■ 本格的に導入することに
コンデンサーによるハイフラ回避実験は成功したのだが、前記の0-63はハロゲン球対比で十分に明るくなく、H-541改は明るいが色味が黄色っぽいため日中の陽光の下では今ひとつ目立たない(PIAAによればオレンジのレンズに白のLEDを入れた場合の色と合わせてあるため)。
そこで、爆光で定評のあるピカキュウLED Monster(LMN101、T20)をS25ピン角違いに改造し、併せてコンデンサーを装着することにした。S25ピン角違いのLMN102にしなかったのは、コンデンサーを入れるスペースを確保するためである。これまでの実験中に、ピカソは左右でウィンカーの極性が逆という鬼畜な構造であることも判明していたので、LED球としては入力部にブリッジダイオードを内蔵した極性のないものが良く、コンデンサーも極性なく熱に強い積層セラコンとした。部品は、ピカキュウLMN101、積層セラミックコンデンサー2.2μF(50V、千石電商2号店、@100円)、S25ピン角違い座金(千石電商3号店、@50円)、各2個である。
■ 工作
ハンダ付け以外の工作としては、T20の差し込み部分の幅がS25座金より若干広いので、やすりで左右1ミリ程度削る必要があるだけ。削りすぎないように、座金と合わせながら試し試し削ると良い。

座金に入り込む部分の深さは浅めにして、側面LEDの位置がオリジナルのハロゲン球のフィラメントの位置とほぼ揃うようにした。通常売られているLED球は発光部分が根元に寄っており、レンズに入れると光が拡散気味になる。ウィンカーは全体にぼんやり光るより、濃淡あってキラリと光った方が、後続車に気付いて貰いやすい。

ただしこうすると最終的にかなり長くなるので、レンズ内の奥行きが十分ない車では支える可能性があることに注意。テープなどでしっかり仮止めし、9Vの乾電池などで最後の点灯(および短絡がないことの)チェックをした上で、車に装着。点灯およびハイフラ回避を確認し、その後は座金を接着剤で固定。コンデンサーは敢えて出して青色が見えるようにしたが、ステルス性を重視するなら座金の内側に隠れるように配置すべきだろう。また、側面LEDは4つであり、発光方向をどうするかで見え方が変わる。後ろから見て+字にするのか、×字にするのかも試行錯誤し、左右揃えてから接着するのがこだわりか。
下の写真は、午後2時の陽光を正面に受けながらの点灯状況。ハロゲン球と同等に明るく(写真よりも見た感じはもっと明るい)、視認性に問題はまったくない。
■ 留意点
以上のコンデンサーによるハイフラ回避策は、あくまで実験的なものである。まさに0-63の商品説明にあったように「ハイフラ回避が
期待できる」だけであり、回避できる保証はない。成否は車がどのような球切れ検出回路を持っているか次第なので、もちろんすべて自己責任にて行って頂きたい。コンデンサーでハイフラが回避できない場合は、従来通りの抵抗器による回避策を採るしかないだろう。なお、ピカソの場合、エンジンを切ってから再始動するまでの時間が短いと、その前の球切れの記録が残ってハイフラが継続することがあった。15分ほど放置してからエンジンを掛けると、再度球切れチェックが行われて、ハイフラが解消した。
■ 余談
今回、ピカソのテールランプユニットを取り外してみて、その先進性に驚いた。表題写真の通り、球へのコード配線はなくなっており、ソケットを差し込むことで電極に接して通電する形になっている。ユニット全体への配線も5線のフラットケーブルでまとめられており極めてすっきりしている。下の写真が示すように、樹脂製のボディパネルはユニットと凹凸を合わせた形状で、無駄な隙間もない。逆に言えば、抵抗器を付けるには不便があるので、コンデンサー式が使えるならお薦めだ。また、3次元で奥行きが広がって見える特殊なリアランプだが、実際の奥行きはゼロで、完全にホログラフィーによる錯覚を利用していることも分かった。提案したのは部品メーカーだろうが、なかなか思い切った採用をしたPSAである。
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LED | クルマ
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2015/10/31 11:04:50