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2013年12月07日

試乗記 Alpina B6 BiTurbo(F12)

試乗記 Alpina B6 BiTurbo(F12) 憧れのアルピナに試乗しました。
しかも、ラグジュアリーなB6です。

プッシュボタンでスタートした排気音はとても静かです。
注意して聞けば、相応の排気量のクルマの音であることは認識できますが、現行M6のようにボーーーと長く低音を轟かせるようなことはありません。
550馬力も出る車とは思えない控えめな音です。

ドライバーズシートに座り、着座位置と主要な操作機器を確認し、ブレーキペダルから足を話すとクルマが静かに前に進み始めます。
やはり、AT車を試乗する良さは、初めての運転で高性能車の出足の予測がつかない状況でアクセルの踏み込みを恐る恐るせずとも動き出してくれるので緊張感を感じずにすむところです。
それに、試乗車は普段から運転する右ハンドルなので気楽です。

営業マンに勧められてCOMFORTモードで試乗をスタートしました。
世田谷ショールームよりすぐに第三京浜に入り、継ぎ目を次々と越えましたが、コトンコトンと小さな音がするのに室内にショックがほとんど伝わってきません。
少なくとも乗り越えた瞬間が捉えられないくらいにマイルドです。
音がするのに突き上げがこないという今まで経験したことのない不思議な感じです。
そこで、もう一段硬いSPORTモードに切り替えると重心が少し下がり足回りがしっかりとした乗り心地に感じましたが、それでも突き上げはありません。
現行M6でかなり柔らかいと感じたCOMFORTモードよりもいなしてくれている印象です。
その分、普段運転している先代M6のようにしっかりした足回りを感じさせるクルマよりボディーの大きさは一回り大きな感じがしました。
振動として伝わらない分、M6グランクーペを試乗したときよりもボディーが大きい車を運転しているという錯覚すら覚えました。
550馬力のスポーツカーを運転しているというより、優雅な高級セダンを運転しているようです。

排気音も高速を走っていてもかなり静かです。
さすがに、5,000回転位まで回しにいくと4.4ℓツインターボの排気音の存在感は増しますが、高速道路で急加速しようとアクセルをちょっと踏み込みにいったくらいでは騒がしくなりません。
落ち着いて運転できるという点でいえば、相応の走行性能のあるクルマの中で最高峰かもしれません。

現行M6であれば、アクセルを意識的に踏み込めばゴロゴロと低音を響かせ始めるし、ターボ特有のキューンという吸気音が聞こえてきてスポーツ走行していますとクルマがアピールするので実感が湧きますが、アルピナB6だとそういう走るぞといった雰囲気が伝わってきません。
逆にいうと、スピードが掴みにくく、加速を楽しもうとアクセルを踏み続けると思いのほかスピードが出てしまいます。
やはり、2,800回転から5,000回転まで74.4kgmという高トルクを出力するエンジンを積んでいるだけのことはあります。

唯一の難点は、現行M6も同じことですが、ターボの圧倒的な加速が得られるまで一瞬の間があることです。
それも排気音が静かなまま加速を始める分もあるのか、M6よりB6のほうがラグを感じました。
中間加速の性能は分かりませんが、0-100㎞/h加速がM6で4.2秒、B6で4.3秒の比較で考えればラグの差は音の聞こえ方によるものだと思います。

いずれにせよ、NAエンジンのように排気音と連動するのではなく、一瞬の間の後にシートに背中が押し付けられるような強力な加速が始まります。
もちろん、意識的にスイッチトロニクスで2速ほどシフトダウンしてから踏み込めばレスポンスの良い加速を楽しめますが・・・
NAに乗っているものからすると、音とともに徐々に高まる加速というよりはワンテンポ置いていきなり急加速するという印象は拭えません。

ただ、助手席に乗っている人からすれば、ドライバーのアクセルワークは認識できないので、ターボと自然吸気の違いは関係なくて加速の力強さだけが伝わってくるのでしょうが・・・

第三京浜を折り返して街中に戻り、更に柔らかいCOMFORT+モードに切り替えました。
COMFORTモードで十分に柔らかいので、何度か切り替えてみましたが違いは分かりませんでした。
営業マンいわく誰かを後部座席に乗せるときにこのモードが良いとのことですが、6シリーズの狭い後部座席に大切な人は乗せられないですよね。

この車はよほどハードな運転をしない限りCOMFORTモードで十分かもしれません。
もし、しっかりした硬めの設定が好みならSPORTモードといったところでしょうか。
公道では必要性に応じて切り替えて楽しむような場面はないような気がしました。

数少ない試乗経験からですが、500馬力ほど出るような車の中でアルピナという車は特異な位置にあるような気がします。

他の車であれば、普段使いができるよう配慮されていてもスポーツモードに設定を切り替えてちょっとアクセルを踏み込めば、影に潜んでいたエンジンや足回りの凄みが顔を出します。
一方、アルピナはそういう運転に対しても顔色一つ変えない感じです。
もちろん、もっと追い込んだ状況にすれば顔色も変ってくるかもしれませんが、公道でチャレンジできる場面は限られていると思います。

そういった意味では2つの顔を持つというより1つのイメージで統一されています。
もちろん、大人の運転のみを楽しむ方に向けられた車です。
かといって遅いわけでもなく、気合を入れなくても十分の速さは引き出せます。

また、先日に高性能車試乗のススメに記したとおりですが、BMWM6とB6BiTurboのスペックは互角といって良いレベルですが、乗り味は全然違います。

現行M6はサーキットモードとコンフォートモードまでのレンジが相当に広いと思いますが、先代M6と現行B6のいずれとも重なり合う部分はありません。

自分にとってアルピナは一つの到達点のクルマであることが認識できました。

タイミングは別にして必ず乗ろうと思います。

Mモデルとアルピナのどちらを購入するか検討される方は必ず両方とも試乗してみてください。
カタログ数値では分からないクルマの違いが分かるはずです。
私は購入代金に悩んでいますが・・・

<参考>
Alpina B6 BiTurbo
種類 V型8気筒DOHC
総排気量 4,394cc
圧縮比 10.0
最高出力 550PS(5,200-6,250rpm)
最大トルク 74.4kgm(2,800-5,000rpm)
0-100km/h 4.3sec
トランスミッション 8速スポーツAT

BMW M6
種類 V型8気筒DOHC
総排気量 4,394cc
圧縮比 10.0
最高出力 560PS(6,000rpm)
最大トルク 69.3kgm(1,500-5,750rpm)
0-100km/h 4.2sec
トランスミッション 7速M DCT Drivelogic
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Posted at 2013/12/07 21:41:49

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この記事へのコメント

2014年6月17日 22:51
こんばんは.

>そういう設定にしても顔色一つ変えない感じ
実際に試乗してみた今,この表現が良く分かります.
たぶん,僕はこういうことを言いたくてひたすらあんな文章を書いていたような気がします.

ただ,おそらくスポーツプラスにしてDTCをオフにした状態でマニュアルモードを使えば,素性はかなり分かるようにも思いました.その先にはDSCオフがあると思いますが,試乗車では出来ないですね.自分の車で,サーキットで,なのかな.行った事ないですけど笑

そう考えると,やっぱり普通はそこまでしないという意味で,実際に買ってもアルピナは顔色を変えないままオーナーと付き合っていく固体が多いんでしょうね.

やっぱり独特のクルマです.
コメントへの返答
2014年6月17日 23:23
mashowさん、こんばんは。

昔の記事にお付き合いいただきありがとうございました。

エンジンのかかったB6を間近に見てすぐに感じたこと、「本当に550馬力も出る車なの」でした。

今まで見てきた最近のスポーツカーはエンジンがかかった直後に自分の存在を誇示するかのような大きな雄たけびをあげます。
それに比べるとB6は、明らかに拍子抜けでした。

ターボモデルの多くがターボがかかると強面の大きな排気音を出すのに、B6はアクラポビッチ製のマフラーで美しい音を奏でるという方向に舵を切っているような気がします。

おそらく、アルピナ社は性能を誇示するようなことをせず、実用性を重視する思想で車を作っているのではないかと感じています。
性能を表示する各カタログ値もメーカーが保証できる最低限の数値ですといった具合でアナウンスするくらいですから、高性能車を開発する会社としてはユニークだと思います。

我々は車に乗って、これを嗅ぎ取っているのではないでしょうか。

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