
翌日は大野市へ。この旅程のメインディッシュです。
「北陸の小京都」と呼ばれる大野城と城下町、周辺のお城を巡りました。
鯖江からR8~R158で東進して大野市へ入りました。
まずは「戌山(いぬやま)城」へ向かいます。
R158から。
正面の小さい山が大野城です。頂上の突起は天守です。
右のなだらかな山が「戌山城」です。

登山口はいくつかあり、オフィシャルページでは大野城の展望所としては東側の大野市街のホームセンターからのルートが紹介されています。しかし、お城として楽しむならば遺構が連なる西側からが良いでしょう。
R476沿いに登山口があり、広めの路肩に数台は余裕で停められます。

お城の解説板、縄張り図、登山道の案内図があります。
奥の「みくら清水」解説板の隣に山道らしきがあり紛らわしいのですが、解説板の左側(写真のフレーム外)の道が正解です。
登山道はしっかり整備されています。急坂や深い堀切には木段やロープが付けられていますので、苦労することなく楽しく登れます。
お城の遺構が良く残っており、深くて明瞭な堀切や畝状竪堀もあるので堀切好きな人にお奨め。

主曲輪。
この城で唯一の広い曲輪です。

この城にもカタクリがあちこちに咲いていました。

南端の曲輪。
ベンチが多数並んでいて、他と異なる雰囲気を醸し出していました。

ここが大野城の展望所なのです。
竹田城のような「天空の城」として売り出しており、撮影スポットになっています。

城内が丸見えなので、戦略上も重要なお城ですね。

下山したのは10:40頃。見所が盛沢山の良いお城でした。
お次は、大野市街の北側、県道172号の峠道を北上して「牛ヶ原城」へ。
峠道沿いの登城口周辺は広めのスペースになっており、余裕で駐車できます。

少し登るとT字路になっていて、降りる方向が牛ヶ原城になっています。

遊歩道に立派な鹿の角が転がっていました。初めて見ましたよ。

この城の唯一にして立派な堀切。

説明板のある曲輪。

割とシンプルな小さなお城ですが、鎌倉時代のものだったのですね。

T字路に戻って「三社神社」の方へ登ります。

神社は小さな平坦地に小さな祠と解説板とベンチ。

解説板では触れられていませんが、ここもお城の一部だったんじゃないかな。
なぜなら裏手の尾根側に大きな堀切があるのです。

尾根側から堀切を挟んで神社を望む。曲輪にしか見えませんねぇ。

ここでコンビニで仕入れたお昼を取り、下山して戻りました。

桜が綺麗だったので、しばし鑑賞。
お次は「大野城」へ向かいました。
R158から先ほど見下ろした城山と天守。

東の市街地側の無料の広い観光駐車場に収まりました。
左側の天守とのツーショット。

ここから山頂の天守へ向かいます。左は資料館。

登城口。他にも登城口はいくつかあります。

つづら折れの道で上がっていきます。

本丸では桜とのツーショットばかり狙ってしまいました。

大野城には天守は実在しましたが、今の天守とは形が全く異なります。
大坂城や愛媛の今治城と同じパターンですね。

裏手に天守の入口があります。

展望所から。
西側。手前の山が先ほどの戌山城で、おそらく頂上が本丸。左端が展望所になっていた南曲輪。
お互いに城内が丸見え、ということですね。
山の裾野の横に走る道路がR158のバイパス道。戌山城を出るときに妙にパトカーがいて何だろうと思っていたら、ネズミ捕りをやっていました。R476の交差点に旗振り要員が待機しており獲物の集積所になっていました。

東側の市街地の方。綺麗だなぁ。

天守を出て裏手の方へ。
天守は模擬ですが石垣は往時のもので見応えのある美しいものです。

「お福池」
鯉が群れて泳いでいて、刻々と形がかわるのが面白くて、しばしボーっと眺めてしまいました。
水面が静まった瞬間に櫓がうまく映ったのもいい感じ。

こういう造形に美を感じてしまうのです。

帰路は北側の登城口を出て、そこから城下町散策へ。

武家屋敷。

庭に、当時の土塁が残っています。

無料の休憩所。フレーム外の右側に湧水スポットもあります。

石灯籠通り。
ここ周辺から二番~五番通りと格子状に道路が巡っています。小京都と呼ばれる所以なのでしょうね。

寺町通り沿いに南下し、城下町の外れにある日吉神社へ。
ここは「亥山(いやま)城」の跡なのですが遺構はほぼ隠滅しています。

敷地内の水場が唯一の遺構で堀の跡と言われています。

城下町らしく、どこからでも天守を望むことができます。
七間通りから。

側溝の蓋も大野城。

だいぶ歩き回ったのでパン屋さんで休憩。

イートインがありましたので。
コロナの時期はコンビニ含めて軒並み廃止されてしまいましたが、最近は結構戻りましたよね。
時間を無駄にせずお手軽に休めるので便利なのです。

駐車場に戻ってきました。城下町を1時間半くらい散策してしまいました。

お土産屋や無料休憩所が併設されています。
休憩所は畳敷きの和風の屋敷のような凝った造りで、手足を伸ばして休めました。
駐車場を出て、最後のスポットへ。
数km南の町外れにある「朝倉義景墓所」。
ここからも天守が望めます。左の二本の桜の間に見えています。

ズームで。

信長に敗れたあと、味方の裏切りでここで自害したそうです。
武田氏もそうですが、滅ぶときは身内に殺されるケースは多いですよね・・・
これで予定は全て終了。
帰路に着いたのは17時頃。春らしく、まだまだ明るいですね。

往路と同じルートで。
この時間だと神奈川県内定番の上り渋滞も解消しており、ウルトラスムーズに進み、23時頃に帰宅できました。
ほぼ高速道路のみとほぼ信号無しでノンストップで走れるR158なのもあり、大野までなら6時間くらいですか。