帰ってくれガソリンオカルト
はい、つかみはOKでしょうか(
以前にガソリンについて書いた時から2~3のハイオクを乗り比べてみたので、久しぶりにインプレを含めた個人的な見解について書いてみたい。
本記事はオカルトであり、科学的な根拠はまったくない個人の見解なのでご注意を。いわゆる「わかる人だけわかってくれればいい駄文」なので、その点よくご理解の上でお読みいただきたい。
さて、繰り返しになるがレギュラーとハイオクの違いについて。四輪乗りは比較的その違いをわかっている人が多いようで、ハイオク愛用者の比率が高いと思う。これはパワーウェイトレシオの悪い四輪においては、わずかなトルクの差であっても体感できるからではないかと予想している。
二輪乗りはそうでもないらしく、ハイオクなんて高いだけとか、洗浄剤が入っているだけとか、ひどいのになるとハイオクは燃えにくいからカーボンがたまるとか、私のようなオカルト記事を書いている人間から見て「そりゃオカルトだろう!!!」と言いたくなることを平気で言う人が結構な確率で存在する。
大きな誤解その1 : ハイオクは燃えにくい
プラグが点火した後の燃焼しやすさはレギュラーもハイオクも同じである。ハイオクは圧縮上死点付近の自己着火、すなわち異常燃焼を起こしにくいだけである。これはどういう意味かというと、引火点がレギュラーよりも少し高いということだ。これをもってハイオクは燃えにくいとするオカルトを流布する人がいるわけだが、引火点と燃えやすさはイコールではない。火が飛んでいればハイオクも普通に燃えるのだ。
大きな誤解その2 : ハイオクを使ってもパワーは変わらない
この点については、違いのわからない人は鈍いだけではないかと思っている。ここはオカルト記事のオカルトたる象徴的な部分なのだが、ハイオクはレギュラーよりパワー(トルク)が出る。レギュラーとハイオクで比較すればその差はわかるし、ハイオク同士でも元売り系列によってその差はかなりある。ハイオクは無駄と思っている方は、一度でいいからハイオク満タンで比べてみてほしい。
そして長い前置きが終わったところで本題。2~3のハイオクを前回から乗り比べてみた結果を書いてみたいと思う。ハイオクというカテゴリーでも元売りによってその内容は大きく異なる。
出光ゼアス
今回の評価でイチオシ。回転の軽さはピューラに一歩劣るが普通に高回転まで回る。トルクの厚みはピューラを上回る。高回転まで回してもエンジン音は軽やかで振動も少ない。
シェルピューラ
回転の軽さは一番。だがトルクはそれほどでもない。高回転まで回した時の騒音や振動は少ない。出光がなくてシェルがあったら迷わず入れる。
エクソンモービルシナジーF1
ESSO、モービル、ゼネラルなどエクソングループのハイオク。トルクはゼアスとピューラの間ぐらいなのだが、エンジンの回転が重い。高回転まで回すと前二者と比べて明らかに微細な振動が増え、騒音も聞いてわかる程度に大きい。この振動というのはガソリンにしろオイルにしろ評価する上で重要なポイントである。なぜなら振動を感じるということはエンジン内部で物理的な衝突が発生しているからだ。原動機の寿命を気にかけるのなら、まず第一に注意すべきは振動・騒音であろう。出光もシェルもなかったら仕方なく次のSSまで最小の量を入れるレベルである。
ENEOSヴィーゴ
聞いたところによるとバイオでないハイオクを扱う店もあるらしいのだが、近所の店はバイオハイオクだったので今後二度とENEOSに入ることはないであろう。それくらい品質が悪かった。ハイオクが悪いのではなくバイオが最悪だった。トルクは出ない、回転は重い、騒音振動は明らかに大きいといいとこなしである。おそらく燃費も悪いはずだ。バイオガソリンはエチルアルコールとブタンガスの合成燃料のETBEという成分を数%加えている。アルコールは体積当たりの熱量がガソリンの6割ほど。ブタンガスもガソリンより熱量がかなり低い。同じ量の燃料を燃やすと、当然ながらガソリンより熱が出ない=パワーが出ないということになる。そればかりか、どうも火付きも悪いらしく、高性能二輪車やキャブの旧車に入れて不具合を出し、ガソリンが原因と気がつくまで時間がかかったという事例がいくつか存在する。愛車のことを思うなら入れてはいけないガソリンの筆頭であろう。バイオはオクタン価が高いだけの張り子の虎だと個人的には思う。
番外 : コスモ、キグナス
この2社は入れたことがない。というかバイオの前例があるので怖くて入れられない。一度入れてしまったら200kmぐらいはそのまま走ることになるので、悪いガソリンを入れると悪影響も持続してしまうからである。ガソリンの残量を減らした時にでも、1リッターか2リッターぐらいなら試してみたいと思う。
追記
みんカラブログで
Y'sMANさんの記事を発見。やはりハイオクは高性能だった。この記事はハイオクの比較記事なのでレギュラーとの対比はわからないが、ハイオク同士でもこれだけ違うのだからレギュラーの場合は推して知るべしといったところだろう。
それにしてもENEOSはじめ石油業界に言いたいのは、バイオ燃料などという偽善はやめてほしいということだ。確かに植物から作られたアルコールはカーボンオフセットとかでCO2排出量が少ないのはその通りだが、そのアルコールを造るために穀物生産地で価格が暴騰して食用穀物価格に悪影響を与えているという事実は全く触れていない。アルコールを造るコストも安くはなく、同じ価格でガソリンを売るとバイオのほうがコスト高、つまり元売りは赤字で売っていることになる。そこまでして企業イメージを売り込みたいのだろうか。まったく馬鹿げた話だ。
ガソリンに混ぜて悪影響を出すぐらいなら、アルコールそのものを発電に回せばいいじゃないかという根源的な提案も一部に存在する。さらに食用穀物を原料にアルコールを造るのではなく、アルコールにしなくても燃える植物資源を直接燃やす発電所を作れという当たり前の話も存在する。
化石燃料の消費を抑制したいという意見はよくわかるのだが、ハイブリッドが普及した今でも動力の主体は変わらぬガソリン、ディーゼルエンジンである。しかも走行距離から考えて、ガソリンに小細工をするよりは廃油回収システムを整備して廃油再生ディーゼル燃料を開発したほうがトータルでCO2排出量を抑制できるのではないだろうか。
バイオガソリンに関する問題を考えるほどに、本末転倒だと言わざるを得ない。
Posted at 2014/06/14 20:00:57 | |
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