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2014年10月04日 イイね!

試乗記 Aston Martin V8 Vantage N430 Special Edition

試乗記 Aston Martin V8 Vantage N430 Special EditionV8 Vantage N430に試乗してきました。

といっても、どんなクルマなのだろうという方もいるかもしれませんので、最初にアストンマーティンのラインナップとともに簡単に復習しておきます。

まず、アストンマーティンのラインナップは大きく分けると、2シーター、2+2、4シーターと3種類に分けられます。
2シーターのスポーツカーにVantage、2+2のGTカーにDB9とVanquish、4シーターの4ドアクーペにRapidです。

さらに、今回試乗した2シーターのVantageに目を向けると、エンジンがV8とV12が搭載されているモデルが準備されています。
V12モデルをみると、V12 VantageをリファインしたV12 Vantage Sがリリースされており、sportshiftⅢという7速セミATのミッションにフラグシップのVanquishのエンジンを搭載したAston Martinのラインナップとしては最強のクルマです。
最近になって、オープンモデルのRoadsterがリリースされています。
V12 Vantage Sは試乗記があるので、興味がある方はご覧ください。
一方、V8モデルに目を向けるとラインナップは豊富です。まず、ボディがクローズかオープンかによりCoupeとRoadsterに分かれます。それから、ミッションが7速セミATのsportshiftⅡか6速MTに分かれます。
つまり、ベースとして2×2=4種類のモデルが存在します。
これらの組み合わせは、エンジンの出力で426ps/48.0kgmのVantageと436ps/50.0kgmのVantage Sに分かれるので全部で8種類です。

V8 Vantage N430についてはここからが本題です。

VantageとVantage Sの車両価格は200万円強の開きがあります。もちろん、(細かくは存じませんが)Vantage SよりVantage のほうが標準装備は上ですが、性能差を考えると200万円強の価格差のあるVantage Sにはなかなか手が伸びません。

そこで登場するのがV8 Vantage N430です。
Vantageに比べて車両価格で73万円ほど高いですが、約280万円相当のメーカーオプションが組み込まれ、しかもVantage S の436ps/50.0kgm のエンジンが搭載されています。
ただし、ボディカラーはマリアナブルー、アローログリーン、スカイフォールシルバー、ジェットブラック、スピードウェイホワイトの5色から選び、アクセントとしてグリル・サラウンド、ミラー・キャップ、ディフューザー・ブレード、ルーフラインに、それぞれレッド、イエロー、ホワイト、マットブラック、レッドを組合すことができます。
タイトル画像にある今回の試乗車、はアローログリーンにイエローのモデルです。
色の制約はあるものの、Aston Martinとしてはかなりお買得のモデルを準備したのだと思います。
それでも、乗り出しは1,800万円位だそうです。

さて、そろそろ試乗した印象を記していきます。

まずは、アストンマーティンの儀式である、クリスタルキーをセンターコンソールの上部中央にある差込口に指で長めに差し込みエンジンを始動させます。
最近はプッシュボタンでエンジン始動させるのが主流となり、キーを差し込む行為は旧態化してしまいましたが、アストンマーティンのそれはちょっと違うと思います。
まるでミステリーを解明して秘密の差込口にキーを差込むと、咆哮とともにエンジンが始動して、パネル類にライトが点り、そしてセンターコンソールに隠れていたナビ画面が立ち上がる、ついに神秘の機械が稼働を始めたかのような錯覚を思えます。
初めてこの儀式を行ったときは、名探偵の主人公になったような感動を味わえます。



アルカンターラのステアリングはさらっとしていて触り心地が良いです。
早速、始動させようと運転席の右下にあるサイドブレーキを解除してセンターコンソールにあるDボタンを押してブレーキペダルから足を外しますが、前に進みません。
そう、試乗車はセミATなのでATモードで走るにしてもアクセルペダルを踏まないと前に進みません。

どんなクルマを試乗するときでも、この瞬間が最もナーバスになります。
AT車ならブレーキペダルから足を外せばクリープで前に進むので、アクセルペダルに少しずつ力を入れればレスポンスの加減が掴めますが、セミAT車の場合はどれくらい力加減に対してどれくらいの反応を示すのか予想する機会がありません。
さらに困ったことに、このV8 Vantage N430のアクセルペダルはかなり硬いです。おっかなびっくりペダルに力を加えても動き出しません。敢えていうと油が差していない動きが硬くなったスロットルペダルというイメージですかね。
少し勇気を出してペダルを押し込むとようやく動き出します。アストンマーティンは着座位置が低いこともあり、アクセルペダルを上から押さえるというより奥に押し込む感じです。この足の使い方が慣れないのも硬さを感じる原因として挙げられると思います。

硬さに関していえば、ステアリングもしかり。いきなり低速で細い道から出るにはステアリングが硬くて動かしにくい。さらに足回りもかなりしっかりしていて、低速でも凸凹のある路面の状況をクルマ全体でしっかりと伝えてきます。ボディ剛性の強さを強調している感じです。良くソリッドな印象という言葉を耳にしますが、まさしくそんな雰囲気だと思います。
こういう部分はスペックでは圧倒的に上のV12 Vantage Sのほうがマイルドでとっつきやすいです。ある意味、V8 Vantage N430はアストンマーティンの中で最もスポーツカーの雰囲気を楽しめるクルマなのかもしれません。

やっと大きな道路にたどり着き、アクセルを少し強く踏むと、アストンマーティンの心地よいエキゾーストが聞こえてきました。
最初はATモードで走り始めましたが、ギアチェンジも小気味良く決まって運転していて楽しいです。速度が出始めるとハンドルの重さは気にならなくなりましたが、アクセルの硬さと足回りの硬さは依然として伝わるので、すごくスパルタンなクルマに乗っている気がします。
もっと強くスロットルを踏み込んで加速すると、速さというよりゴツゴツした乗り心地とアストンマーティン独特のエキゾーストでちょっとエキサイトします。もちろん、一般道なので楽しむのは出だしだけですが。
ちなみに、0-100km/hは4.8秒と公表されているくらいなので、とてつもない加速が味わえるというレベルではありません。このあたりは3.9秒とV12 Vantage Sがかなり上です。

後になって気がついたのですが、ノーマルモードだとエンジン回転数がリミッターにあたると自動的にシフトアップしてくれるのでエンジン回転数を気にせず走ることは可能ですが、スポーツモードだとシフトが固定されているのでリミッターにあたると失速してしまいます。
コツはメーターパネル中央上部に表示されるシフトポジションの数字がリミッターに近づくと赤く表示されるので、そのタイミングでシフトアップすることです。
M6のようなヘッドアップディスプレイがあればと頭を過ぎりましたが、V8 Vantage N430の運転席からは目線の正面近くにこのメーターパネル中央上部がくるので少し慣れればシフトアップのコツをつかむのは難しいことではなさそうです。

もう少しいえば、それだけ普段運転しているM6は上から目線を見下ろすように設計されていて、日常の運転はしやすくなっているといえます。その分、メーターパネルを見ようとすると目線を大きく下に動かさないとならないので、キビキビと運転したいときはヘッドアップディスプレイが大きな助けになります。
一方、V8 Vantage N430は着座位置が低くて目線が平行なのでメーターパネルも自然と視界の中に入れやすく、ヘッドアップディスプレイがあるとむしろ正面が見にくくなるので不要といえます。

スポーツモードとノーマルモードと何度か切り替えをしながら走行してみましたが、スポーツモードのほうが動きはスムーズです。速いとか力強いというよりアクセルに合わせてスムーズに滑っていく感じ。

たった15分ほどの短い試乗でしたが、予め試乗コースも分かっていたので、どこでどう運転するかをある程度計算して走りました。
パドルを使って2速から5速でギアチェンジしながら走りましたが、硬いボディー剛性のスポーツカーに運転している感じが伝わってきて本当に楽しい。
インテリアはレザー、アルカンターラ、カーボンファイバーで上手くまとめられており、ステッチのイエローがとても映えて高級感は十分です。
その中でも、アルカンターラにイエローのN430とロゴの入ったスポーツシートは、アストンマーティンがスポーツカーとしての楽しむためにこのモデルに込めた思いの一端なのかと今更ながらに気付いた次第です。

アストンマーティンの中ではエントリーモデルの位置づけかもしれませんが、本気度がとても伝わってくるクルマでした。

ここまで、長い試乗記にお付き合いいただきありがとうございました。
Posted at 2014/10/05 00:51:38 | コメント(4) | トラックバック(0) | 試乗記 | クルマ

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