簡単な車間距離のはかり方。

時速６０キロの時、理想的な車間距離は約３０メートルほどと言われています。
この３０メートルを目測で測定する方法がいくつかあります。

・たとえば、電柱はだいたい１５メートル間隔なので、電柱２本分とか。でも、電柱がなかったらわかりません。
・中央の白い点線は５メートル間隔です。これが６つで３０メートル。走りながら６パターンを数えることができればわかりやすい。いや、無理でしょ。
・夜間はヘッドライトの下向きで照らされる範囲が、だいたい３０メートルです。これは試しにやってみると、本当にわかりやすいです。が、昼間はどうする。というか、最近のプロジェクターヘッドランプのレベリング機能を使うと、照らされる範囲は一定しません。新しいクルマでは使えない方法です。

しかも、高速道路では１００メートルが理想的な車間距離とされています。車間距離確認の場所で、それを確認できるようになっています。高速道路に電柱はありません。さらに、白い点線さえ長さが一般道よりも長いです。一般道の感覚で車間距離をさぐれば、この錯覚で車間距離が短くなるかもしれません。

日本の自動車学校では今でもこんなこと教えているんでしょうか？
ヨーロッパのほうでは、違う教え方をしているようです。

「２秒」

何が２秒なのか。前のクルマと自分のクルマの間隔が、２秒なんです。
・たとえば時速６０キロで走っている場合、１秒間に約１６メートル走ります。２秒で３２メートル。どうやって測るかと言うと、柱でも白線でも看板でも、何か適当なものを前のクルマが通過したら、それからはかって自分が２秒後に同じ場所を通過したら安全な車間距離。車間が短かったら調整して長くすれば良いし、目印にするものはどこにでもいっぱいあるので、いつでも２秒の車間距離を測定できます。
・高速道路の場合はどうか。時速１００キロで走行していると、１秒間にだいたい３０メートル移動します。２秒で６０メートル。大丈夫なのか？　２秒の理由がわかれば、大丈夫だとわかります。２秒というのは、前方で何かが起こって、意識が「あぶない」と認識して、ブレーキなりハンドルなりを操作するまでのタイムラグに合わせて考案されています。盲目的になんとなく１００メートルとかよりも、よほど意味のある数字だったりとかします。

・ただし物理的には、１００キロで走っている車が安全に停車するには、急ブレーキにしてもできれば８０メートルは必要になります。路面の状況によっても、この停止距離は変化します。でも、ちょっと考えるとこれはおかしいとわかります。目の前を走っている車の速度が、いきなりゼロになるケースはどれほどあるでしょう。事故って横転したとしても、その勢いである程度はふっ飛んで行きます。したがって、安全な車間距離とは物理的な長さではなく、運転している人間が危険に反応できるだけの時間をかせげる距離、と考えるほうが自然ではないでしょうか。

・んで。たとえば雪道なら２秒ではなく５秒とか、高速道路でも路面が濡れていれば３秒とか。ちょっと状況を見回せば、いとも簡単に安全距離を調整することができるのです。それぐらいの判断は、誰にでもできるのではないでしょうか。「この路面状況だと、何メートルの車間を取れば良いか」と考えるよりも、よほど実用的だと思うのです。

　試しにやってみてください。２秒車間距離。これが、意外なほど自然な距離をキープできるんですよ。極端に離れるでもなく、くっつくでもなく。