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2021年01月16日

Aston Martin Vanquish Sに初乗り

Aston Martin Vanquish Sに初乗り 待ち焦がれた納車の日、初めてVanquish Sを運転しました。
クルマの操作関係は、何度か試乗させてもらったVanquishと同じなので、走らせるだけなら何とか分かります。
とはいえ、現地の自動車販売店が出庫前に磨きを掛けてくれたおかげでボディに光沢があり、プロテクションフィルムの施工に向けた車両引渡しを翌日に控えていたので、塗装面に傷を付けるわけにはいきません。
そうなると、選択肢としては一般道を静かに走るしかありません。
つまり、初乗りは10kmほど慎重に街中を運転したときの印象となります。



まず、アウタードアハンドルを引いてクルマに乗り込み、ドライバーズシートに腰を下ろすと、アストンマーティン独特のレザーの香りが鼻をくすぐります。
走行距離は119milesと購入時より9miles増え、車両は製造から3年経過している中古車ではありますが、新車に近い状態なのではないでしょうか。



この香りを嗅ぐと、試乗していた頃のVanquishに対する複雑な気持ちを思い出します。
同時に、夢が実現したのだという何とも言えない高揚感に包まれます。
シートはピンとした張りがあり、柔らかく包み込むでもなく、あるいはガッチリとホールドされるでもなく、座面に跳ね返されている感じがします。



こんな印象だったかなあと違和感を抱きつつも、目を正面に向けると狭いと思っていた運転席からの視界が思いのほか開けています。
もともと、アストンマーティンはフロントガラス越しの前方視界の上下幅が狭く、どんなドライビングポジションを取ろうとも縦方向が確保しにくいという印象をもっていました。
しかし、来たるこの日のためにM6の座席を一番低くして正面に目線が向くような姿勢で運転してきた成果なのか、視界は気にせず走れそうです。



エモーショナル・コントロール・ユニットと呼ばれるスマートイグニッションキーをセンターコンソールのスロットルに差し込むと、イグニッションオンになります。



計器パネルや操作パネルにライトが灯り、ポップアップナビが立ち上がるのと併せてダッシュボードの左右からはBang & Olufsenの円形のツイータースピーカーが立ち上がります。



エンジン始動は、ブレーキペダルを踏みながらスロットルに差し込んだイグニッションキーを長めに押し込みます。



始動時のキュキュキュバラァラララというエキゾーストは、猛獣の叫びというより、近くに落雷があったときのような迫力です。



アストンマーティンの現行モデルは、エンジンスタートボタンを押す方式に戻したので、この操作でエンジンを始動するのは一世代前のアストンマーティンだけになります。
サファイアガラスからクリスタルガラスに変わったとはいえ、このイグニッションキーはズッシリとした重量がありますし、落としたり傷つけないようにとか考えると、扱いにくいという声もあったのでしょうか。



サーボトロニックのステアリングは軽くて回しやすいといえば聞こえは良いですが、タイヤの向きが手のひらに伝わってきません。
さらに、街中の交差点を曲がって直進を始めるとき、ステアリングを戻す必要があるので忙しいです。
しかも、舵角が掴めないので、勢いで戻す感じ。



ところが、改めて運転してみると、ステアリングを戻すときの握りかえで平たい部分と円形部分の境目の角が手のひらに当たります。
レザーも薄いわけではないと思いますが、ゴツゴツした硬めの手触り感はあたかもプラスチックみたい。
このステアリングが アストンマーティンのピュアスポーツに分類されるVantageのオプションとして設定されていない意味が分かったような気がしました。



ミッションはZF社のATなので、ブレーキペダルから足を離せばクリープで動き出します。
走り出してすぐに頭に過った乗り味といえば、タイヤに空気を入れ過ぎた自転車で走ったときみたい。
試乗車で掴んでいたはずの乗り味は、地面の凹凸に対してショックで和らげてくれるけど、最後に芯のような硬さを感じるという、アルデンテのスパゲッティのようなイメージです。
Vanquish Sの足回りは、ダンパーやスプリングの設定をしなやかな乗り味を維持しながら走行性能を向上させたと発表されていますが、今まで抱いていた印象とは全くの別物です。



正面の視界は感覚的にクリアしましたが、左右の窓が小さくてやや見にくいです。
死角が多くて交差点や車線変更は気を遣います。
ナーバスになりすぎなのか・・・



スロットルの反応も気難しさを感じます。
オートマモードではシフトチェンジを感じさせずに8速をスムーズに繋ぐので、街中ではペダルの加減だけなります。
しかし、低速の走り出しから少しペダルを踏み込むと、突然、力強くグイッと前進する瞬間が訪れます。
エンジン回転数、車速、ギアの微妙な関係なのか・・・
試乗していたときは興奮気味でチャンスがあれば遠慮なくスロットルを踏み込んでいたので、繊細なタッチを要求する場面の振舞いを見逃してきたのかもしれません。



カーボンセラミックのブレーキも立ち上がりから良く効きます。
こちらも聞こえは良いですが、ペダルにワンタッチしただけで強い制動力が立ち上がり、自分がギクシャクしてしまいます。
流すような低速からのブレーキは難しい。
これも試乗時には感じなかった記憶にない部分です。



何といっても、先つぼみのフロントが車両感覚を妨げて、先端までの距離感が掴めません。
ステアリングを握る手のひらからフロントタイヤの位置がイメージできないからでしょうか。



こういう印象ばかりでは、イマイチだったと読めるかもしれません。
ただ、Vanquishに試乗したときから、ハンドリングも含めてダイレクト感はSMGのE63 M6に軍配が上がることは分かっていたこと。
期待が裏切られたという失望があるわけではありません。



Sバージョンになっても従来のVanquishと変わらなかったという意味で、想定どおりだったといえます。



造形の美しさに心を奪われ、眺めているだけでも幸せになれると思えるこのクルマを運転しているということで十分。



やはり、いつかは手にしたいと思い続けたことは間違いではなかったという確認ができたというのがインプレッションです。



いずれ、アストンマーティンで最後となるであろう自然吸気V12エンジンを少し体感できる高速道路を走らせたときの印象を書きたいと思います。
ブログ一覧 | Vanquish S | クルマ
Posted at 2021/01/16 20:49:54

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この記事へのコメント

2021年1月16日 21:38
こんばんは♪
アストン バンキッシュS御納車おめでとう🎉㊗️御座います。いい響きです♪
一昨年、スーパーカー所有していたくらい車好きだった知人が大人のエスプリを備えたコレを購入したら最後のクルマだと乗り始めて半年後に他界致しました。
既に余命が判っていたという事は、後で知りました。それくらい乗りたかった車なのでしょう!
彼を思いだす、想い出のクルマです。(^。^)
コメントへの返答
2021年1月16日 22:05
こんばんは!

性能も含めてギラギラしたスーパーカーとはちょっと違った魅力があるのがアストンマーティンですかね。
本当はスーパーカーにも乗りたかったのですが、そういう余裕がなかったので・・・
常に高性能なクルマを追い求めるより、優雅なGTカーに乗るほうが性分にあっているかな、と。
それに振り返ったときに後悔したくないという思いもあって決断しました。
経済的に持つならずっと乗っていようと思っています。
2021年1月16日 22:23
渋い。渋すぎる。
この色がアストンのアンダーステイトメントな印象を強くして、より「らしく」感じます。やっぱりアストンはグリーンですね。

細かいことは色々あるのでしょうが、「アストンを手にれた」「自分のアストンに乗っている」感覚って、静かな感動というか、得も言われぬ達成感、喜びなのだろうと思います。

私も頑張ってあとに続きます(笑)。
コメントへの返答
2021年1月16日 23:29
こんばんは。

VanquishのカタログカラーはBridgewater Bronzeでしたよね。
V12 Vanquish、V12 DBSでシルバー系がイメージカラーになりつつあったのに何でこんなに地味な色なのだろう、と。
Skyfall Silverを見たときにはやっぱりと思いましたし、真珠のように輝くMorning Frostも良いなあ、と。
Appletree Greenは今でも夢に出そうですが、この色で良かったという思いは強いです。
アストンだからこそ選べる色です!

8年で1日も忘れなかったと思います。
アストンを持っていられる時間が特別ですね。

///Ivanさんとあれやこれやと盛り上がれる日を楽しみに待っています!
2021年1月16日 22:32
こんばんは。

初走行おめでとうございます。
ラガーあきさんらしいインプレッションでバンキッシュSの癖が判りました。

車を着こなし、癖になれていくのも楽しみですね。
フィルムを貼ったら高速走行ですね。
楽しみが続きますね。
コメントへの返答
2021年1月16日 23:38
こんばんは。

アップが遅れて、ブログが前後してしまいました!
ざっくりと書いていたものを少しブラシュアップしています。
やはり、納車の日は忘れられませんね。

プロテクションフィルムを施工した後、ETCも付けたので高速道路も走れるようになりました。
もうすぐ100milesといった程度なので、まずは運転に慣れないといけませんね。
2021年1月16日 23:04
こんばんは。
興味深く拝見させていただきました。
向き合い方に関して、アストンマーティン独特の作法があるのでしょうか。(足回りは相当に跳ねそうですね。)
わたしもF612に最初に乗った時は面食らいました。しかししばらくしてBMWやポルシェと同じように乗っていたからダメなのだと気付きました。いまでは両手両足を駆使して乗馬しております😇ご参考になれば幸いです😄
コメントへの返答
2021年1月16日 23:51
こんばんは。

足回りは張っている感じですね。
ボディ剛性もあるのかもしれませんが、E63 M6が絶妙に思えてしまいます。

シフトチェンジするよりオートマモードでスロットルを踏み込んでいったほうがスムーズで速いのかも、と思ったりしています。
それに、イタリア車や英国車はドイツ車のように精密な設計ではないのかもしれませんね。
とはいえ、最近のV8ミッドフェラーリは速く走るためにかなり本気モードですが・・・
続きのブログを楽しみにしております。
2021年1月17日 14:45
こんにちは!

バンキッシュS、少年心をくすぐる格好良さがありますよね~!

先日現車を拝見させていただいた際の、私のファーストインプレッシン「心のワクワク感」でした!

その後、舐めるように車を観察、そして同乗させて頂き、ある種の「匂い」を感じました~ 笑

「匂い」とは・・・そうです、以前私が所有していた987ボクスタースパイダーです。
バンキッシュSと比較するのはおこがましいですが。。。両車ともに結構気難しいところあれど、好き者には堪らない逸品なのですよね。

BMWのMは、扱いやすさを基本とした公道のレーシングマシーンですから、やはりユーザーが求める最大公約数的な無難な仕上がりですよね。

翻ってバンキッシュSは、アストンマーティンという高価な車を買うことが出来る、アストンマーティンをこよなく愛する、という非常に限られたユーザーのみのために作られた車ですから、Mとは違って様々なところで独特の味わい(クセ)があるのでしょうね。

そこが、また、バンキッシュSを所有する大きな大きな喜びでもあると思う次第です。。。

距離を気にせずに、ガンガン走らせたい、という気持ちと超希少車ですから丁寧に乗りたい、という気持ちと大きな葛藤があると拝察します。。。
コメントへの返答
2021年1月17日 20:59
こんばんは。

気になるスーパーカーは色々とありますが、最も美しさを感させるクルマはVanquish。
デザインには黄金比が多用されているそうです。

性能に目が向くと、アストンマーティンは選択肢に入ってこないと思います。
フェラーリやランボルギーニ、ポルシェ、マクラーレンには太刀打ちできません。
4WDにして走行性能を上げてきた現行Mモデルにも・・・
そういう意味では、完全に嗜好品の世界のクルマだと思います。

アストンマーティンのラインナップの中ではVanquishは普通のクルマと認識しています。
先代モデルの中では、V8Vantageはもっと嗜好性がありますし、あのボディにV12エンジンを搭載したV12Vantageに至っては・・・

自動車ジャーナリストの中ではV8モデルの評価が高いようですが、他のメーカーにはないV12が孤高な存在で最も嗜好性があると思います。
しかも、現行ラインナップに後継モデルが見当たりません。
MTの設定もあるので、探してみてはいかがでしょう。

117クーペやM6にも所有する歓びはあります。
運転していても楽しいし、最高だな、と。
その点、大きな決断をしてやっとの思いで手にしたVanquishは格別なのかもしれません。

大きなガレージのある家に住めれば最高なのでしょうね。
クルマを並べられれば、眺めているだけで幸せになれる。
それが許されないので、偶に眺める、そして運転するということで楽しんでいます。
E63 M6のときは嬉しくて夜に首都高を流して走ったりしていましたが、今はステアリングを握らないととならない気持ちがあります。
2021年1月17日 23:23
こんばんは。

Vanquish S納車おめでとうございます。
この車、今時のスーパーなクルマと比べると外観はギラツキ感なくスッキリスマート、しかし異様なまでの存在感がありますね。
内装は更にスッキリしていると感じます。最近はやたらとLEDパネル並べたりスウィッチ類を所構わず並べているごちゃごちゃしている車が多い中、とても好印象です。

特別な車であればある程、試乗時と実際手に入れて乗った印象の違いってありますよね~
そんな車を初めて試乗する時って結構舞い上がってたりしますからね。私も経験あります!

この走行距離だと車の慣らしも必要ですが、まずは人間の慣らしも必要ですね。
コメントへの返答
2021年1月18日 12:46
こんにちは。

オリジナルのVanquishはもっと流麗です!
Sバージョンはエアロダイナミクスを見直したことにより、フロントスプリッターをGTカーを模した形状にしたり、リアディフューザーにフィンを追加したり、マフラーを2本出しから4本出しにしたりと少しゴッツイ印象になっています。
フェイシアもスッキリしていますね。
タッチパネルはガラスを使っているそうです!

試乗のときはどんなものなのか試してみようと気負っていたと思います。
アルピニストさんの試乗記みたいに・・・
そして、帰路はM6は良い車じゃないと、思ったりして。

やっぱり、ドキドキ感を残しているほうが良いですかね。
2021年2月25日 21:06
ラガーあきさん おそまきながら
「眺めているだけでも幸せになれる」
この一言がすべてを物語ってます(笑)
楽しいカーライフを!!!
コメントへの返答
2021年2月25日 21:35
↑daidai↑さん、ありがとうございます。
E63M6だって眺めていたら幸せを感じることありますよ!
デザインもナカナカだし、V10エンジンを載せた良いGTカーだな、と。
でも、BMWだから目立つこともなく、肩肘張らずに普段乗りができるけれど、特別な何かを見失いがちになります。
元オーナーさまだから分かりますよね!
だから、Vanquishは毎週のように充電しては眺めています。
Chiltern Greenも正解のようです。
これからやってくる自動車税の納税通知書が怖いですね。

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ビルの合間から見える東京タワーに向かって頑張れ〜、と応援したくなる不思議な気持ち。
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