2014年06月15日
僕は2か月振りに師匠のところを訪れていた。
先日、ポルシェ乗りのおじさんに言われたことを相談するために
それと、急に言う事を聞かなくなったゼロワンについても聞きたかった。
工場にはいろいろなクルマたちがいた。
奥で作業していた師匠が僕たちのことに気が付き、
作業を中断して近寄ってきてくれた。
「やぁ、久し振り、ゼロワンの調子はどう?」
「そろそろ、来るころだと思ってたよ」
「だいぶ、走り込んできたかな。」
さわやかな笑顔で話しかけてきてくれた。
師匠からは、なるべくゼロワンに乗ってやってほしいと頼まれていた。
「はい、天気のいい日は近くの散歩コースを走っていました。」
「すごく気持ち良くて楽しくて、ゼロワン最高にいいクルマですよ」
師匠に今の現状をぶつけることができなかった。
隣でゼロワンも釈然としない顔で僕を見つめていた。
「そうか、それは良かった。」
「ところで、今日ここに来たのは何か相談があったからじゃないのかな」
師匠は僕を怪しそうな目で見ていた。
ゼロワンも頷きながら僕の横腹を突いてくる
「それが、先日ゼロワンが急に言う事きかなくなって・・・」
僕は目を泳がせながらしぶしぶ答えた。
「そうじゃないでしょ、あたしの調整についてでしょ」
「あたしを悪いように言わないでよ」
「あなたの運転が下手だから言う事聞かなかったんでしょ」
ゼロワンがおこりながら痛いところを指摘してきた。
「急に言う事を?」
「どんな感じだったのかな?」
師匠がその時のことを聞いてきた。
僕はその時の状況を大まかに説明した。
ポルシェが前にいて、それを追いかけてコーナーに入り
ハンドルを回したが思ったほど曲がれなくて反対車線にはみ出したことを・・・
「ゼロワン見てもいいかな?」
黙って聞いていた師匠が僕にゼロワンを見ていいかと聞いてきた。
「えぇ、いいですよ。師匠がゼロワン作ったんだし、」
「イイに決まってるじゃないですか」
僕がそう答えると
「いや、ゼロワンの今の持ち主は君だからね、礼儀は必要だよ」
師匠が改まって答えた
隣でゼロワンがうなずいていた。
つづく
Posted at 2014/06/15 12:23:33 | |
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妄想 | 日記
2014年05月25日
何だか小説が書きたくなって書き始めてしまった。
小説を書くキッカケは、台湾で仕事をしてもう4年、
車を運転する機会がめっきり減って、
暇つぶしにラノベを読むようになった。
最近のラノベは、中学生や高校生が主人公でラブコメやファンタジーが多く
それはそれで楽しいのですが、クルマが出てくることは無いですね。
そこで、無いなら作ってしまえと言う事で書き始めました。
登場人物は運転する人とクルマとクルマを作る人、
これだと男ばかりで可愛さが全く無いので、
クルマを擬人化しました。
クルマの妖精さんです。
これでラノベの要素が盛り込まれて楽しい小説が書けると思いました。
第1話を書いてみて、お話を考えるのはとっても楽しかったです。
反面、アイデアはいっぱい入れたいし、次にどうつなげるか悩むところでした。
まぁ、自分が今まで経験した事をおもしろおかしく書いていきたいと思います。
時には、このキャラ誰かに似てる?と思うことがあるかもしれませんが、
フィクションなので気にしないでください。
では、第2話をお楽しみに
Posted at 2014/05/25 21:17:41 | |
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妄想 | 日記
2014年05月18日
ゼロワンの更なる調整の相談のため師匠のもとを訪れようと移動していた。
師匠のいるところまでは高速で2時間ほど
ハイオクを満タンにしてゼロワンは高速を快調に走っていた。
100km/h巡航なのだが、快適とは程遠かった。
なんせ、屋根がない、ドアもないため、風が巻き込むどころか直接吹き付けてくる
風の勢いと言うものは、こんなにもすごいものかと今更だが痛感した。
1時間も走ると体力をかなり消耗する。
「そろそろ、休憩したら」
ゼロワンが柄にもなくやさしく声をかけてきた。
「そうだな、少し疲れたし、次のサービスエリアに寄るか」
僕もゼロワンの意見に賛成した。
程なくしてサービスエリアが見えてきたので、
休憩するためハンドルを左に切った。
サービスエリア内はほどほどにクルマたちが駐車していた。
開いているスペースを見つけてゼロワンを停車させる。
「トイレ行ってくる。」
そう告げると、僕はゼロワンから降り、トイレに向かった。
5分ほどしてゼロワンのもとに戻ってくると隣に赤い車が止まっていた。
ゼロワンとその隣に見慣れない子が立ち話しをしていた。
その子は、銀色のサラサラした長いストレートで背はゼロワンより少し小さかった。
顔立ちは、少し幼く色白だった。
「この子だれ?」
僕はゼロワンに尋ねた。
「さっき、隣に駐車したから声かけたの」
「フェラーリのF430って言うんだって」
「久しぶりのお出かけだからとっても嬉しいんだって」
ゼロワンが説明してくれた。
「こんにちわ、F430と申します。よろしくです」
F430は、丁寧にお辞儀をして挨拶してくれた。
「こちらこそよろしく」
「久しぶりってどのくらい走ってないの?」
僕はF430に聞いてみた。
「えーとですね、2ヶ月ぶり位です。」
「私のご主人様はお忙しくて、あまり、わたしと遊んでくれないです。」
「先週、お出かけする予定でしたが午後から雨になったので」
「お姉さまとお出かけされました。」
「ちょっと寂しかったけど、今日はわたしを選んでくれたので嬉しいです。」
F430はもじもじしながら話してくれた。
それにしても屋根とドアが有るにもかかわらず雨の日には乗らないなんて
とっても大事にしているのかと思っていると
F430の持ち主が帰ってきた。
さっぱりしたイケメンであったが少し会釈して車に乗り込んだ。
「それでは失礼します。ごきげんよう」
F430さんが慌てた様子でお辞儀をして行ってしまった。
遠くでF430のエンジン音が心地いい甲高い音を響かせていた。
「そろそろ僕達も行こうか」
ゼロワンに乗り込みサービスエリアを後にした。
つづく
Posted at 2014/05/18 17:06:19 | |
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妄想 | 日記
2014年05月14日
「そんなのいい分けないじゃない」
「私このままじゃ、いつかあなたの運転技術に答えられなくなる」
「そしたら、あんた、楽しくないから私のこと捨てるでしょ」
ゼロワンが少し怒ったような悲しい顔で訴えてきた。
「じゃ、どうしろって言うんだよ」
「調整すれば別のクルマになっちゃうし」
「今の君が好きなんだよ」
僕が困った顔で叫んでいた。
「あんた、馬鹿じゃないの、まったくの別のクルマになるわけないじゃないし」
「運転技術に見合った様に調整するだけなんだからね」
「あたしはあたしよ、ちょっと性格が変わるだけよ」
「今までの延長線だから特性は変わらないは」
ゼロワンが赤い顔をして叫んでいた。
僕も先ほどの言葉を思い出し顔を赤くしてうつむいていた。
「それじゃ、師匠のところへ相談に行ってみようか」
僕は先ほどの恥ずかしい言葉がなかったかのように明るく言った
「うん、」
ゼロワンも同意してくれた。
ガレージからゼロワンを出しエンジンを掛ける
調子よくエンジンが回りだした。
メーター類を確認する
「アイドル回転良し」「油圧良し」「水温はまだ上がっていない」
「ガソリンなし?」
ガソリンが減っていた。乗ってばかりで給油してなかった。
まずは、給油しにガソリンスタンドに向かった。
「オーライ、オーライ」
「いらっしゃいませ」
ガソリンスタンドの店員が元気良く給油場所まで案内してくれた。
「ハイオク、満タンで」
僕は店員に告げた。ゼロワンは師匠からハイオクを与える様に指示があった。
「エンジン、ハイオク仕様だっけ?」
僕はゼロワンに聞いてみた。
「ノーマルはレギュラーだよ、」
「でも、あたしは、エキマニとマフラーがレーシング仕様だし」
「フライホイールも軽量になってるからエンジンにやさしいのはハイオクね」
ゼロワンが偉そうに答えた。
「なに威張ってんだよハイオク高いんだからな」
僕はいやみっぽく言ってやった。
「あたし、デリケートなんだから仕方ないじゃない」
ゼロワンがすました顔で言い返してきた。
「あのー、給油口が開かないんですけど」
スタンドの店員が尋ねてきた。
「あ、すみません」
と言いながら、
僕はゼロワンの給油口を開けて給油してもらった。
つづく
Posted at 2014/05/14 15:58:02 | |
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2014年05月12日
ガレージの中でゼロワンに乗り込んで
僕は930のおじさんに言われたことを考えていた。
自分の運転技術が向上するに連れてゼロワンに不満が出てくる
そうなのだろうか?
今のゼロワンが最高なんじゃないだろうか。
運転もたのしいし、言ってることもわかる。
これより調整してしまうと運転しても楽しくないのではないか
ゼロワンの声が聞こえなくなるのではないか
いろいろ考えていた。
「あんた、難しい顔して何考えてるの」
「考えてる振りして、ハンドルさすらないでよ、くすぐったいよ」
ゼロワンが心配している様な恥ずかしそうな顔で覗き込んできた。
「え、あ、うん、ちょっと考えごと」
ちょっと気のない返事になってしまった。
彼女に伝えるかどうか悩んでいた。
「だから、ハンドル擦るのくすぐったいからやめてよ」
ゼロワンが赤い顔してもじもじしていた。
なに赤い顔しているのか良くわからなかったが、ハンドルから手を離した。
「おまえ、速く走りたいか?」
おじさんの言ったことは速く走るにはどうするかってことだよな
ゼロワンはどう思っているか聞いてみたかった。
「速く走る?そんなの当たり前じゃないクルマだからね」
「でも、それは3番目かな、1番は安全に走る、2番は快適に走る」
「これは一般的な話ね、」
「サーキットなどの一定条件下では快適と速いが逆転するかな」
「ところで何でそんなこと聞くの?」
ゼロワンが当たり前だって顔で答えた。
「先週、ポルシェに会った時言われただろ、おまえに抑えられている性能がある事」
「それをすべて使って走りたいのかな?って思ったの」
僕は自分の技量のなさからゼロワンに我慢の強いていることが
悔しく恥ずかしかった。
「別に我慢なんかしてないよ」
「それよりもあんたがいて、走れることのほうがずっとうれしい」
「クルマなのに走れないなんて悲しいじゃない」
ゼロワンが走れることを本当にうれしく思っているように見えた。
「じゃ今のままでいいんだよな」
僕はほっとした表情で確認した。
つづく
Posted at 2014/05/12 20:43:20 | |
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