天気予報では回復するということですが、まだ雲がたくさん残っている。そんな不安な朝を迎えた。

「結局、(しまなみ海道をとびしま海道の)どちらに行かれることになさったんですか?」
朝食を運んできてくれたおかみさんが明るい声で聞いてきた。
st昼行灯にはしまなみ海道にはちょっとした思い出があった。
2001年3月24日15時頃、st昼行灯は大三島に居た。そして芸予地震に遭遇したのだった。
その頃のst昼行灯は旅の移動手段は公共交通機関で自分が車を運転することなんて露程も考えたことがなかった。・・・むしろ嫌厭していたかもしれない。新幹線と在来線を乗り継いで尾道に入り、一日尾道を観光して一泊し、翌日自転車でしまなみ海道を渡ってやろうという無謀な計画をたてていたのである。しまなみ海道は本州と四国をつなぐ連絡橋の中で唯一自転車や徒歩でも渡ることが出来る連絡橋でレンタル自転車も充実していてそれが観光の売りだったし、とても気軽に渡れるような紹介もあった。「60歳ぐらいの方でも渡りますよ。」などと言われ挑戦してみたがとんでもなかった。橋は高い所を走っていて、渡るにはえっちらおっちら長い坂を上っていき渡り終わると強制的に坂を下り島の道へ戻されるの繰り返しだった。また、島々の観光地を巡るにもアップダウンの繰り返しだった。それでも、向島、因島、生口島と楽しく走っていた。大三島に渡る時急に体調に変化を感じた。お尻というか足の付け根と言うかが、痛いのである。触れてみるとミミズ腫れのように腫れていてサドルに腰を下ろせないのである。さらに、自転車から降りて押して歩くにもその部分が擦れて歩きづらいのである。そうなるとなかなか先に進めない。やっとのことで大山祇神社まで来た。そこで、自転車を諦め、船で今治まで渡ろうと考えて港まで歩き始めたときだった。今で思えば地鳴りだったのかもしれないが、耳鳴りというか、飛行機のジェット音のような高周波な高い音が聞こえたと思って凄く嫌な気分になっていたら、グラグラっときたのである。立ってられない強い揺れでst昼行灯は思わずしゃがみ込んだ。道を走る車も一斉に止まった。電線が鞭がしなるように揺れて山肌に土ぼこりがあがるのが見えた。港の待合室や近くのコンビニの店内はよくニュース映像にあるようなガラスやら転倒した商品が散乱する光景を目の当たりにすることになった。
そんなことを漠然と思い出していたら自然と「しまなみ海道を・・・」と答えていた。今治からとびしま海道へフェリーが出ていることを知っていてあわよくばという無謀なことを考えていたこともあるが、以前公共交通機関で行った所に、特に鉄道で行った所には、R−コが行きたがる偶然がよくあるので、そんな後押しもあったのかもしれない。
その前に三原の道の駅に寄ります。もう少し国道185号を東に走り

三原の街中を抜けて

高台にある道の駅みはら神明の里へ到着。

瀬戸内の海を望みます。阪神間の東海道線沿線もそうですが、小学校の社会で習った太平洋ベルト地帯であることを改めて知ったように思います。

国道2号をもう少し東に走り

西瀬戸自動車道に入ります。

新尾道大橋を渡り

今回は向島は通過で因島大橋を渡り因島に入ります。

因島北ICで降りて

五百羅漢で有名な白滝山を目指します。ですが、るるぶのガイドではこちらは住所が白滝山山頂っとあって詳しくはのっていません。・・・ま、文字通り山頂にあるので住所も何もないのでしょうが、白滝フラワーライン駐車場が便利っとあるので、白滝フラワーラインを探して走ります。
なんですが、R−コは何やら怪しい道を行けと言います・・・ここを左に曲がれと

却下です。却下。「フラワーライン。フラワーライン。」っと呪文のように唱えながら走ります。あ!あった!狭いですが明るい分安心感があります。

結構急勾配です。

走っているうちに、「そー言えば、ここの道自転車で来た時登ったなぁ」っと思い出してきました。「わぁ〜、俺って結構頑張ったんだなぁ。」誰も褒めてはくれないので自分で褒めてあげます。

急に開けたロータリーがあり

もう少し登ると到着です。ロータリーの後何カ所か駐車スペースがあり、20数台の駐車が可能なようです。

後で知りましたがここは
八栗寺というお寺のようです。

700数体の仏様がいらっしゃいます。

鐘を撞かせてもらいました。乾いてきた空気に鐘の音が響きます。その音はまるで空気の振動が見えるかのように感じていました。

広い視野は持ちたいものです。

奇岩が多いのは土地の顔なのでしょうか?これはまっこと顔みたいな。

それと、ここには「
恋し岩」の伝説があります。悲恋の物語ですが、遠距離恋愛が実るパワースポットでもあるとのこと。岩に触れながら願いを込めると叶うといいます。海に身を投げた女性の生まれ変わりとされるこの岩はどこかミロのヴィーナスにも似た艶っぽさがあるように感じるのは下世話なst昼行灯の妄想でしょうか?恋人さえいないst昼行灯にとっては遠距離恋愛以前の問題ですが、“きっと”どこかにいるであろう、恋人との距離が早く縮まるよう願をかけてみました。

・・・縁結びの神様からみればクレーマーかもしれませんな。仏様も困り顔

さて、次の目的地に向かいますがR−コはさっきの怪しい道を通りたがります。

全く無視するのも悪いと思うので付き合ってみました。

あり?あっさりと前の道へ

ものの2分くらいでした。地図でみると登りに使ったのは

当初からR−コが薦めてきたのは

入り口がめちゃくちゃ怪しかったので却下でしたが、確かにかなりな近道でした。
さて、次はお隣の生口島です。R−コお得意のショートカットをして

因島南ICから西瀬戸自動車道に戻ります。

生口橋を渡って生口島へ

わぁ〜い、青空が見えてきました。

訪れたのは
平山郁夫美術館です。

st昼行灯には絵の良し悪しを見る目も感性も持ち合わせてはいませんが、以前ここにきた時に思いの外気持ちいい感じになったのを覚えていました。それは、自分にとっても驚きの印象でした。絵をみていい気持ちになるなんて思いもしていませんでしたからね。ガイドブックに大きく取り上げられていて「じゃ、どんなもんかいな」ぐらいな気持ちだったので更にいい印象が残ったのかもしれません。
再び訪れてみると、面白いなっと思うのはここには平山郁夫さんの出身地ということもあって展示されている絵には学生時代の落書きまでが展示されていて、この絵がまたよくあるといえばよくある感じなんだけどでもちょっと平凡とは違う、力みたいなものが感じられるというか、面白いのです。
よく展示会とかにある、マグネットの絵とかあったら買っていこうかと思ったが残念ながらなかったので、美術館内の喫茶店で地元特産のみかんを使ったジュースをごちそうになりました。 太陽のような明るい色のジュースは美味しかった。

向上寺に寄ろうかと思っていましたが車で行くには道が狭すぎるし徒歩で行くには30分ぐらいの山道に怯えてしまって次回に、本当に次回があるのか不安ですが、先送りです。
生口島から大三島へ渡るには生口島を半周するように海岸線を走るのですが、これがまた気持ちいい。なんか、生口島は全体的に好きだなぁ。

西瀬戸自動車道に戻って多々羅大橋を渡ります。大三島に侵入。

道の駅多々羅しまなみ公園に到着。

生口島は広島県だったが、ここはもう愛媛県なんだなぁ。R−コと愛媛県に入るのは初めてです。また、無駄に道の駅探訪の枠を広げたようだが、嬉しいのですな。

しあわせの鐘なるものがあります。
因島で鳴らした重厚な深い音色の和鐘とは違うどこか陽気な高い音が響きます。
“ふしぎなふしぎな「しあわせの鐘」です。
ひとりで鳴らすと、ひとりのしあわせ。
ふたりで鳴らすと、ふたりのしあわせ。
みんなで鳴らすと、みんなのしあわせ。
ひとりで、ふたりで、みんなで、ここへきて、
「しあわせの鐘」を鳴らしてください。
この鐘の音が、あなたを、きっとしあわせにします。”
と、ありました。はい、独りで鳴らしましたので独りのしあわせgetです。・・・・欲張りなのですかね。・・・何か、物足りない感じ・・・・ふたりのしあわせ・・・・いくつになってもあこがれですな。

さて、気を取り直して、道の駅から少し走って、大山祇神社に到着。この神社のお隣は道の駅しまなみの駅御島です。続けざまにポイントget!

さて、もう13時をまわっているのでそろそろお昼ご飯と行きたいのですが・・・昨夜の宿のおかみさんのお勧めの海鮮丼のお店があります。
お食事処 大漁さんでも、ここは有名なお店のようで既に長い行列が・・・それでも並んでみようと入り口まで行ったのですが、“お昼のお客様はここまでで終わりです。”との文言が・・・・ショックでした。これもまた次回への先送り事項入りです。

がっかりしながらも、神様にご挨拶を忘れてはいけません。広い境内を抜けて

立派なご神木はパワースポットの迫力があるように見えます。

ご無沙汰しております。覚えていますか?ゆったりとした風が吹いていました。まだ、肌寒い中に何か少し暖かい感じのする不思議な風が・・・・

大山祇神社の門前の
お饅頭屋さんで
お土産を購入
さて、次に進みましょう。いつの間にかすっかり元気になった青い空を眺めながら同じ道を戻ります。

大三島橋を渡って伯方島に入ります。そうです、“伯方の塩”の伯方です。

道の駅伯方S・Cパークに到着。どこか、南国ムードも漂います。

夏場は海水浴で賑わうのでしょうか。何か、もう夏を待ちわびている雰囲気を感じてしまう。

さて、昼ご飯どうしようかいなぁ。気分的には魚なんだけど・・・。よし、次、次ではもうつまらないものでもいいから何か食べることにしよう。っと自分に言い聞かせて・・・
ネットのガイドでは、
伯方・大島大橋と紹介されていたが道路の標識では大島大橋だった。

国道317号で島を突っ切って反対側へ向かいます。えっ?ここで曲がるの?まっすぐでよくね?

ああ、ここはRーコの趣味の時間ですか。

んで、国道317号に戻るっと。

ここを通りました。短い区間だったからいいけどね。・・・でも、どういう選択基準なんかなぁ。

来島海峡大橋が見えてくると

道の駅よしうみいきいき館に到着です。

ここでは、
新鮮な水産物を七輪でバーベキューができるとのことでかなりの盛況でした。でも、お独り様ではなかなかバーベキューともいかず、道の駅内のレストランでお食事。本当は鯛茶漬けを食べたいと思ったが、売り切れということで鯛雑炊を。熱々、旨旨でした。

やっぱり瀬戸内の海にはsunサンと輝く太陽がお似合いです。twinkle little starをちりばめて綺麗です。

お大師さんの優しい表情が癒しを与えてくれます。

明日へ架かる橋はいったい何処へつながっているのだろうか。希望を見失ったオヤジにも何か先へ進めるような希望の橋と見える。なんとなく、島に挟まれた瀬戸内海という小さな海はおっとりとしたイメージがありますが、意外に潮の流れが複雑で荒々しい表情を持っています。だからこそ凛々しくて美しいのかもしれません。惹き付けたやまない魅力を感じる。

さて、その来島海峡大橋を渡って四国入りです。

何やら、1年にほんの数回一直線に並ぶ橋桁の間にすっぽり入り込む夕陽がかなり綺麗らしいですが、st昼行灯はノーコンだからか、へそが曲がっているらか、ちょっとずれているようです。ずれるのはセンスとかつらだけで十分です。・・・あ、いや被っていませんけどね・・・地毛ですから・・・フサフサですから・・・・誰ですか“スカスカ”の間違いだとか言っているのは・・・でも、会社では“オールフリーだ!”と言っています。

道の駅今治湯ノ浦温泉に到着。残念ながらこの駅には温泉施設の併設はありません。温泉スタンドはあるようです。HPに紹介されている
“海峡めし”(あじ丼)食べてみたかったなぁ。

やっぱりとびしま海道までまわるのは無理でした。でも、とても楽しかったので満足です。これも、いつあるか分かりませんが次回への先送り事項です。
さて、帰りますか。この時はまだ、徳島道と高松道が鳴門でつながっていなかったのですが、R−コは徳島道を薦めてきました。

でも、あえて高松道を使います。・・・・はい、また津田の松原SAで讃岐うどんです。

今治小松自動車道から

お初な松山道を通って、川之江JCTは高松道方向に進路を取ります。

しばらく走るともう、讃岐富士が見えてきました。

そして讃岐富士(飯野山)のすぐそばを通ります。

そして津田の松原SAに到着。

ここからは何時もの(?)道です。鳴門JCTと徳島ICは3月14日午後15時開通です。今朝のニュースで首都高速中央環状線山手トンネルの開通のニュースをしつこいぐらい聞いていたので、もっと、こっちのニュースもテレビとかでやればいいのにっと思いました。

いつもの明石海峡大橋は七色に輝き、対岸の夜景は綺麗だった。

この後、R−コに食事をさせてから家に帰りました。長く、広島の下道を走れたのは楽しかった。先送り事項が多いので、また広島を走れたらいいなぁ。広島はまた呼んでくれるだろうか?とりあえず、今回はお疲れ様でした。ありがとね、R−コ。楽しかったよ。