・・
いつもなら『別に良いよ』と言っていた自分が初めてカッとなって、別れた・・・
春は恋の季節、春は新しい生活のスタート・・・
イジメられっ子が再出発出来るのは、入学式・・・その機会を逃すと3年間は地獄を見る。
俺は中学入学してから友達を作り、由紀は高校入学してから沢山友達が出来たから、彼氏のデートの予定を入れるのが難しいのは分かる。
でも、約束を破るっていうのだけは許せなかった。
それから友達として関わっても、ロクな考えは出来なかった。
由紀がハマっていた漫画本『NANA』を読んでいて、あまりにも複雑な恋愛とバンドの物語で、由紀がこの漫画本にハマるって、どんな精神状態なんだ?・・・と思った。
それから、俺は高校でもイジメに合い、バイクを盗んで深夜走ってた。
中学入学で辞めたシンナー、自殺未遂・・・全て合わせたらシンナー、自殺未遂、喫煙、酒、バイクを盗み、薬事法違反類いを15歳で平気でしていた。
イジメに合った理由はまたまた自分の性格が問題で、引きこもりになって誰とも会わなくなった。
由紀とも酒を飲んでないと電話を出来なくて、由紀以外の人とも話す事を辞めてた。
由紀:・・・拓海がやってる事は意味ないよ・・・私もした事あるから・・・
僕:・・・・・・え?・・・
由紀が彼氏と別れて中学校の卒業式に出なかったのは何でかという噂が昔あった。
一番多かったのは『精神病院に入院していた』という噂があって、それはまずないと思った。
精神病院に入院出来るのは義務教育を終えた人だけで、特別な病院じゃない限り入院出来ない・・・でも、自殺未遂した事があるというのは、事実だと思う。
未遂で終わる時点で無理なのは自分でもわかってるし、それでもどうしようもなかった。
でも、やり直すキッカケがないと生きていけない。いつもキッカケを作って生きようと、もがいて、汚い事もしてきたし、人の悩みも聞いてきた。
結局、罪を罪で誤魔化して、俺は誰かの踏み台になって、誰かの助けに・・・助けは大袈裟だけど、精一杯その人の気持ちをわかる努力をして、それを生きる意味としてきた。
僕:・・・由紀の夢って何?・・・
由紀:・・・拓海のお嫁さん・・・
僕:・・・冗談だろ?・・・俺は婿に行きたいよ・・・自分の3歳の子供を階段から突き落とした親に耐えられる女は居ないからな・・・
俺のお嫁さんなんてバカバカしかったけど、何か期待して生きてみたくなった。自分の生きる価値がないなら、由紀のために生きてみたい。相応しい男になりたい。
俺は高校を退学して、資格を取って仕事をしながら定時制に通うために受験勉強をした。
定時制にあっさり合格して、1人で祝い酒と、少しの再スタートを込めて焼酎を飲んでいた。
“ジャラジャラジャラジャラジャラジャラ♪”
僕:・・・・・・え?・・・
祝い酒はヤケ酒に変わりそうなメールが部活で部長をやっていた人から知らされた。
部長:・・・坂下由紀さんのお通夜が3月21日に行われます。宜しければ坂下由紀さんの御友人にメールを送ってください・・・
あまりにも洒落にならないメールにぶちギレて部長に電話して、マルボロを取り出して火をつけてイライラした。
部長:・・・信じられないよね!?・・・なんか、飲酒運転していた先輩の車に乗ってて、追突事故で投げ出されたんだって・・・
僕:・・・信じられねぇよ!!・・・だって・・・1週間前に連絡取ったぞ!?・・・お前ら、いい加減にしろよ!!・・・イジメを止めないで見ていた奴が・・・こんな洒落にならない事・・・
僕は由紀の家に家出していた女友達を思い出して電話した。
飲酒運転をしていた19歳の男は由紀を後部座席に乗せて、120キロも出して、ブロック塀に追突して、運転手と助手席の2人は重症、由紀は脳挫傷で亡くなった。
アルコール検査はされなかったようで、危険運転過失致死も適用されず、刑事の話では上から圧力が掛かって、運転手は刑事に胸ぐらを掴んだとして公務執行妨害で逮捕、助手席の男はわからない。
10年経った今でもその男は許せないし、シートベルトをつけないで乗る人は初めから乗せなくなった。
車に人を乗せるという事は人の命を少なからず預かる。時には殺人凶器にもなり、仕事には欠かせない乗り物でもある。
由紀の読んでいた『NANA』という漫画本を集めて、自分なりに仏壇を作って飾るために集めたけど、『NANA』も主人公の彼氏の最後は追突事故で亡くなってしまう。
読んでいたら『ナナ』のライバルが『レイラ』と言って、エリック・クラプトンの『愛しのレイラ』から名付けられたとか・・・
かなりの人気を誇る少女漫画『NANA』・・・21巻で連載休止になって待ち遠しい・・・
そこでエリック・クラプトンのベストを500円で買ってきてしまって、何故か泣いた(--;)
車は殺人凶器・・・どんなに綺麗事や御題目にしても、それが真実。
だからこそ、運転している人がキチンとマナーを守り、乗っている人も命を危機に晒されている自覚を持ってシートベルトを着用しないといけない。
俺は正直言って、車に人だけはあまり乗せたくないな・・・恐いもん・・・
慎重過ぎて、免許を取ってから無事故無違反でゴールド免許に更新出来たけど、それでも恐いわ(--;)