
最近お騒がせのキョン2、歳とったなあ。もうアイドルと言うより、色気ムンムンのオンナ。
僕のアイドル、そう純粋に「アイドル」という言い方が出来た頃の話、それはファッツナヴァロだ。
男。いろんな人種の血が混ざった黒人。
丁度、中学生でとても多感な時代だったが、盲目的に溺愛した。
タイムマシンがあれば彼の生きてた、輝いていたあの時に、片道キップでもいいから行きたかった。
JAZZミュージシャン。天才。26年の命。ラッパ吹き。Be-Bopper。
毎日毎日ずーっとレコードを繰り返し聴いた。カセットテープが出始めた頃で、ドクターバッグ並みのサイズのナショナル製カセットレコーダーを自転車のハンドルにくくりつけて、大音量で「ダメロニア」を鳴らしながらペダルを漕いで通学していた。変わった子供だったと思う。
ファッツは僕のアイドルでもあり、それ以前に偉大なクリフォードブラウンのアイドルでもあったらしい、凄いヒト。
早死にだったこともあり、残されたレコードは極めて少ない。スタジオ録音だけでなく、闇録ライブやサイドマン録音など、できる限り手に入れようとした。当時は調べるだけでも大変であった。が、それが楽しい時代でもあった。
僕自身、トロムボーンからラッパに楽器を替えた頃だった。ボーンが主役のディキシーのジャックTやスイングのトミードーシーの音楽から、40年代のバップにのめり込んだ頃でもあった。演奏をコピーしようと何年もあがいたが、結局満足に出来ずじまいだった。
妖しげなことに、26歳になった年、大好きなテニスのプレイ中、ラケットが僕の口を殴打して前歯は折れ、唇も10針近く縫った。ファッツのように死ぬことはなかったが、ラッパ吹きのアマチュアを続ける夢は完全に消えた。
今でもレンジローバーの中で唄っている。そう、ラッパで唄うことが出来る数少ないファッツナヴァロ。僕の永遠のアイドルだ。
Posted at 2006/07/07 09:14:27 | |
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Human | 音楽/映画/テレビ