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2014年05月12日 イイね!

第8話

 ガレージの中でゼロワンに乗り込んで
僕は930のおじさんに言われたことを考えていた。

 自分の運転技術が向上するに連れてゼロワンに不満が出てくる
そうなのだろうか?

 今のゼロワンが最高なんじゃないだろうか。
運転もたのしいし、言ってることもわかる。

 これより調整してしまうと運転しても楽しくないのではないか
ゼロワンの声が聞こえなくなるのではないか
いろいろ考えていた。

「あんた、難しい顔して何考えてるの」
「考えてる振りして、ハンドルさすらないでよ、くすぐったいよ」
 ゼロワンが心配している様な恥ずかしそうな顔で覗き込んできた。

「え、あ、うん、ちょっと考えごと」
 ちょっと気のない返事になってしまった。
彼女に伝えるかどうか悩んでいた。

「だから、ハンドル擦るのくすぐったいからやめてよ」
 ゼロワンが赤い顔してもじもじしていた。
なに赤い顔しているのか良くわからなかったが、ハンドルから手を離した。

「おまえ、速く走りたいか?」
 おじさんの言ったことは速く走るにはどうするかってことだよな
ゼロワンはどう思っているか聞いてみたかった。

「速く走る?そんなの当たり前じゃないクルマだからね」
「でも、それは3番目かな、1番は安全に走る、2番は快適に走る」
「これは一般的な話ね、」
「サーキットなどの一定条件下では快適と速いが逆転するかな」
「ところで何でそんなこと聞くの?」
 ゼロワンが当たり前だって顔で答えた。

「先週、ポルシェに会った時言われただろ、おまえに抑えられている性能がある事」
「それをすべて使って走りたいのかな?って思ったの」
 僕は自分の技量のなさからゼロワンに我慢の強いていることが
悔しく恥ずかしかった。

「別に我慢なんかしてないよ」
「それよりもあんたがいて、走れることのほうがずっとうれしい」
「クルマなのに走れないなんて悲しいじゃない」
ゼロワンが走れることを本当にうれしく思っているように見えた。

「じゃ今のままでいいんだよな」
 僕はほっとした表情で確認した。

つづく
Posted at 2014/05/12 20:43:20 | コメント(0) | トラックバック(0) | 妄想 | 日記
2014年05月11日 イイね!

第7話

930のおじさんは続けて語った。
「さっきの運転だけどキミの操作も悪いけど、」
「ゼロワンも再調整する必要があるんじゃないか」

 僕は驚いた表情で聞き返してしまった。
「どういうことですか?」

 おじさんはジェスチャーを交えて説明してくれた
「キミは運転に慣れてきてスピード域が増してきている」
「だから、ゼロワンもそのスピード域に答えられるようにする必要があるね」
「つまり、ゼロワンの抑えられている性能をもう少し開放するってことだね」
「これは、運転技術とクルマの性能が一致した時、とってもたのしいことなんだ」
「キミの師匠なら出来るんじゃないかな」

 僕はもうひとつ疑問に思ったので聞いてみた
「僕の運転技術は向上してないと思うのですが、運転は楽しいけど」

 おじさんが微笑みながら答えてくれた。
「ゼロワンの声がちゃんと聞こえてそれにしたがって運転できるんだろ」
「それで十分じゃないか」
「次のセッティングでも同じようにしていけばまた向上するよ」

 ゼロワンが得意げに
「おじさん分かってるじゃない、私が合わせてあげてるんだから感謝しなさい」

 まぁゼロワンのほうは、ほっといて
おじさんの素性がすこし気になったので聞いてみた
「おじさんはクルマに詳しそうですが、何かされているんですか?」

 930のおじさんは少し言いずらそうに
「プロのレーシングドライバー、」
「今はもっぱら車のインプレッションや安全運転の講師なんかをやってるね」
「知らない?知らないか。」

 僕も申し訳なさそうに
「すみません、知りませんでした。」

 930のおじさんがおもむろに名刺を渡してきた。
「サーキットで練習会なんかもやってるから来て見たら」
「公道でスピードを出すのは危ないし迷惑だから、」
「次の運転技術向上はサーキットがいいよ」
「初心者でもサーキットは安全に走れるようにちゃんとルールがあるから」
「長いこと話し込んだんでしまった、もう行くね。楽しかったよ」

 そう言いおじさんはポルシェ930に乗り込んだ。
930さんも丁寧にお辞儀をしてその後に続いた。
ポルシェの独特な音を響かせて走り去った。

日がだいぶ高くなったので僕たちも岐路についた。

つづく
Posted at 2014/05/11 06:55:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 妄想 | 日記
2014年05月10日 イイね!

第6話

930のおじさんは続けて言った
「キミの運転を後から見ていて思ったけどかなり相性がイイと思うんだ」
「ゼロワンと対話しながら運転しているのが伺えたからね」

 僕は少し考えて
「最近は、運転がたのしいです。」
「以前はちっとも言うこと効いてくれなくてクルマ変えようかと思っていました」

 ゼロワンが膨れっ面で不満を漏らした。
「あんたが私の言うこと聞いてくれなかったんでしょ」
「あたしはちゃんと伝えていたのよ」

 ゼロワンの言葉に僕は
「以前はぜんぜん聞こえなかったよ」

 不思議そうな顔をして930のおじさんが尋ねてきた。
「急に運転楽しくなったの?何かあった?」

 僕は師匠のことについて話し始めた。
「以前はどうにも乗り辛くて、」
「一ヶ月ほど前にこのクルマを作った師匠のところへ相談に行ったんです」
「そこで師匠がゼロワンでドライブしようと言い出して」

 ここで、おじさんが口を挟んできた
「そこで、このゼロワンの扱い方を教わったんだね」
「どんなクルマにもの走らせ方があるからね」
 うんうんと、頷くおじさんだったが僕は違うことを告げた
「そうじゃないんですよ、ただ街中を10分ほど走って工場に戻ったんです」
「特に運転については何も教えてもらってないんですよ」
 続けてこうも言った
「その後、足回りのセッティングをいじっただけです」
「そしたらとっても扱いやすくなって、運転が楽しくなりました」

 930のおじさんが関心するような顔で
「じゃ、キミの運転にあわせて調整してくれたんだね」
「キミの師匠はすごいな、ゼロワンの特性を知り尽くしているね」
「でも、もったいないな、」
「キミに合わせてるってことはゼロワンの性能を全部引き出してないってことだね」

 おじさんの言葉にゼロワンはそうそうと言わんばかりに首を縦に振っていた。
僕のほうは左斜め下に視線を落とした。

つづく
Posted at 2014/05/10 21:25:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 妄想 | 日記
2014年05月06日 イイね!

第5話

「ガチャ」
 ドアの開く音がして左のドアが開いた。
一人のおじさんが下りてきた。
こちらに振り返り、左手でゆっくりドアを閉めた。

 年の頃は50代前半、短く切りそろえた髪型に
サングラスがちょっと怖めだった。
グローブを外しながらこちらに歩みよってきた。

 ゼロワンと僕はビックっとしていると
930さんが
「ちょっと怖めですがいい人ですよ」
とフォローしてきた。

 おじさんがゼロワンの近くまで来たので僕もゼロワンから降りた
930のおじさんが唐突に
「このゼロワン、キミの?」
「よく手入れされてるね、足廻りも良く出来てるね」

 僕はこの質問に答えた
「僕のゼロワンですが、2ヶ月前に譲り受けました」
「少し見ただけでそんなこと分かるんですか?」

 930のおじさんは
「そりゃ分かるよ、愛されているクルマはイイ雰囲気出してるもの」
「乗ってて楽しいだろ」
「でも、まだ2ヶ月なのに相性イイなんて羨ましいよ」
「僕なんてこの930を乗りこなせる様になるまでに10年かかったかな」

 僕の横でゼロワンがおじさんの言葉にもじもじしていた。
僕は相性がいいことに少し疑問を覚えた。
「相性イイ様に見えますか?」
「さっきも急に言うこと聞かなくて、コーナー大きく外して危なかったですけど」

 930のおじさんは
「ちょっと危なかったね、」
「でも、付いて来れると思って年甲斐もなくコーナー攻めちゃった」
「そのゼロワンなら大丈夫と思ったんだけどなぁ・・・」
「急にハンドル効かなくなったのはアンダーステアになったからだね」
「930もそうだけどフロントの荷重が抜けやすいから」
「速度が速い場合はブレーキを上手く使って」
「荷重が抜けない様にしないとね」
「イイクルマはそこの所を教えてくれるよ」

 おじさんの言ってることはよく分からなかったが、
クルマが教えてくれると言う部分はなんとなくわかった気がした。

つづく
Posted at 2014/05/06 23:37:44 | コメント(0) | トラックバック(0) | 妄想 | 日記
2014年05月05日 イイね!

第4話

左にウインカーを打ちポルシェの後ろに停車した。

 意気消沈でうなだれていると
「何やってんの、言うこと聞かないからあぁなっちゃうのよ」
「スピード速ければ曲がらないのは当たり前よ」
「ちょっと優しくしてるからって調子に乗らないでね」
ゼロワンが腰に手をやって怒っていた。

 すると先ほどのポルシェの方からお淑やかな美人が近寄ってきた。
「こんにちわ?あら、朝だからおはようございます。ですね」
「先程は失礼しました、付いてきてくれたのは嬉しいですが」
「少し危なかったですね」

 ゼロワンが振り返って
「あなた誰?」
と尋ねると。

 美人さんは胸の前に手を置いて
「私、ポルシェ930ターボと申します」
「あなた達がとっても楽しそうに走っていたのでちょっとお話ししたいと思いました」
「それにしてもこんなに若いご主人様だとは思いませんでした」
「私とご主人様は20年来の付き合いですからビックリしました。」

 ゼロワンが勝ち誇ったように無い胸を張って
「そりゃそうよ、出会ってまだ2ヶ月位だし、こいつ免許取って2年位のド素人よ」
「若いだけで私が教えないと何もできないのよ」
えらい言われようだった。

 僕は先程の事をゼロワンに尋ねた
「最近は上手く運転していたし、キミもちゃんと従っていたのに」
「さっきはどうしちゃったのかとビックリしたよ」

 ゼロワンはうつむいて答えた
「当たり前じゃない、スピードの遅い時なんてどんな車だって曲がるわよ」
「最近素直だったのは、師匠があなた用に緩いセッティングにしたからよ」
「私も気持ちを伝え易くなっていたし」
「あなたがそれをちゃんと聞いてくれていたから嬉しかったのよ」
「だから、これでもいいかって思っていたの」

 930さんが嬉しそうに
「やはり仲がよろしいのですね、とっても長い付き合いの様に見えますわ」
「ゼロワンさんの手入れが行き届いてるところなんて、愛されている証拠ですよ」

ゼロワンと930さんがこんなやり取りをしていると
930さんのご主人様が車から降りてきた。
Posted at 2014/05/05 22:18:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 妄想 | 日記

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何シテル?   04/15 09:26
新しい夢について妄想中! (小さいものからチョット大きいものまで) 思いついた夢は一つずつ実現中! ゼロワンを所有(12/5済)  ゼロワンでサ...

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