
念願の日は遂にやってきました。
営業担当からVanquish Volanteの試乗会があるとメールをもらい、11時から予約を入れていました。
文面をみたときは夢心地で手が痺れました・・・
すべての手の内を見せているので、お客さま扱いされていなかったのでとても嬉しかった!
試乗車は外装がSkyfall Silver、内装はおそらくObsidian BlackでSilverのステッチを使い、フェイシアにはツィルカーボンファイバーというシックないでたちでした。
オプションのカーボンファイバーのドアミラーカバーとサイドストレイクでもっとスポーティーさを出すとさらに格好良いとおもいます。
ただ、これだけでも359,100円アップしてしまいます。
エンジンは、昨年から発売を開始したクーペと同じスペックで、最高出力573ps/6750rpm、最大トルク=63.2kgm/5750rpmを引き出すV12 6ℓDOHCで、0-100km/hで4.1秒となっています。
このエンジンは先日発表されたV12 Vantage Sにも搭載されています。
さて、ドライバーズシートに座ると、着座位置が低くフロントピラーが寝ているので、フロントガラスまでとても遠く感じます。
とりあえず、シートとハンドルを上げて目線を高めに設定しましたが、ボンネットがどのくらい前に張り出しているのかイメージができません。
次は、リアビューミラーを合わせましたが、幌の中央部分に小さな窓があるだけで後方視界はかなり狭くて真後ろしか見えません。
フロントも縦方向の視界が狭くて、慣れるまではちょっと不安です。
ブレーキペダルに足を乗せ、クリスタルキーを差し込み1秒ほど長押しすると、ライオンのようなガォーという咆哮とともにエンジンが目覚めます。
Youtubeで見たときに感動したこの儀式をやっと経験することができました。
簡単に操作の説明を受けて、いざ出発。
ブレーキペダルから足をゆっくりと外すと・・・静かに動き出します。
営業マンのお勧めでいきなりスポーツモードでスタートしましたが、アクセルを少し意識的に踏むと後方から低音が響きます。
先代のフラッグシップモデルであるDBSの官能的なエギゾーストを聞いたことがあったので、アクセル開度に合わせてもっと甲高く音色が変わって響くのかと思っていましたが、予想外に音程の変化は感じませんでした。
DBSより高めの設定とのことですが、室内で聞いている限りは低音のままという印象です。
アクセルを踏み込むとゴロゴロと強面な低音を響かせるところは、BMW M6(F06)と似た印象です。
ノーマルモードに切り替えるとアクセルを軽く踏み込む分にはいきなり低音を吐き出さないので、かなり大人しい印象になります。
スポーツモードだとアクセルを意識的に踏んだ直後から低い轟音が響き渡りますが、ノーマルモードなら轟音が出始めるまで少しの間は排気音が高まるのが楽しめます。
ミッションは6速ATですが、パドルシフトを駆使すればギアチェンジも素早く変化しますし、1回パドルを使うと解除しない限りはマニュアルモードになっているらしく、いなしの入らないマニュアルらしい乗り味が楽しめます。
後で分かったことですが、フェイシアにあるDボタンを押すとオートマモードに戻るそうです。
パドルを使って2速までシフトダウンすれば優雅な雰囲気とはかけ離れた暴力的ともいえる排気音と加速が味わえます。
アストンマーティンはスマートな大人が乗るジェントルな車と思っていましたが、爆発的な排気音を聞いている限りはそうでもないのかもと思い始めました。
折角のVolanteなので、ソフトトップも開けて走ってみました。
風の巻き込みはなく、天気の良い日なら最高です。
Volanteの車両価格は33,762,750円とCoupeの31,494,750円より200万円強高いですが、Coupeならオプション扱いの2+2シートアレンジ(リアシート)が標準なので50万円分は圧縮されています。
ただ、Vanquishのリアシートは狭く、フロントシートを前にしても足がなんとか入る程度。
それから、カーボンルーフにすると36万円になりますが、Volanteならこのオプションの悩みは解消です。
オプション次第で価格差は100万円ちょっとというところ。
トランクはCoupeよりVolanteのほうが若干狭いそうです。
少なくともトランクの手前側両サイドが内側に盛り上がっていてゴルフのキャディーバックを2本入れようとすると長いクラブを抜くとかの工夫が必要になります。
写真にもあるとおり、真横からのスタイリングには惚れ惚れします。
とくに少し濃い目のシルバーであるSkyfall Silverならエッジも目立つし、改めて惹かれていきました。
排気音がもうちょっと官能的なら自分のイメージどおりなのですが・・・
とにかく念願だったVanquishの試乗は果たしたものの、最大の問題はマンションというより一軒家すら買えてしまいそうな3,000万円を遥かに超える車両価格です。
どう考えても買えない・・・F難度の技を繰り出してどうにかならないか。
それと、この車はどこに行くときに乗っていくのだろうか・・・試乗してみて用途を真剣に考えてしまいました。
一方で、今回の試乗の帰り道に限りませんが、愛車のM6を運転していると、この車はリーズナブルでなんて良い車なんだとさらに愛着が湧いてきます。
本当に美しい排気音を奏でます。
ほとんどの人にとっては良くあるBMWであり、あまり目立つことなくどこにでも乗っていけます。
次なる1台を探す旅はまだまだ続きます。