
今日は営業マンの粋な計らいで2台も試乗できました。
まずはお願いしていたQuattroporte GTSを試乗。
水曜日の展覧会で実車を見ていたので、左ハンドルでフルサイズのセダンを前にこんなに大きい車を公道できちんと運転することができるのかと気後れ気味でしたが、焦らずにゆっくりと着座位置をセットして基本的な操作を確認した後にブレーキペダルから足を離すとクリープして静かに動き出しました。
細かなアクセルワークをせずに動き出したことで気持ちが少し楽になり、行けそうな気持ちに切り替わりました。
ショールームの駐車場から公道に出て、アクセルを意識的に踏み込んでみると室内に重低音が響きます。
もう少し刺激的にとシフトをスポーツモードに切り替えると、今度はアクセルを軽く踏むだけで排気音がかなり高まるのが分かります。
もちろん、3.8ℓツインターボエンジンで2tを超える巨大な車体も力強く加速させてしまいます。
やはり、最高出力530ps/6,800rpm、最大トルク72.4kgm/3,500rpmとされるエンジンは伊達ではありません。
試乗コースは一般道のみでしたが、大型の高級セダンの中でも排気音が大きな魅力になるのはとても良くわかりました。
試乗車にはフロントパネルやシフトレバー周りが切り出しのウッドパネルが使われおり、革張りの内装と合間って高級感が漂っています。
乗り込んだとき、とても良い革の香りが漂っていたことを思い出します。
フルサイズのセダンの運転席に座るのであれば、ドイツ車より楽しめると思います。
それに、マセラティと分かるスポーティーな顔もこのセダンの魅力ではないでしょうか。
試乗を終えて感想戦をしていたときに、クーペが好きなので、グランツーリスモの排気音だけでも聞きたいという話になり、エンジンを掛けてもらえることに。
アクセルを軽く踏んでもらうとかなり大きな排気音を出します。
これだけでもショールームの近隣に住む住人には迷惑だと思います。
折角なのでアクセルを踏んでみてはと進められ、調子に乗ってドライバーズシートに座って着座位置を合わせていざペダルを踏み込んでみると・・・
3,000回転ほどで少し甲高いカッコ良い排気音が響き渡り、アクセルの踏み込みに合わせてこの音が出せる歓びを感じました。
そうこうしていると、営業マンから試乗もできますよとの一声。
ボディサイズの大きい左ハンドルのセダンを運転した直後なので、もう怖いものはありません。
やはり、同じ左ハンドルでも、ボディサイズがひと回り小さく車高が低いグランツーリスモのほうが安心感があります。
試乗コースも2週目でどのタイミングでアクセルが踏めるか少し要領を掴めたので、最初からスポーツモードに切り替え。
さらに、排気音を楽しもうとマニュアルモードに切り替えると、街中を2速・3速で2,000回転で流してもアクセルのちょっとした踏み込みに対しても排気音が響き渡ります。
広いバイパスに出たところでフルスロットルにすると、美しい音色の排気音を思いっ切り奏でてくれます。高回転まで引っ張ろうとレブリミットの直前でシフトアップを試みましたが、一瞬遅くて当たってしまいました。
ギリギリでシフトアップするには少しコツが必要なようです。
クアトロポルテはセダンなので、変速時にスロットルと排気音がズレてもマイルドな乗り心地と割り切れますが、グランツーリスモに乗っているとスポーティーな走りを求めてしまうのでオートマティックでいなしの入ったスムーズな乗り心地に少し違和感は残りました。
もちろん、その違和感は美しい排気音でかなり埋まりますが、私にはエンジン回転数と排気音にダイレクト感の出るセミオートマのほうが良さそうな気がします。
その他、違和感を記しておきます。
まず、ブレーキペダルの位置ですが、クワトロポルテではもう少し奥、グランツーリスモではもう少し右にあるほうが踏みやすいと思いました。
乗り続ければ慣れるかもしれませんが、アクセルペダルからブレーキペダルに足を移すとき、自分のイメージの場所にブレーキペダルがなくて右足が少し探しにいってしまいます。
もう一点が着座位置。
クワトロポルテはセダンで車高もあるので視野も広くてほとんど気になりませんでしたが、グランツーリスモは着座位置が低いうえにフロントタイヤのあたりのボンネットが盛り上がっていたり、ルーフが上から被さったりと上下の視界に制約を受けるうえ、左のフロントピラーも邪魔で視界が狭く感じます。
シートを上方に動かし背もたれを立てることで視点を高くして違和感を消し去ろうとしました。
ただ、右ハンドルをチョイスすれば左のピラーは気にならないはずで、邪魔に感じたのは右ハンドルを運転しているときの目線の向きになっていることが原因なのかもしれません。
さらに、着座位置を上げて背もたれを立てたこともあり、リアビューミラーが顔に近くて見ようとすると目線の動きが大きくなってしまうので後方は気にせず走ることにしましたが、これもハンドルの左右で目線の動かし方が違うことからくるものかもしれません。
先代M6に初めて乗ったときは、そのような違和感はなかったです。
やはり、グランツーリスモのほうが運転していてぼってりとしたボディーの大きさも感じます。
その分は後部座席も大人が普通に座れるほど広いという利点にも繋がっているので、GTカーという観点で考えれば許容できると思います。
機会があれば、右ハンドルのセミオートマも運転してみたい・・・
私にとって、現行M6クーペより運転していて楽しい車であることは確か。
この試乗車と同じカラーで、中は豪華にベージュの革張りにしたい!
しかし、新車は高くて買えそうにありません。