
イチゴが大好き。
春から初夏にかけての高価なフルーツ。
雪印の練乳をたっぷりかけて食べる。
フルーツギフトの中の女王。
子供の頃はごちそうフルーツの代名詞。しょっちゅう食べることが出来ない、今では考えられない時代。
ボクの場合、イチゴと言えば食べ物というより、映画の「イチゴ白書」が先に来る。ユーミンが作ったバンバンの唄も結構良いが、やはり映画だ。
映画が凄かったかと言えば、そうではない。大体からして、ボクの世代は学生運動の終わった後のノンポリクンばかり。頭でストーリーは理解できても、肌で感じることの出来なかった世代だ。ご多分に漏れずボクも。
ただ、この映画には深く切ない想い出がある。
瞬間的に、盲目的に恋をした。広尾のお嬢さん女子大の映画部部長だったと思う。学校にも行かずブラブラしていた頃、学祭に出かけた。お目当ては女の子だったと思う(笑)。
古着の赤白スタジャン、リーバイスの502、コンバースジャックパーセルのロングバッシュー、千駄ヶ谷の近くのハリウッドランチマーケットで買った古着のネルシャツという、お嬢さん大学には似合うはずもない格好で出かけた。一人だった。偶然案内を受けた映写室の前で、禁煙を無視して、ラッキーストライクの両切りとジッポ。優しく注意を促された女性がとびっきり美人だった。
小さな部屋で映写が始まったとき、一番後ろで反っくり返って伸びをしていたボクは、後頭部から後ろ向けに倒れて失神した。
暫くして保健室で目が覚めたが、ずっと看病をしてくれていた女性が、とびっきりの美人の女性が目の前にいた。驚いてまた失神した、というと嘘になるが、胸が張り裂けそうに高鳴ったのは事実。ただそれだけの、その時の恋は、その場所で終わった。今でもその光景を忘れることはない。
昨日レンジローバークラブRROCIの忘年会が六本木で行われた。
マセラッティクーペが日本一似合うジェントルマンが、一杯のイチゴを持参してくれた。卑しくも何個も何個も食べてしまった。イチゴ白書の唄が耳の奥に聞こえ、ふっとココロがざわめいた。
凄く美味しく、甘く、切ないイチゴだった・・・。
Posted at 2006/12/20 15:55:46 | |
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