
大黒ふ頭PAを後にするところからの話です。
オープンカーを折角シェアしたこともあり、このまま帰路につくのももったいないと辰巳PAに寄り道することにします。
もちろん、定番の角度からの写真を収めることを念頭に置いています。
何枚か撮ってみましたが、夜景と比べると何とも味気ない写真しか撮れません。
どんよりした空にシルバーの外装色が溶け込んでしまったのも不運というほかはありません。
シートは落ち着いた赤です。
オープンカーに乗りたいけれど、人目を惹きたくはない。
でも、ルーフを開けたときにお洒落に纏まっているクルマではあってほしい。
そんな方への模範例といえると思います。
この先代モデルSLK350はブレーキもしっかりと効くし、床までアクセルを踏めば相当な加速もします。もう少しトルクがあるとリアタイヤが滑るかもしれませんが、そこまでの暴力的な加速の手前という感じでアクセルは安心して踏めます。
そして、エキゾーストも3,000rpmを超えたあたりから弦楽器を聞いているような官能的な音に変わり、エンジンを回す醍醐味もあります。
数少ない不満といえば、ステアリングを切ってコーナーを曲がっているときの戻りが強いのと、高速走行時にステアリングがもう少し重くなって欲しいということくらい。
製造から10年以上は経過していますが、新車価格750万円のクルマが中古で150万円~200万円で買えるとなるとお買い得な感じがします。
顔見知りの方もいないので、欲しかった構図の写真も収めたことだし撤収しようと考えていたところ、Alfa Romeo 8C Competizioneが駐車スペースに入ってきました。
世界限定500台、うち日本には67台が割り当てられたようです。
エンジンは、4,691ccのV型8気筒DOHCです。
最高出力:450 ps /7,000rpm
最大トルク:48.9kgm/4,750rpm
0-100km/h:4.5秒
最高速:290km/h
スペックを見る限り、Maserati GranTurismoに搭載されたエンジンのベースになっているのではないでしょうか。
回せば良い音がするはずですが、意外に静かに走ってきたので注目度は高くありませんでした。
Alfa Romeoはお洒落なデザインを纏ったイタリア車という印象ですが、このサイドからの眺めはフラグシップというだけあって秀逸ですね。
BMWの中では妖艶な印象のあるE63 6Seriesといえども、8C Competizioneと並べるとスタイリッシュに見えてしまうのかもしれません。
このクルマが入ってきたとき、辰巳PAにいた誰もが注目しました。
どこに止まるのかと目で追っかけると、後方視界を確認するためにドライバーがシザースドアを開けて半身を乗り出して8C Competizioneの隣のスペースに「カウンタック・リバース」で滑り込みます。
もう、皆さんがクルマの周りに集まってきて注目の的です。
リアのエンブレムから判断すると、1985年から製造されたCountach 5000 Quattro Valvoleのようです。
エンジンは、5,167ccのV型12気筒DOHCです。
最高出力:455 ps /7,000rpm
最大トルク:51.0kgm/5,200rpm
0-100km/h:4.8秒
最高速:295km/h
スーパーカーブームを過ごした世代にとってCountachは憧れの存在なので、走行性能を記すのは夢を壊すようで少し気が引けます。
ただ、隣に止まっている20年以上も新しい高性能スポーツカーとほぼ同等の性能であることを考えると、発売当時はかなり先進的な性能を持っていたともいえると思います。
カメラに収めた写真の中では最もCountachらしく写っていています。
この辰巳PAに到着したころは、大黒ふ頭PAで凄いクルマをたくさん見てきて満足感に満ちていましたし、場内には僅かに20台ほどで目を見張るクルマはいなかったので安らかな気分でしたが、この2台をきっかけに何だか楽しくなってしまって他のクルマにも目を向けます。
現行911はどこからみても流れるような美しいデザインを纏っていますね。
GT3は大黒ふ頭PAに4台、辰巳PAに2台も止まっていました。
軽く2,000万円を超える高性能スポーツカーがあまり珍しくないというのも凄いことです。
ニュルブルクリンク北コース7分25秒という性能を楽しむためにはサーキットしかありません。
黄色いキャリパーなので近づいてみると、このオプションだけで軽自動車が買えるほど高価なカーボンブレーキでした。
さらに散策していると遂に真打ちが登場しました。
辰巳PA内はCountachが入ってきたときの興奮に再び包まれます。
限定918台を完売しているようですが、918SpyderはPorscheの最高峰モデルと言って良いでしょう。
このクルマが2013年に打ち立てたニュルブルクリンク北コース6分57秒という驚異的な記録は市販車両で最速のものです。
ほぼ同時期にNissan GT-R Nismoがレーシングドライバーと組んで7分8秒という好記録を出したとき民放のニュースに取り上げられていましたね。
918Spyderは平均的に7分フラットで走り切る力は十分にあるとのこと。もちろん、軽く車両価格が1億円を超えるクルマですから、1,500万円のGT-R Nismoと比べるのが適切なのかわかりませんが…
最近でいうと、昨年にLamborghini Aventador LP750-4 SVが6分59秒と記録を残し、918Spyderに肉薄しています。
凄いところからエキゾーストパイプが顔をのぞかせています。
片方二本出しより左右両出しが良いとか、4本出しのほうが格好良いという次元を超越してしまった感じ。
上手く写り込んでおりませんが、エンジンルームは金色のような色も見えて高性能マシーンが収められている雰囲気が伝わってきます。
918Spydeには標準モデルより軽量化され走行性能を高めたWeissach Packegeというモデルが存在しますが、残念なことにこのクルマがそのどちらなのか見分ける知識を持ち合わせておりません。
どちらのモデルもプラグインハイブリッド車です。
エンジンは、4,593ccのV型8気筒DOHCです。
最高出力:887 ps /8,500rpm(エンジン出力:608ps、モーター出力:286ps)
最大トルク:130.5kgm/6,700rpm
0-100km/h:2.6秒(標準モデルは2.8秒)
最高速:345km/h
ブレーキキャリパーは、ポルシェのハイブリッドカーであることの証である蛍光の黄色です。
ただ、当然のことながらカーボンブレーキです。
最近の超高性能スポーツカーとしてはタイヤに少し厚みがあるように見えます。
フロントが265/35R20、リアが325/30R21です。
右側のフューエルタンクキャップには「E-POWER」と刻印されています。
左側のフューエルタンクキャップには「FUEL」と刻印されています。
カーボンのルーフはM6と同じですと言いたいところですが、オープンにできるのが羨ましくて。
一番のお気に入りの角度はここからです。
写真や動画では見たことがありましたが、実車を見た瞬間に格好良いと思ったのは久しぶりです。
991とCaymanのどちらにも通じる中間的なデザインとも思いましたが、両方の良さを兼ね備えています。
リアへ流れるラインはデザイン的にもバランスがとれていて、格好良さという点で非の打ちどころがありません。
ハイな気分になったところで、とあるみん友さんが予告どおり大黒ふ頭PAにいらしていることが分かったので運転が楽しいSLK350で向かいます。
日本限定50台のAbarth 695 Tributo Ferrariですのですぐに見つけられます。
しかし、お目当てのc-botanさんとは面識がありません。
唯一の頼みは一度だけお会いしたことのあるyonechaさんと一緒であること。
レストランにいらっしゃるとのことなので、しばらく大黒ふ頭PA内を徘徊することにします。
すぐに目に入ったのが、少し変わった外装色にペイントされているAlpina B6 Bi-Turboです。
デコラインも金や銀ではなく、ボディーカラーに近い青いものです。
アルピナファンならお気づきでしょう。
アルピナ社が創立50周年を記念して発売したEDITION50です。
実は、この後c-botanさんの愛車でyonechaさんと3名でドライブすることになりますが、お二方とも通りすがりの窓越しでこのクルマが特別なアルピナと見分けられておりました。
あのアルピナ見た、色が変わっていた、デコラインもブルーだった、・・・室内は盛り上がります。
やはり、クルマ好きは違いますね。
エンジンは、4,394ccのV型8気筒DOHCと従来と同じものですが、性能面では引き上げが図られています。
最高出力:600 ps /6,000rpm
最大トルク:81.6kgm/3,500-4,500rpm
0-100km/h:4.2秒
最高速:330km/h
もちろん、B5 Bi-TurboとB6 Bi-TurboのEDITION50はそれぞれ世界限定50台です。
AlpinaとしてはF系最後の生産と聞いています。
D5 Turboの生産枠も残り数台のようです。
さて、その後も徘徊しながらSLK350のところまで戻るとyonechaさんがc-botanの愛車にカメラを向けていらっしゃるのを見つけます。お久しぶりでしたね。
そして、c-botanさんはもしかすると厳つい方かもと少し不安もありましたが、体は大きくて心優しいというタイプ。安心しました。
yonechaさんとの会話を聞いていてもとても気配りされている方だなあと。
お言葉に甘えてAbarth 695 Tributo Ferrariに乗せていただくことになりました。
場内で軽くという予定でしたが、Uターンできずにやむなく本線へ突入。
狭い後部座席にyonecha大統領に長時間にわたりお座りいただくというご無礼を働いてしまいました。
お会いしてから短い時間でしたが、ドライブしながら楽しい時間を過ごすことができました。
最後に、大黒ふ頭PAで見付けた素敵なMモデルを紹介します。
外装色といい、ステッカーの位置・大きさといい、ホイールの色合わせといい、実に良い雰囲気です。
テールパイプの焼け具合もとても綺麗です。
このクルマは長くMモデルを楽しむための一つの模範といえるのではないでしょうか。
性能面は新しいモデルに適わなくても、そのクルマが持っている絶対的な走りの楽しさは変わることがありません。
きっちりと維持している限りは実現できます。
E63M6も7年目の車検・整備を迎えてディーラーに出してみると、ほとんど費用のかからなかった5年目のとき大違いで見積価格にびっくりしました。ただ、ディーラーと良く話し合いながら不可欠な項目に絞ったら、リーズナブルな費用に落ち着きました。
これくらいならまだまだ楽しめそうです。