2014年07月18日
オイルとはチューインガムである
オイル管理にもいろいろな人がいる。
四輪ドライバーの間では、車検ごとの交換というルーズな人もいれば高いオイルを5000km未満で交換する人もいる。二輪も似たようなもので、さすがに車検ごとなんて人はいないものの5000km以上引っ張る人もいれば3000km未満で交換する人もいて面白いものだ。
交換時期については、基本的には走行距離を目安にするものと考えている。オイルパンの中に入った状態であっても、1ヶ月や2ヶ月で品質が極端に落ちるようなことはそうそうない。ただし、季節が変わったり寒暖の差が大きい場合は結露の可能性があるため早めに交換するべきだろう。
そして肝心の走行距離については、目安となる項目は2つ。常用回転数とオイル容量である。250ccの二輪車の場合、オイル量は2L程度しかない。常用回転数は5000回転から8000回転と高めなので四輪との比較では相当早めに交換するのがベターだ。どんなに引っ張っても5000km、できれば3000km以下で交換するのが望ましいと思う。
660ccの軽自動車の場合は常用回転数が4000~6000回転ぐらいで四輪としては高め、オイル量も3Lか4Lぐらいと多いとは言えない。条件的には二輪より若干ゆるい程度であり、オイルにとって劣悪な環境であるため早めの交換が望ましいだろう。目安としては5000km前後ではないだろうか。
これが2000cc以上の四輪になると環境が大幅に改善する。常用回転数は2000~4000回転ぐらい。オイル量も軽自動車より多いので、メーカーが言う通り10000kmごとの交換でも問題ないだろう。ただし、それ以上の距離を引っ張るのはどうかと思う。オイルのおかれた環境と走行距離で自主的に判断するよりないというのが個人的な結論である。
オイルというものは、適正量が入っていれば劣化していようが何だろうがとりあえずは走ってしまう。当然ながらエンジンへのダメージは品質の劣化に従って増えていくが、気がつかない人も多い。オイルは汚れ、潤滑性能は落ち、やがてはスラッジの発生とともにエンジン各部に見えないダメージとして蓄積されていく。そして気がついたら時すでにお寿司ですし。
これが前から何かに似ていると思っていたのだが最近気がついた。チューインガムである。はじめのうちは味があっておいしいが、やがて味がなくなりまずくなっていく。オイルの場合は品質の劣化でエンジンにダメージが発生する点が違うわけだが・・・・
ここで1つ質問。あなたは
ガムを噛むこと(オイルの運用距離を伸ばすこと)が目的なのか?
ガムを味わうこと(オイルでエンジンを保護すること)が目的なのか?
一体どちらだろうか。考えるまでもなく答えは見えている。オイルというものはスパークプラグと似ているもので、明確な寿命というものを判断しにくい。かといって調子が悪くなってから変えてもすでに遅い。
なので交換時期についての判断基準はオイル量、常用回転数、そしてオーナーの価値観が大きな要素となる。四輪の場合は5000km~10000kmで、二輪の場合は3000km~長くても5000km以下で交換するのが望ましいと個人的には考えている。
寿命の尽きたオイルを長期間使い続ければ、劣化した成分がスラッジとなって機械的な故障の可能性を少しずつ高めていく。スラッジはたまってしまったら簡単には落ちない。フラッシングなどもってのほかである。蓄積した状態で息を潜めていたスラッジが、フラッシングによってエンジンからちぎれて浮遊しはじめるからだ。
スラッジナイザーなどの除去施工や一部のオイル添加剤などで除去効果をうたうものもあるが、これらはすべて泥縄(泥棒を捕らえて縄をなう)であり、後手後手であることに変わりはない。悪影響が出る前に、まだ寿命が少しでも残っている状態で交換するのが基本中の基本である。
スラッジが発生するとカムシャフトに傷が入ったり、バルブ系の動作機構が劣化して異音が出たりすることがあるが、こうなってしまっては遅いのだ。オイルなんて車検で見てもらえばいいなどと考えている人がいたら、走行中のエンジン停止という最悪の事態もあり得ることを考えてほしい。
状況次第では事故につながりかねないのでくれぐれもご注意を。
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Posted at
2014/07/18 23:33:40
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