
崔さんと久しぶりに会ったし、遅くまで飲んだ。
昨夜はソウルから帰ってきたその足で六本木、大きなRIMOWAを携えてやって来た。韓国で「ス」の0号が完成したばかりだという。お疲れさんだ。
最近はTVぐらいでしかお目にかからないが、もうかれこれ20数年来のおつきあいだ。仕事でも随分お世話になったし、プライベートでも遊んだ。以前、まだ新しくなる前のバンコク空港で偶然見かけて、後ろから大きな声をかけたら、飛び上がって驚いていた。カラダに似合わず結構臆病者でも有名だ(笑)。真っ白い麻のスーツを着いて、「崔さん、なんかかんちがいしてな~い」と言った時の、恥ずかしげなばつの悪そうな顔が忘れられない。とても可愛い一面も持ち合わせている。
今では、日本を代表する大監督になった。「月はどっちにでている」で賞という賞を総なめした時は、ボク的には「いまさら」って感じだった。崔さんと出会った時から、その天才的な才能は充分開花していた。
崔さんは、結構フツーだし、真面目だし、ただのおやじだ。話をしていてもごく一般人だし、ダジャレも下手だし、この業界にしては珍しい。ただ、撮影現場に於けるあの、ギリギリとした集中力と粘りとタフネスさは凄すぎる。それはもうスタッフは大変だ。でも現場の締まり方は好きだ。
崔さんとはなんとなく最初っから波長が合って、一緒の仕事仲間と馬鹿な飲み食いもした。今は顔も売れちゃったから、あの当時のどんちゃん騒ぎはちょっと出来ない。でも崔さんはいつも止め役にまわっていたような気がする。よく周りに気遣いしていた。それだけ飲み仲間の破天荒ぶりが凄かったから。いつも、最後はボクもアカの他人になって、崔さんと逃げていた(笑)。
崔さんの監督する映画はハードボイルドというが、粘着質でなく結構さらっとしたネアカなペーソスと、繊細な表現を積み重ねて、結果それが全体を階調的なトーンに仕上げていく、とんでもない計算の上に成り立っていると思う。言葉ではどうもうまく言えない。
公私とも忙しいとは思うが、またゆっくり遊びたいものだ。
Posted at 2007/03/09 10:26:19 | |
トラックバック(0) |
Human | 日記