
前編は国産車を中心に取り上げたので、後編は欧州車にフォーカスします。
小学校に入学した頃、親にスーパーカーの展示会に連れていってもらい、ランボルギーニ、フェラーリ、ポルシェ、ランチャ・・・と広場に止められたクルマを憧憬の念を抱きながら見ていた記憶があります。
スーパーカーは走るために造られたクルマという枠組みから超越しており、日常からかけ離れた憧れの世界に存在するものだったと思います。
日本が当時よりも経済的に豊かになったことの証なのか、日常において超高級車を見かける機会は増えましたが、それでも当時のスーパーカーと巡り逢うことはまずありません。
ところが、この旧車会に来れば、かなりの確率で512BBに遭うことができます。
このクルマを見るたびに、カウンタックLP400の300km/hに対し、512BBの302km/hという最高速の競争を思い出します。
クルマはともかく、運転免許すら持っていないのに、どっちが凄いクルマなのかという論争をするときの指標の一つだった気がします。
実車のスペックや実測から最高速は270km/hほどと言われたりしますが、そんな事実を突きつけられたところで当時のスーパーカーの魅力が変わるわけではありません。
正直なところ、格好良いフェラーリの原型がこのクルマで育まれたこともあり、最近のモデルにはなかなか馴染めません。
このクルマのオーラはどこからくるのでしょうか。
最新のスポーツカーをも打ち負かす走行性能が備わっていると言われれば、当然のようにも思えてしまいます。
白いF40を初めてみましたが、迫力満点のこのクルマが高貴にも見えます。
この逆スラントノーズのフロントマスクが何とも言えません。
当時、実家の近くに6シリーズに乗っている方がおり、うちにも6シリーズが来ないかなあと。
もし、実現していたら、私は今ごろE24とE63の6シリーズ2台体制になっていたのでしょうか。
今でもこのクルマに乗りたくなることがあります。
サイドウィンドウが大きく、室内にたくさんの光を取り込み、明るく快適な空間を予感させます。
センターからの2本出しも質実に見えます。
両親の中ではXJ-Sが1番人気だったようです。
もちろん、父親は現実を見極めていたので、購入は考えたこともないと言っていましたが、母親は強く望んでいたようです。
小学生の私にはこのクルマの良さが全く分からなくて・・・
久しぶりに実車を目の当たりにすると、味があって何ともいえません。
外装色のメタリックグリーンも渋みがある良い色で、ジャガーの高級車クーペをさらに引き立ているように見えます。
そう感じるのは、両親の血を引いているからでしょうか。
いわゆる2桁ナンバーだったので、オーナーさんはこのクルマを長く維持して乗られているのでしょう。
凄いという一言に尽きます。
この日は、
ケンケン1028さんと奥さまにご挨拶するという大きなイベントが控えていました。
コメント欄に気の赴くままに好き勝手なことを書き込んでいたので、人物像に興味を持たれてしまったみたい・・・
ドライブシャフトの交換が終わった
あっちゃん(Alpina B3)を迎えに行く途中に、
えっちゃん(Audi RS4)で大黒PAに立ち寄ってもらい、お会いするという段取りです。
ご挨拶して、少し話をするとお人柄というのがにじみ出てきます。
研究熱心で一途なケンケンさんに、やるべきことを一つ一つ確実にこなしていく奥さま。
ご夫婦でクルマに、ゴルフにと同じ方向を向いて充実した生活を過ごされていることが伝わってきました。
お別れに際して不覚を取ってしまい、えっちゃんにご挨拶するのを失念してしまいました。
そのうち、ドライビングレンジでご一緒にという構想は実現するでしょうか。
折角なので、お別れした後にもう少し見ていこうと。
真っ赤なE-Typeのスパイダーと聞いただけでもオシャレな感じです。
お隣のスペースにはトヨタS800が止まっていたのですが、ほぼ同年代に販売されていた2台の対比はとても興味深いものでした。
ブルーメタリックのあまりの美しさに目を奪われました。
クルマの名前は・・・
Yagi911さんのブログでシムカ1200Sであることを知りました。
調べてみると、このクルマは何とジウジアーロの設計。
良く見れば、ルーフからリアウィンドへのラインの流れ、トランクリッドへの繋がりやリアエンドの曲線、リアのサイドパネルの曲面などは117クーペに通じるものがあります。
真っ黒なMP4-12Cは珍しいと近づいて見ました。
遠目に見たときは全てブラックの塗装で統一したのだろうと思っていたのですが、カーボンパネルが多様されています。
リアディフューザー、リアウィング、エンジンカバー、サイドエアインテーク、フェンダーミラーキャップ、・・・
サイドエアインテークにはMSOを表すロゴがあります。
フロントスポイラーの形状が通常のモデルと異なるので、締まった表情にみえます。
もちろんMSOで手掛けた専用のカーボンパネルです。
フロントガラスの上部にはマクラーレンのステッカーが貼られています。
このクルマは、クーペとスパイダーでそれぞれ50台限定の40周年記念モデルのようです。
格好良いホイールもMSOのようです。
このクルマを見ていると、あまりの魅力に暗黒面(ダークサイド)に取り込まれそうになります。
自然吸気の6.0ℓ V12エンジンを搭載するヴァンキッシュSです。
こちらもフルオプションといえるくらい、たくさんのオプションが盛られていることが見て取れます。
アストンマーティンは、一昨年の11月に従来のヴァンキッシュを進化させたヴァンキッシュSを発表しましたが、その僅か1年後に世界限定175台のアルティメットを発表して生産打ち切りとなりました。
この流れるような美しいリアの造形がヴァンキッシュの大きな特長ではないでしょうか。
テールパイプもヴァンキッシュSになって4本出しになりました。
リア・ディフューザーにグラフィック・ペイントできるのはヴァンキッシュSのオプションです。
フロント・スプリッターとサイド・シルにも同色のペイントが施されます。
アストンマーティン特有の乾いたエンジン音を奏でる最後のモデルかと思うと残念でなりません。
当初の6速ATモデル、8速ATモデル、Sの8速ATモデルとそれぞれ音質が異なり、ヴァンキッシュSは自然吸気のV12エンジンの特性を十分に生かしたスポーティーな音を奏でています。
色々と格好良いクルマを見てきましたが、この117クーペのリアも負けていません。
オーナーからの贔屓目でいえば、ジウジアーロが設計した流麗なデザインのクルマとしては完成形に近いのではないかと思っています。
次の旧車会ではどんな名車に出逢えるか楽しみです。