また一つ、昭和の灯火が・・・

本日・・・



平成29年5月31日(水)・・・




また一つ、昭和の灯火がひっそりと消えました。








大阪市の阪急電車淡路駅前の商店街の中にひっそりと佇む【淡路東宝劇場】さん








昭和32年開館と、大阪府下でも2番目に古い老舗映画館、以来60年に渡って洋画・邦画を上映されてきました個人経営の229席の大箱映画館です。


60年って・・・

僕が生まれるずっと前からここで映画が上映されていたんだ・・・



実はこの映画館、僕の職場のすぐ近くにあり、年配のオーナーさんとも普段から仲良くさせていただいておりました。



春休みや夏休み・・・

アンパンマン、ドラえもん、クレヨンしんちゃん、ポケモン等の上映期間は、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんと手を繋いで目を輝かせたちびっ子達がチケット売り場に列を成していました。


世間ではシネコンが大流行り、DVDレンタルやネット配信、テレビでもあまり期間をあけずに放映解禁される時代になり、全国的にも個人経営の昔ながらの大箱映画館は閉館を余儀なくされているとのことです。



本日、最終上映回の前にオーナーさんからお声掛けをいただき、中に入らせていただきました。







ロビーにはお花がいっぱい・・・




階段を登って・・・



扉を開けると・・・









流石は229席、広いし天井も高いし、スクリーンもでかいです。


最後の別れを惜しむ方達もオーナーさんと挨拶をしながら入館されてきます。


ここで僕はこちらに案内していただけました。



1番後ろの扉から出たところには螺旋階段が・・・











上映前の1番バタバタしてる時に本当に申し訳ないって思っていたのですが・・・




↑ 映写機です。

今日、上映されている『相棒』はデジタル配信のため・・・



キーボード1押しで上映がスタートするんだそうです。





奥に見えるシルバーの映写機がフィルム式の映写機です。

丸いところに載せたリールからフィルムが映写機に吸い込まれていきます。





少し前まではもっとレトロな映写機でフィルムを回して上映していたとのことですが・・・






小窓を覗くと・・・




館内を見下ろすことができます。


・・・

貴重な体験をさせていただきましたが、明日からはこの映写機が映画を映し出す事もなく、沢山の人々がワクワクしながら入館する事もないんだと思うと・・・



僕らしくもなく・・・



目が潤んで・・・



涙が溢れそうになってしまいました・・・



オーナーに聞いてみました

『最後に式典とかイベントは考えなかったんですか？』


オーナー

『60年続いたこの映画館の最後・・・

ひっそりと終わりたかったんです。

テレビの取材依頼も全て断りました。』




最終上映回が終わり・・・



いつも通りにお客様をお見送りし・・・



いつも通りに館内の照明を落とし・・・




ただ一つ違うのは、明日からこの映画館の扉にワクワクした笑顔の人々が吸い込まれていくことは無いってこと・・・




車ネタが全く無く、ごめんなさいm(._.)m


最後までお付き合いありがとうございました。