2014年04月22日
近年は、輸入車でもほとんどすべての車種で右ハンドルが選べるようになりました。
ですから、左ハンドルを運転したことのある人は少数だと思いますが、どう違うか、触れてみたいと思います。
私、初めて左ハンドルを運転したのは、母の知人から借りたと言うか、好意で乗ってみろと言われた、1979年モデル(だったと思う)のまだ新車のフォード・マスタングでした。
なんだか、室内は広いけど平べったくて、サンルーフ付きの分天井が低くて頭がつっかえる車、という第一印象だったのですが、オートマだったこともあってか、不思議に運転で戸惑った覚えはありませんでした。
まだ免許取って2年でしたが、既に10万キロ近く運転していましたし、ベテランながら荒っぽい母とは違って、安全かつ技術の裏付けのある運転をする私でしたから、信用されており、その後婚約者(今の妻)を大阪に連れて行った時、足としてその車を提供してもらえたのです。
それで、大阪から京丹波町(当時は、和知町でしたが)の実家との往復に使わせてもらって、500キロぐらい運転しました。
この車、3.5リッターのV6エンジン(と聞いたのですが?)で、さぞかしパワーがあるかと思えば、からきし駄目で、追い越そうとしたら全然加速しなくて諦めた局面もあり、半年前に手放した2.8リッターエンジンのフェアレディーZの方が、はるかにパワフルでした。
彼女とのデートに活用させてもらいましたから、よい思い出と言えばよい思い出ですが、サンルーフは晴れた日は暑いだけでしたし、小回りが利かなくて取り回しは悪いし、燃費はめちゃくちゃ悪いとは言いませんが、リッター7キロぐらいでしたし、でかくて安楽なところは美点だったと思いますが、それ以外は余りよいところのある車ではありませんでした。
で、肝心の左ハンドルですが、正直、私はほとんど違和感がありませんでした。
普通に運転することができたわけです。
この時の経験は、1995年にアメリカ、カナダ、ドイツで計2千キロぐらい運転した時に役立ったと思います。
アメリカでまず、左ハンドル右側通行の方が、人間自然な気がしたのです。
アメリカでは、フォード・ウィンドスターというオートマのワゴン、カナダでも、オートマのダッジ・ワゴン(ぼろくて怖かった)のに対し、ドイツで借りたレンタカーは、マニュアルで新車のフォルクスワーゲン・ゴルフだったのですが、何故かなあと思いながら運転していて、どうやら利き手である右手側に空間があり、右手で微妙なシフト操作ができる方が、人間自然なのだとの分析結果になりました。
実は、1995年当時、メルセデスのミディアムクラスの傑作、W124型最終のE220ステーションワゴンに乗っていたのですが、注文する前に、既にアメリカ行きが決定していたこともあって、左ハンドルのE300に試乗させてもらったのです。
同乗したセールスマンを、「私がセンターライン上に居ます。」とびびらせたりしたのですが、左ハンドル車の感覚の再確認に役立ちました。
しかし、その後右ハンドルの愛車が来てみると、明らかに違いを感じたのです。
何がどう違ったかと問われるとあいまいなのですが、左ハンドルの車の方が車体全体にしっかりしていて、ステアリング系の剛性感も高かったという感じです。
これ、ヤナセのセールスマンに確かめると、左ハンドル用に設計されている車のため、右ハンドル車だと、微妙に違うところがあり、ひどい場合は、ブレーキワイヤーやアクセルワイヤーに干渉して効きに影響することすらあると認めていました。
ただ、現在は、設計段階から両方を想定するメーカーも増えたため、以前ほどではないとのことです。
それでは、日本国内でも左ハンドルの車がいいかと問われれば、右ハンドル左側通行の条件下では、それはないと答えます。
狭い路地や急なカーブでは、右ハンドルでないと、先の見通しが悪く、危険だからです。
海外で左ハンドル右側通行の運転をする予定のある人に、簡単にアドバイスしておきます。
まず、運転席側がセンターラインであると、自分に言い聞かせましょう。
それから、交差点では、必ず、運転席側、つまりは左ハンドルなら左から確認することを徹底しましょう。
車は左から来ますから、日本流、「右見て左見て」は、右見て来なかったら安心して飛び出してしまうことがあるので、NGなのです。
丁度私がアメリカに行った年の早春、グアムで、新婚旅行中の女性が、免税店の前で、右見ただけでうっかり道路に飛び出し、車にはねられて死ぬ痛ましい事故があったのです。
叔母が丁度グアムに旅行中のことで、可哀想だったと教えてくれました。
曲がる時は、運転席側に曲がる時がセンターライン側ですから大回り、助手席側に回る時が、路側帯側ですから小回りであることも、頭の中に刻み込むとよいと思います。
それだけで、平気でニューヨークのマンハッタン島内のイエローキャブの洪水の中ですらすいすい運転できたのは、運転技術とともに、若さによる適応力の賜物だったとは思いますが、左ハンドル右側通行の国で運転する際の一つのコツとして覚えておくとよいと思います。
Posted at 2014/04/22 14:54:04 | |
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