城端曳山祭

５月５日、富山県南砺市城端地区で行われた
　城端曳山祭（国指定重要無形民俗文化財）
満喫してきました。


城端曳山祭は３００年の歴史を誇り、３基の神輿を先導して、邪気を払う獅子舞と剣鉾、神霊をお招きする傘鉾が連なり、優雅な旋律を奏でる庵屋台と御神体を安置した曳山が街中を巡航します。変に現代風にアレンジされることもなく、江戸時代の祭礼形式をそのまま今に伝えるのが城端曳山祭の大きな魅力です。


ちなみにアニメ「true tears」に出てくる祭礼「麦端祭」は、この「城端曳山祭」と、
９月に同じ城端で行われる「むぎや祭」を合わせたものがモデルになっています。




御旅所（じょうはな座）にて祈祷を受ける獅子舞。




休憩時も中の人は外に絶対に出てこなかったりする。
食事は獅子舞の口から差し入れられ、食べ終わった食器はお尻から出てくるという（笑）




じべたさん、お疲れ様ですｗ




神輿・傘鉾行列




曳山祭の最大の見所（聴き所）でもある、庵屋台と曳山。




曳山と庵屋台は、西上町・東下町・出丸町・西下町・東上町・大工町の六町がそれぞれ１基ずつ持っており、曳山には御神体が飾られています。




本祭の前日、宵祭では一晩、御神体が曳山から降ろされ（100kg以上あるのを人力で）、山宿に「飾り山」として一般公開されます。山宿に選ばれた家は、家を改装したり、畳の入れ替え（一直線に並べるのがしきたりだそうで）をしたりします。諸事情により宵祭りは行けなかったので、本祭当日の山宿の様子です。




曳山の豪華絢爛な装飾。



車輪にも豪華な装飾が施されています。




常に曳山の前を行くのが、各町の庵屋台です。つまり各町ごとに１セットになっています。庵屋台は京都の一力茶屋や江戸吉原の料亭を模しており、その下では三味線、太鼓、横笛の囃子方が庵唄を演奏しながら巡航します。
（写真は曳山会館駐車場にて、一般観覧席での庵唄披露です）




「庵唄所望」と札が掲げられた場所には庵屋台が必ず停まり、
目の前にて庵唄の演奏を聞く事ができます。




なんと「真実の涙をもう一度」有志会のイベントブースにも「庵唄所望」が貼られてました。有志会では今回が初めてだったそうですが、城端町外の者が単独で「庵唄所望」するのはかなり異例だと思います。






さてさて、では曳山巡航の様子です。














前回、城端を訪れた時も思いましたが、たかだか1000m前後の山並なのに、すごく距離が近くて背景の山に圧倒されるんですよね。南砺平野にある城端から車でわずか25分で世界遺産「五箇山の合掌造り」に行けるというのが、いかに急激に山間部へと続いているのかよくわかります。




180度旋回は、曳山巡航の最大の見せ場でもあります。時々失敗もありますがｗ
今年は出丸町での六番山（大工町・千枚分銅山）の旋回が圧巻でしたね。



その出丸町でのUターンに向かう六番山と、すれ違う五番山。
山同士がすれ違うのは実はここでしか見れない。






夜の帳が降りてもまだまだ祭りは続きます








曳山は提灯山へと変わって、城端の町を巡航します。



庵屋台なんですが、夜に撮った写真では本物の建物と区別がつかないくらい精巧に作られてます。




提灯山での庵唄所望もまた一段と風情がありますね。









曳山や庵屋台の装飾は豪華絢爛ですが、お祭り自体はすごく質素だけど情緒あふれる素晴らしいものでした。これは来年も観に来たいです。その前に９月の「むぎや祭」を観たいですけど。