• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

r-rsのブログ一覧

2014年07月14日 イイね!

第17話

ゼロワンの元へ戻ると、ゼロワンが知らない娘と喋っていた。

「その娘、誰?」
 ゼロワンに聞くと

「苺ちゃん、わたしと同じ年なの」
 ゼロワンがそう答えた。
苺ちゃん?同い年?見るからにゼロワンより年上のお姉さんに見えるのだが
 背は僕と同じくらいで細身、足は長く、短パンにタンクトップ、
スニーカーを履いていてショートカットがよく似合う元気系美人さんだった。
 目を見張るのが胸元、タンクトップからはみ出んばかりのバスト。
Eはありそうなボリュームで、ゼロワンと見比べていると

「何処見てるの、エッチなんだから」
 ゼロワンが自分の無い胸に手をやって俯きながら怒っていた。

「シルビアS15の苺です。よろしくです。」
 苺が元気よく挨拶してきた。

「おう、よろしく」
 僕は短く返事を返した。

「苺さん、このサーキットには良く来るの?」
 苺に訪ねてみた。

「ハイ、このサーキットには10回位です。」
「他にも筑波や富士、日光、福島にも行きます。」
 苺は指折りサーキットの名前を挙げてきた。
相当、走りこんでいる様子だった。

「私、カッコいいでしょ。」
「マスターがいろいろ手を掛けてくれるんですよ」
 苺が手を広げてくるっと廻りながら得意げに自慢してきた。

 確かにエアロパーツは統一されてて見た目カッコいいし、
フェンダーもノーマルより張り出しワイド化している。
 何よりフェンダーとタイヤの隙間がほとんどない
指1本入らないくらいにあわせてあった。
 マフラーは言うまでもなく、社外品だし、エンジンもいじってありそうだった。
こんなクルマを作って乗れるのだから運転もうまいのだろうと思った。

「でも、最近マスターが私の話を聞いてくれないんですよ」
「以前はそうでもなかったのですが改造が進むたびにです。」
 苺が遠い目をしてそう話してきた。
僕は少し違和感を覚えた。

「そうなの?、あたしの言うことなら何でも効いてくれるよ」
 ゼロワンが空かさずそう答えていた。

「何でもじゃない。話は聞いてるの間違いだ。」
 ゼロワンが変な間違いをしたので僕は訂正しておいた。

「てへぇ。」
 ゼロワンが舌を出してかわいくポーズを決めていた。
僕は苦笑いしながら、そんなゼロワンを愛しく見ていた。

「はーい、みなさん、ブリーフィングを始めますので集まってください」
 講習会の運営から説明が始まる指示があったので受付の場所へ移動した。

つづく
Posted at 2014/07/14 23:30:03 | コメント(0) | トラックバック(0) | 妄想 | 日記
2014年07月08日 イイね!

第16話

隣に駐車したクルマは、日産シルビアS15だった。
運転席から30代前半の普通の男性が降りてきた。
クルマはエアロパーツやアルミホイールで派手なのに運転手は本当に普通だった。

「おはようございます、今日はいい天気になりそうですね。」
 いきなりその男性からフレンドリーに声を掛けられた。

「お、おはようございます。」
 僕は急だったたので詰まりながら挨拶をした。

「そのクルマなんていうクルマですか?」
 S15の男性がまたしてもフレンドリーに聞いてきた。

「ミツオカ自動車のゼロワンっていいます」
 僕はゼロワンを短く紹介した。

「ゼロワン初めて聞いたよ。今日はよろしくね」
「受付が始まってるね。」
「一緒に行こうか」
 S15の男性は慣れた口調で受付をすることを教えてくれた。

「はい、ところで慣れているようですがこの講習会は何回目ですか?」
 僕はS15の男性に訪ねてみた。

「今回で3回目です。今日も楽しみです。」
 S15の男性は楽しそうに答えた。

 3回目で楽しそうということは、そんなに嫌な雰囲気ではなさそうだった。
サーキットと言えば、怖そうな人ばかりと言うイメージでちょっと緊張していたが
そうではなさそうだった。

 S15の男性に付いて受付を済ませた。

 受付に行く間、参加するクルマたちを見ると
国産ではスカイラインR32、35GT-R、シルビア、シビック、NSX、86
プリウス、スイフト、ロードスター、インプレッサ、コペン、レガシー

 外国勢は凄いことになっていた。
フェラーリF430、ポルシェ911GT3、930、
先ほどのメルセデス・ベンツSL63AMG、C63AMG、A45AMG
BMW650i、ジャガーが見てわかった。
他にも居たがよく分からなかった。

 全体的に価格の高そうなクルマばかりが集まる講習会だった。

 ドライバーも年配の方が多かった。僕と同年代は2、3人だけであった。
講習会の費用が高めに設定してあるためだろう。

 家族も来ていてピクニックって雰囲気もあった。

つづく
Posted at 2014/07/08 21:05:28 | コメント(0) | トラックバック(0) | 妄想 | 日記
2014年07月07日 イイね!

第15話

講習会当日の朝
いそいそと出かける支度をしていた。

「ヘルメット、グローブ入れたよね」
「長袖、長ズボン着てるよね」
 僕はぶつぶつと言いながら、必要なものを揃えていた。

「あんた、サーキット行くんでしょ」
「そんなに緊張してて大丈夫なの?」
 ゼロワンが心配して声をかけてきた。

「大丈夫だよ」
 僕はちょっと怒り気味にそう答えた。
内心、サーキットはちょっと怖いところだと思っていた。
レースの映像を見てもコーナーとかでものすごく近づいてるし
ときには接触してるし、コースからはみ出してえらいことなってるし
ゼロワンを絶対傷つけたくなかった。
 でも、運転は上手くなりたかった。
師匠から運転が上手くなりたければ、スピードの出たゼロワンを知ることだね
と言われて、スピードの出せるサーキットに行くことに決めたのだ。

「よし、行こうか」
 自宅から1時間ほどサーキットに向けて出発した。
もうすぐサーキットのゲートというところで珍しいクルマにあった。

「あれなんて言うクルマ?かっこいいね!」
 ゼロワンが興奮気味に聞いてきた。

「えっと、メルセデス・ベンツかな」
 フロントにでっかくエンブレムがくっついていた。
白いボディに大きなアルミホイール、いかにも速そうな2ドアクーペだった。
信号待ちしていた僕達の前を静かに通り過ぎていった。
後部には、SL63AMGと書いてあった。
 

 僕達も同じ方向に曲がりサーキットを目指した。

 サーキットのゲートで今日参加する講習会を告げると
優しそうなお姉さんが僕達の名前を名簿で確認して通してくれた。

「会場は南コースになります。お気をつけていってらっしゃいませ」
 何とも心地よい声であった。
ちょっとデレっとしていると

「デレッとしない、さっさとクルマ出して」
 ゼロワンが不機嫌そうに僕に言った。

「そう急かさないで、今出すから」
 僕はそう言い、サーキット内にゼロワンを進めた。

 このサーキットは広大なエリアに幾つものコースを備え
色々なニーズに答えることが出来る場所だった。
その中で南コースは広い駐車所の様な場所に線でコースが絵描がれ
少々コースを外してもクルマにダメージが無い初心者向けの場所であった。

「ココは30キロで移動だからな」
 ゼロワンに言い聞かせながらゆっくりとゼロワンを進めていると
ひときわ大きな排気音のクルマが後ろから近づいてきた。

 ゼロワンも大きい排気音だがそれよりも更に大きかった。
バックミラーで確認すると真っ赤なクルマだった。
フロントタイヤがフェンダーからはみ出さんばかりに存在感を出していた。

 南コースに着くと、もう20台位のクルマが集まっていた。
3列に整列していたのでゼロワンもその最後尾に駐車した。
隣に先ほど赤いクルマが駐車した。

つづく
Posted at 2014/07/07 21:22:15 | コメント(0) | トラックバック(0) | 妄想 | 日記
2014年07月06日 イイね!

第14話

 数日後、一本の電話が掛かってきた。
師匠からだった。

「来週末、講習会が近くのサーキットであるって」
「行ってみない?」
 師匠が妙に明るく問いかけてきた。

「来週末ですか?」
「特に予定ないですけど、講習会って行ったことないし」
「大丈夫ですか」
 僕は、行ってみたい様な、そうでないような複雑な気持ちだった。

「講習会って言ってもちょっとクルマに興味のある初心者ばかりだから」
「広い場所で一台づつ走るみたいだからそんなに危なくないよ」
 師匠は講習会の情報を少し教えてくれた。

「ゼロワンでも大丈夫ですか」
 僕はゼロワンが講習会に参加できるクルマなのか心配だった。
なんせ、屋根はないし、ドアもない、車高低いし、
結構うるさいのだ。
排気音もそうだが、事あるごとに話しかけてくるし普通じゃないと思っていた。

「大丈夫、大丈夫、いろんなクルマ来るし」
「タイヤ4つ付いているから大丈夫、それにメンテナンスはバッチしだし」
「何より車検、通ってるから」
 師匠は自信たっぷりにこう答えた。

「講習会に参加するのに必要なものありますか」
 僕は講習会に参加する方向に気持ちが傾いていた。
参加するのであれば準備が必要と思った。

「そうだね、ヘルメットとグローブ、長袖、長ズボンくらいかな」
「あと参加費ね、29800円」
 師匠が準備しておくものを教えてくれた。

 その中に参加費と言うフレーズがあり
なんだか聞きなれない金額が含まれていた。
 ここで気づいていればよかったのだが
この講習会が大変なものだと・・・
だがしかし、流されるままに講習会に参加することとなった。

つづく

Posted at 2014/07/06 19:02:12 | コメント(1) | トラックバック(0) | 妄想 | 日記
2014年06月15日 イイね!

第13話

「運転技術の向上ってどんなことをするんですか?」
 僕はもうひとつの質問をしてみた。

「そうだな、一応クルマの操作は出来るようになってるし」
「クルマの性格も掴んできたかな」
「次はもう少し速い車速でのクルマの性格を体験出来るといいね」
 師匠が次へのステップとして提案をしてくれたが
速い車速でのクルマの性格とは何だろ

「スピードによってクルマの性格が変わるんですか」
 僕は師匠にさらなる質問をしてみた。

「遅いスピードではどんなクルマでも、そんなに大差無いけどね」
「速ければ本当の性格が見えてくるよ」
「特にコーナリング性能やブレーキの性能がね」
 師匠はどんなことが見えるかを教えてくれたが、
ゼロワンがどんな性格かは教えてくれなかった。
自分で体験して確かめるしかない様だった。

「ところでそんな体験出来る所なんて無いんじゃ、峠道?」
 僕は対向車はいないにしても一般道で体験するには
この前の件でも有るように万一間違ったら事故は免れないのではと思った。

「馬鹿じゃないの、一般道でそんなスピード出していいと思ってるの」
「まずは安全が一番よ」
 ゼロワンが怒っていた。
こんなに怒ったのは初めてでは無いだろうか

「一般道はまずいね、サーキットとかが安全だね」
「最近は練習会や講習会なんてものもあるからね、」
「それを利用したほうがいいね」
 師匠が体験できる場所を具体的に教えてくれた。
練習会?講習会?何だか最近聽いたことのある言葉だった。
ふと思い出した。
 先日のポルシェのおじさんがそんなことを言っていた。
僕はゼロワンのグローブボックスの中から一枚の名刺を取り出し師匠に渡した。

「先日、ポルシェ乗りのおじさんから頂きました。」
「プロの方だそうで師匠、知ってますか?」
 僕は師匠に名刺の方を知っているか聞いてみた。

「知ってるよ、どうしたのこの名刺?」
 師匠がこの名刺の出処を訪ねてきた。

「えぇっとですね。」
「この間、ゼロワンが言うこと聞かなくなった時に前を走っていた」
「ポルシェの方から頂きました。」
「その時少しお話しました。」
 僕はその時の事を話した。

「そうなんだ、そこの雑誌に載てるよ」
 師匠は、長椅子の上においてあった雑誌を指さした。
レーシングスーツを着て、スポーツカーの前で写っているおじさんが
雑誌の表紙に載っていた。

「最近は雑誌の仕事や講習会の講師をやってるね」
「そうだ、講習会行ってみたら」
「結構わかりやすく教えてくれるよ」
「講習会、聞いとくよ分かったら教えるね」
 師匠は嬉しそうに話していた。
直接聞けるような仲なのだろうか?
何だか話がどんどん進んでしまったが、
まぁ、自分でやってたらいつまでも進まないので
この話に乗ることにした。

 師匠は、ゼロワンのタイヤの空気圧調整し、エンジンオイルをチェックした。

「ゼロワンのセッティングは変えないんですか?」
 僕はゼロワンの調整に付いて尋ねた。

「まずはこの状態で車速の高い時の性格を体験してから変更するよ」
「本当の性格を知ってからの方が間違いが無いと思うんだ」
 師匠は今のゼロワンをもっと知ってほしいと思っている様だった。
僕もゼロワンの隠れた性格をもっと知りたいと思うようになっていた。

ゼロワンに乗り込み師匠の工場を後にした。

つづく
Posted at 2014/06/15 13:41:35 | コメント(0) | トラックバック(0) | 妄想 | 日記

プロフィール

「久しぶりの更新」
何シテル?   04/15 09:26
新しい夢について妄想中! (小さいものからチョット大きいものまで) 思いついた夢は一つずつ実現中! ゼロワンを所有(12/5済)  ゼロワンでサ...

ハイタッチ!drive

みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

日産 NISSAN GT-R  
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2018/01/31 20:44:33

愛車一覧

光岡 ゼロ1 ゼロワン (光岡 ゼロ1)
20年思い続けた一台です。 縁あって所有することができました。 ノーマルでも魅力的ですが ...
マツダ ユーノスロードスター マツダ ユーノスロードスター
新車購入から15年、最近ホーバーホールしました。 装備は、 サイトウの7点ロールケージ ...
日産 NISSAN GT-R Rちゃん (日産 NISSAN GT-R)
普段乗り用

過去のブログ

2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2017年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2016年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2015年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2014年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2013年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2012年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2011年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2010年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2009年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2008年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2007年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2006年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation