先週のBMW i3に続いて試乗です。
アクセルを踏んだだけ加速するという単純明快なクルマに試乗するとすれば、次はこのクルマです。
もちろん、動力性能だけでみれば数段上です。
9月から右ハンドルもリリースされたとのことで、試乗車も右ハンドルです。
試乗したのはソリッドの白ですが、タイトル画像にあるグリーンメタリックのModel Sが気に入りました。
Model Sはバッテリー容量と出力で3モデルあり、航続距離や動力性能に違いがあります。
試乗車はP85と呼ばれる最上級モデルです。
最大出力:422ps/5,0000-6,700rpm
最大トルク:61.2kgm/0-5,100rpm
0-100km/h:4.4秒
最高速:210km/h
航続距離:502km
車両価格は1,082万円ですが、オプションを乗せると乗り出しで1,200万円くらいになると思います。
ドアハンドルはボディーに格納されているので見た目がアストンマーティンみたいにすっきりとしています。キーをもって近づくとドアハンドルが出てきます。
車内は広々としていて、リアシートも足回りが十分に確保されています。
標準は5名乗りですが、オプションで3列シートの7名乗りにできます。
トランク床下にリアシートに背中合わせで2名座れるシートが収納できるのです。
さすがにこのシートはお子さま用です。ハッチバックなので眺めは悪くないでしょうが、後方車と顔合わせになるので居心地が良いのかどうか。少なくとも、後方車のドライバーは運転しにくいでしょうね。
シートやルーフはオプションで革張りにしてあるので、車内は高級車にある革の香りが漂っています。
ガラス製のルーフもオプションとなりますが、試乗車には付いていました。
ただ、ダッシュボードやドアのアッパーパネルは革張りではないので残念。
また、シフトノブがないおかげでセンターコンソールが前後に広く、荷物置き場にするには便利ですが、ひじ掛けが後方すぎて軽自動車みたいな寂しさがあります。
アッパーミドルのセダンで勝負しようとすると、1,000万円超のクラスとしては全体感としては少し質感で見劣りすると思います。
さて、ハンドル右にシフトノブを下方に動かすとDに入ります。
ブレーキペダルから足を外してアクセルペダルでスタートです。
今回も試乗は15分ほど。
でも、センターコンソールにある17インチ液晶のタッチパネルを使って試乗コースを予め教えてくれましたし、この信号が変わったらアクセル踏んでみてくださいとかアドバイスしてもらえるので、加速感は味わえました。
しかし、都内では踏める瞬間が短いです。
体感として強烈な印象が残ったのは、電気自動車に初めて乗った前回のi3かもしれません。
サスペンションの硬さや回生ブレーキの利かせ方もタッチパネルで強弱の設定が可能です。
都内なら回生ブレーキを強く効かせる設定にして、アクセルを踏める機会があれば踏んであとは惰性に任せるという運転も良いかもしれません。
スポーツ走行にするとサスペンションが数センチ下がってハンドルも重くなるらしい。
ハンドルだけでいうと違和感はありませんでした。
液晶モニターの明るさ、12個のスピーカーの音量など色々な設定がタッチパネルで操作できるのですが、どの設定にするのかゲーム感覚ですね。
試乗中に営業マンが色々と説明しながら設定を変えてくれましたが、覚えきらずにほぼ上の空です。
いずれにしても、全長5mに迫るボディーや2t以上の重量を物ともせずに運転できます。
前後の重量比も48:52と理想的ですし、ハンドルを切っていて気になる瞬間はありませんでした。
官能的なエキゾーストもありませんし、普通に運転ができるので印象がちょっと薄いです。
逆にいえば、それだけクセがなく簡単に運転ができてしまいます。
アクセルとブレーキだけ、ギアチェンジも不要でアクセルを踏めばきちんとその応えが返ってくる。
慣れなかったのが方向指示器がハンドル左に伸びた2本のシフトの下側ということ。
メルセデスベンツと共通の部品らしく、メルセデスベンツに乗っている方は親近感が湧くそうですが、BMW乗りは苦戦するそうです。
今回も動画を見つけました。
Tesla Model S と BMW M5(F10)の0-400mです。
念のためですが、M5の0-100km/h加速はModel Sと同じ4.4秒です。
http://www.youtube.com/watch?v=vvHTN0Yi1t4
予想どおり、Model Sが先行してM5が追いかける展開。
M5は出だしでホイルスピンしてシフトアップも決まらなかったようにも見えますが、最高の技量のある方が最高のパフォーマンスをしないとスペック通りのパフォーマンスが出ないというのでは机上の数値にすぎないと言えなくもないですし。
ちなみに、P85に161万円のオプションでデュアルモーターパフォーマンスという四輪駆動モデルP85Dにすると、P85に搭載されている350KWの後輪モーターに165KWの前輪モーターが追加され、動力性能は0-100km/h加速が3.4秒、最高速が250km/hとなります。
とにかく、電気自動車がガソリン自動車の性能を凌駕していくのはそう遠くないと思います。
そうなると、ガソリン自動車の残されているのはエンジンの迫力なのでしょうか。
特に、多気筒エンジンのエキゾーストは好きな人にはたまらない。
とはいっても、環境対策でダウンサイジングが主流です。
ちょっと寂しい気がしてきます。
この会社のスタッフの応対は丁寧ですが、かなり割り切っている印象です。
試乗したいと申し出れば、枠に空きがあれば運転できます。
まだ試乗されていない方はチャレンジしてはどうでしょう。
最後に余談です。
契約駐車場は向いのビル地下3階にあります。
地下2階は一般車両として使えますが、地下3階は専用のカードがないと入れません。
案内されたときは使い勝手が悪いなあと思いましたが、行ってみてびっくり。
ここは一見の価値ありです。
写真部の方なら抜け出すのに3時間以上はかかるかも…
ロールス・ロイス、フェラーリ、ランボルギーニ、ベントレー、アストンマーティンなどの超高級車が勢ぞろいしています。
3台1区画になっていますが、ファントム、ガヤルド、458が3台並んでいる区画もありました。
ちなみに、ロールス・ロイスは4台がファントム、1台がシルバークラウド。フェラーリは6~7台止まっていましたが、すべて458。アストンマーティンはDBSヴォランテ。
ブガッティも停まっているらしいですが、お会いできませんでした。