
カリブを点検のためネッツに預けてきました。
ついでに、新型プリウスの試乗を。

モデルは一番興味のあるE-fourです。
混雑してなかったので、ひとりでほぼ自由に走ってきてよさそうな感じ。よしきた。
まずイグニッションで戸惑い。エンジンがかからない、というかスイッチが入らない。
なんでだろ、と思ってパネルを見たら、ブレーキを踏みながらボタンを押せと表示されてました。
アクアはシフトノブがパーキングに入っていれば、ブレーキを踏まなくてもスイッチが入ります。その先は、ブレーキを踏まないと物理ロックがかかってシフトレバーが動きません。
プリウスはシフトノブというか走行モード切り替え装置が完全にソフト処理なので、こういう安全措置が必須なんですね。

なにげにクルコンつき。
近所をぶらつくだけなので、これは試しませんでした。
でも、楽でいいよね、クルコン。
とりあえず、走行モードはパワーモードでスタート。アクアにはないモードです。
第一印象は、前作プリウス2や3と比べて、速度域や舵角によるハンドリングの味付けの変化が出ないこと。好印象です。
特にプリウス2で顕著だったと感じるんですが、駐車場の取り回しみたいな場面では反応が鈍く、60キロ巡航しながらのレーンチェンジだと反応が鋭くなる、みたいな演出があったんです。樽型スプリングのせいかな、とか思ってますが。
そういう意図的に操作感を変化させているような介入感は、あまりはっきり出てきませんでした。
0発進からの直線加速は、さすがにアクアより速いです。加速度はゆるやかに立ち上がる演出のせいで、ガツンと車速が上がる感じはないんですが。メーター読みで、明らかにアクアより速い。
ただ、そのわりには上り坂での加速はどうもアクアのほうが軽快な気がします。
ハンドリングは、マイルド。バンドル操作1センチとかの微蛇には正確に追従してくるけど、少し大きな入力だと反応がワンテンポ遅れる感触です。ボディが重いのかな?と思ったりする感じ。
まずはネッツを出て正善寺の入り口まで。奥には行きませんでした。
燃費は、まさかのリッター13キロ台。パワーモードにしたせいでしょうか。
ここでUターンします。

プリウスおなじみの不思議なシフトレバーですが、これもさわった瞬間、従来モデルとは違うさわりごこちの良さ。なんだ!?と思ってよく見たら、卵形だったシフトノブがチューリップ型になっています。これ、あれですよ、あの、snap-onとかのドライバーのグリップに似てる。
これは、良いですね。
ただやっぱり、パーキングがボタンだとかサイドブレーキがフットだとか、下が前進で上が後退だとか、とりあえず目で見て一瞬考えてからでないと、操作にもたつく感触。
見た目はダサいかもしれないけど、直感的に操作できるのはアクアみたいなゲート式だと思います。そもそもアクアはプリウス同様のハイブリッドシステムとパワートレーンを持ってるんだから、わざわざゲート式にする必要はなかった。わざわざゲート式をデザインしたのは、ユーザーインタフェースとしての成熟性を反映したのでしょう。販売戦略としては、プリウスのような奇抜なユーザーインタフェースに抵抗のある、なじみのある無難な操作性を求めるユーザーを囲いこむ狙いだったのでしょうけど。
あとUターンのときも気になったんですが、リアウィンドウの真ん中にリアスポイラーがかかっていて、後方の視認性にはちょっと不満。これはルームミラーでも気になりました。

内装は本皮風の表面処理。白い素材が広く使われているわりに、絶妙の位置からブラック無地に切り替えて、フロントガラスの映りこみを回避しています。

コックピットを包み込むような曲線は、車との一体感をイメージしているのでしょうか。造形の難しそうな、未来的な雰囲気です。エコカーである以上、車重の都合もあってやたら高価な部品でもないだろうにもかかわらず、これは凝っていて気に入りました。よくこんなの作ったなと。
ここから、ノーマルモードで走りました。
スイッチも一度切って、燃費表示をリセットします。
目指したのは春日山の短いワインディング。
ふもとの売店あたりで車速を30キロあたりまで落とし、あとは雰囲気で適当に自然にアクセルを踏んで、感覚をみました。うーん、なぜか登りになると、アクアより遅いような気がする。
気温も上がり、エアコンも燃費に関係してるかもしれません。

アクアより高級感があります。でも、温度設定はダイヤルのほうが直感的で良いと思うんだけどな。
アクアにはない、エアコンのエコモードってのがありました。
春日山神社の階段下の駐車場まで行って、そこからおりてきて、適当なところで燃費チェック。
出ました。リッター21。アクアでもたぶん、このルートだとこんな感じ。
パワーモードと比べてアクセルのレスポンスは鈍かったです。踏んでもすぐに加速しないで、ぬるっと速度が出る感じ。
あと、四駆がどのへんで効いてたのか、よくわかりませんでした。
あとはネッツに帰るだけ。多少大廻りしても、ものの5分ほどの距離です。
そこで、最後は燃費アタックしてみました。走行モードはecoモード。

途中、気づいたんですが。
トラコンを切ることができるようです。
なんで?

はい、出ました。
ストップアンドゴーの続く、交通の流れにのって発進と停止を繰り返す、短距離区間。一般的には燃費が一番厳しいとされる条件です。が、実はトヨタのハイブリッドシステムは、こういうシチュエーションが得意中の得意。
ネッツを目の前にしてリッター40が出ていたんですが、信号で止まって、そこから発進するときにエンジンを回したら、ぎりぎり40を割ってしまいました。意味もなく悔しい。
でも、こんだけ出れば見事だと思います。

これで280万円也。カーナビレス、ノーマル、四駆、ってことかな。
ちなみに私のアクアは、新車、タイヤとサスを交換、T-connectナビをつけて、240万円也。
乗り終わってから気がついたこと、というか何も気がつかなかったことに驚いたこと。
乗り心地に、へんな癖がないんです。極めて、普通。何と比べるのかって話にもなるけど、とりあえず普通に走って突き上げも気にならないし、路面や車速の変化があっても感触の変化は少ないし、コーナリングもワンテンポ遅れる感じさえ気にしなければ、一度食ってしまえば安定したもんです。だから、なんにも感じなかったんです。
何も感じないで、ただ普通に乗って走って、なんの印象も残さず降りてきてしまった。これは、凄いことだと思いました。
ボディの重さも、なんかクラウンとかみたいな高級車みたい、とか自己暗示をかければなんとなく納得、この車はそういう狙いの味付けなのかと。ただ、エコカーですからして、クラウンやなんかほどボディが重いわけがない。重くないボディで重々しい高級車然とした感触って、どんな魔法を使っているのでしょう。
ただですね。これからアクアよりパワフルなプリウスで小気味良い走りを、なんていうような期待をしている方には、ぜひともアクアも乗り比べてみることをオススメします。走りは、アクアのほうが、軽快で小気味良いです。
もちろんその分、どこかスカスカでいかにも安っぽい感じではありますが。キビキビ走るのは、だからこそアクアのほう。
さて、途中いくつかプチ事件もありました。
ブラインドコーナー抜けたら路肩でオッチャンがタチションしてた。
前を、ミラー畳んだままずーっと走っている車がいた。
カリブをあずけてネッツからの帰り道、歩いていたらT字路で車にはねられそうになった。
みなさま、暖かくなってまいりました。
くれぐれもポワッとして注意力低下させないよう、また注意力の低下してる他の車にぶつけられないよう、気を付けましょう。事故は、みずからの腕で回避するしかないのですから。
いやぁ、あぶなかった、あぶなかった。
家でアクアに乗り換えて、スタバに来てます。

普通に走ってリッター21。
と、言いたいところですが。新型プリウスと比較すると、だいぶ意識的に燃費を出さないといけないみたいです。これに慣れていて、はじめ、わからなかったけど。
4代目プリウスは、ecoモード、ノーマルモード、パワーモードの各モードの電子的介入が賢くなっているようで、アクアよりも乗り方による燃費のばらつきが少ないみたいです。まったくテクいらず、ってわけにもいかないけど、ここは程度の問題。
逆にパワーモードだと燃費を出すのが難しく、ecoモードだと燃料の浪費が難しいです。まるで三台の車を乗り比べているみたい。実によくできてました。
将来のためポストカリブになりうるキビキビコンパクト四駆かなという淡い期待があったのですが、ちょっとそういうのとは違いました。
今後の進化に期待を寄せておくことにします。