「オータムリーヴズ」っていうとちょっとセンチメンタルで心地が良いが、「枯葉」っていうとどうも3文シャンソンっぽくて好きではない。イヴモンタンやシナトラが唄えば、そりゃもう言うことなしだが、マイルスディヴィスとキャノンボールのインストヴァージョンも、有名すぎるけれど、素晴らしい。驚くばかりの多くのシンガーやミュージシャンがとりあげているが、名演の定番といわれるものは少なく、でもどの唄も演奏もはずれは少ない、どれもそこそこ聴ける。唄のスタイルも様々で、朗々と歌い上げるもの、切々と語りかけてくるもの、思いっきりスウィンギーなもの、悲しみに暮れたもの、歌手の数だけ唄があるのも珍しい。近所の遊歩道が枯葉で大変だ。歩くとふわふわしてるし、何より音がバリバリと凄い。強い風でも吹こうものなら地面から舞い上がっていく。ボクはこの枯葉の洪水の歩道が好きだ。この季節、ちょっとだけの期間、別世界のような光景。自然がくれた贈り物。