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四駆のバッテリーってのは何故か大きいものが多いです。

ヨンマル時代は８５Ａが２発とかだったのでバッテリーがイカれると凄まじい出費になります。

けど、何故か弱くて毎冬バッテリーが上がってたような気がします。
その度にジャンプしたり引きがけしたりと大変でした。

ハイラックスも電動ウインチとか電動デフロックとかが付いてましたからバッテリーの負担は大きかったようです。

けれど、そういう場合は大抵こちらも予想しているのでなんとかなるもんなんですけれどね。


今回の話も、そんな何とかしてしまった話です。

クルマはハイラックスに乗っていた頃です。
それも最後のほうでしたから凹んでいない部分が一切無い状態でした。

その日は出先からの帰りが遅くなり、深夜の高速を一人で走っていました。

「うぅ。さすがに眠いなぁ。サービスエリアで缶コーヒー買って一服するかぁ」

出発前にクランキングがやや弱かったのを思い出しながらも、エンジンを切って自販機へ。

すぐさま、クルマへ戻ってエンジン始動！

あれ？

キーを捻れど無反応！

「んなアホな！今さっきまで動いとったんやでぇ！」

時間にして１分も経っていません。

うろたえていても仕方有りません。
ブースターケーブルはぶっといのを常備しています。
問題は

深夜に電気を分けてくれる人を探す事

です。

それでも、フツーのクルマに乗っていたのならまだしも、私の車は泣く子も黙る全身ベコベコの凶悪な面構えですから、深夜にこんなクルマを助けてくれる人なんて居そうにありません。

これは・・・ヤバイ

幸い、物凄く広いサービスエリアだったので、ハイラックスとは反対の最も遠いポイントで獲物を探すことにしました。

＃ヤワな乗用車なんぞ捕まえても仕方ない。
探す獲物はディーゼルで１２Ｖ電装の四駆だ！


早速ハチマルを発見！ナンバーを見ると８８ナンバー。
うむ。ディーゼルなのかガソリンなのか判らないが、この際贅沢は言えない。
恐る恐る近づくと、何やら怖そうなあんちゃんが仮眠してます。

こらアカン！怖ぁて声かけられへん！

するとタイミング良く（悪く？）私の横に滑り込むようにやってきた真っ黒のテラノ。

キター！最高の獲物！

早速、運転席のガラスをノックしました。

次の瞬間！

「ガチャ！」

電光石火の早業で内側からロックされてしまいました！


「そらそうやな（笑）」


普通、深夜のサービスエリアでイキナリガラスをノックされたら私なら逃げます（苦笑）

しかし、私の誠意が通じたのか、あまりに哀れに見えたのか謎ですが、この心優しいドライバーさんはちょこっと窓を開けて話を聞いてくれました。

「すんまへん。バッテリーあがってしもぅて。ちょっとバッテリー貸して欲しいんですわぁ。」

けげんな顔で答えるテラノのオーナーさん。
「はぁ、エエけど・・・・クルマはどこでっか？」

「クルマはあっちに停まってますねん。」

言ってる方も怪しいと思ってるんですから向こうはもっと怪しんでいます。

しかし、せっかくの獲物を逃がすわけにはいきません。

なんとか先導して愛車の横までテラノを連れてくることに成功しました。


予想通り、私の車を見て引いています。いや、引きつっています（汗）

なんとか説得してボンネットを開けさせ、こらまた電光石火の早業でブースターケーブルを接続して無事エンジン始動できました。

最大限の謝辞を述べると、最後の最後にやっと安心してくださった様で笑顔を見せてくださいました。

最後に、助けてくださった黒いテラノのおじ様！

「若いおネエちゃんとの深夜のデート邪魔してゴメンなさい！」

二人で楽しそうにアイスクリームを食べ始めたばかりでしたのにね・・・

＜前回のつづき＞

クールにキメた筈がトンデモない事になってしまいました。

ひとまず火を噴いたのは一瞬のようです。
今は白い煙が出てるだけです。

突如、進行方向からミシミシ、バキバキ音がしました。
別のグループが反対から現れたのでした。

見ると、知ってる人もちらほら。

「どないしたんや？」

かくかくしかじか説明する。

「ほんまか。ほんならＡＭ1やな。きっと」


ＡＭ１ってなんやねん？？ラジオかぁ？

等と馬鹿なことを考えていると、どうやら巨大なヒューズの事らしい。
８０Ａだったか１００Ａだったか、忘れてしまいましたが、こんなヒューズ誰も持ってるわけ無し。

誰かが持っていたとしてもヒューズボックスがドロドロなのであまり意味は無さそうです。


途方にくれている私を尻目にテキパキ作業をする、新たに現れた集団。
すぐさま銅線を大量に束ねてブッ飛んだヒューズをバイパスします。
気を取り直してクランキング→オイル除去→グロー取り付け。
すぐに復活と相成りました！

ここで

なんて親切なんだろう。

と思ってはいけません。
彼らにとって、私の車は単なる障害物です。
どかさない事には彼らはこの先のセクションを楽しめない訳ですから、彼らは親身になって私の車を排除してくれたのです（笑）。

＃実際には銅線を分けてもらったりして非常にお世話になったのですが。



今回の転倒で、当事者に成らなければ理解できない、身につかない事が存在するのだと実感しました。
他人の転倒現場を横目で見ていても所詮人事ですから身にはつきません。
そして、一度自分でやってみて
強烈に失敗すると二度と同じ過ちは繰り返さないという事を。


それにしても、状況を話すとすぐに問題点を指摘した例のグループの方達。

「あなた達も同じ過ちを経験してるんですよね！？（笑）」