風薫る五月。
五月雨は緑色という歌詞もありますように、新緑美しい季節はまさに夏も近づく八十八夜といった風情でしょうか。
そのようにいろんな言葉で言い表せられるように、この時期というのは夏を待ち焦がれる人々がいかに多いのかということが窺い知れます。
じっとしているだけで大量の汚汗が滝のように流れ落ちてくる超デブの僕にとっては地獄の季節ですが…。
そんな5月といえば、世間の皆様は大型連休であちこちに出かけられたと思いますが、そのGWに限らず、盆暮れ正月、僕の仕事は至って平日。
みんともさんもGW期間中は非常に忙しかったようなので、GW後に長距離ドライブと称して一緒にオフ会に行ってもらいました。
みんともさんとのオフ会の目的地はいつも相談して決めているのですが、みんともさんは自然と景色のいい場所が好きということ、僕は人ごみが苦手ということもあって山間部に行くことが多いのですが、今回は海のほう、岬を目指してみましょうということになりました。
待ち合わせ場所でみんともさんのCX-5に乗り換え、高速道路で数時間。
いつもそうですが、初めて立ち寄るSAは少しワクワクします。
インターを降りてすぐの観光案内所で所要時間や周辺の施設の情報を教えてもらい、目的地の岬を目指しました。
岬というのはどこもそうなのか勉強不足な僕にはわかりませんが、海岸線に沿って走る道は想像以上に細く小さく曲がりくねっていて、防波堤に打ち上げられる波しぶきを盛大に何度も浴びたり、点在する小さな港町の光景に目を奪われたりと、快適な海岸線ではない、リアルな海辺の町がとても新鮮でした。
途中にあった展望台。
狭いながらもかなり流れの速い海峡らしく、時間帯によると激しい渦潮が見えるそうです。
実はここに来るまでの途中に観光案内所で教えてもらった場所に2箇所ほど立ち寄ったのですが、いずれも閉鎖されていました^^;
ここが最初の目的地でした。
海辺から山のほうへ、うねうねと細く曲がりくねった道を続いて辿りつく岬の突端の灯台。
灯台の先は展望所になっていました。
僕はあまり…というか、こういう場所にはまったく来ないのですが、海に囲まれた場所にある灯台というのはとてもきれいに感じました。
展望所にはこういった鐘があり…。
眺めのいい場所にこういう鐘があるのはよく見かけますが、これってどれも同じ形なのは気のせいでしょうか。
岬の先端だけあって、視界いっぱいに広がる水平線。
他に人がいなかったこともあり、みんともさんは「ちょっと海に叫んでみていいですか?」と。
そしてみんともさんが叫んだ言葉というのが…
「海が好きー!」
その言葉はあのアニメのあのキャラクターのセリフ。竜之介ー!
リアルタイムで見ていた僕と再放送や映画で見たみんともさん。
風は強かったものの日差しが温かく、爽快な景色の中、かなり長い時間そのアニメのことをはじめ、しばらくここで話しこんでいました。
その中で、みんともさんがそろそろ車の点検時期なんですと教えてくれました。
僕は車の知識がまったくない事からディーラーのメンテパックを購入しているのですが、あれって点検時期になるとわざわざ電話やハガキで連絡してくれるんですね!
みんともさんもメンテパックに入っているらしいのですが、毎回ハガキで連絡がきたあと、担当者から電話があるらしいのです。
そのたびに試乗車を1日中貸してくれたり、色々なサービスをしてくれるのがとても嬉しいのだそうです。
しかし僕のとこにはハガキでも電話でも連絡がきたことがありませんw
代車なんて話も出ず数時間待たされ続けますし、サービスでなにかもらったことなどあるわけもなく…。
営業店で違うのか、担当者で違うのかわかりませんが、僕のようなキモオタ醜男を店舗に寄せ付けたくないんだろうと受け止めています…^^;
灯台を後にし、岬から内陸のほうへ戻ってきた途中にあった休憩所。
霞んでいたのが残念ですが、夏の青空だときれいな眺めになると思います。
上の休憩所から少し先に進んだ場所に芝桜が植えてあるのをみんともさんが見つけて寄ってみました。
一面に咲く芝桜は目に鮮やかなものでしたが、何故か僕だけ蜂に威嚇されました^^;
先に進もうとすると僕の目の前でホバリング。横に回ろうとしてもそのまま横に移動してきて通行を阻止。
スズメ蜂ではなかったようですが、みんともさんいわく、恐らく僕の体型から熊っぽく認識されたのでかないかと…。
蜂の妨害を大きく迂回することで避け、その先にあった展望台。
エメラルドグリーンの海もきれいですが、陸を削り取る青々とした海は美しくもあり、恐さも感じます。
本当はこの後もう1箇所予定していた場所があったのですが、各場所でのんびりとしすぎたせいか時間的に難しいと思われたため、この日の宿へ向かいました。
この日の宿は有名な観光地にある小さな温泉宿。
街中にあるので立地としてはイマイチでしたが、部屋に入ってみると2人で「うわあ…」と声をあげてしまいました。
まず、入ってすぐの部屋。
みんともさんはこの机を見て「マツダの形ですね!」と反応。
なんのことだろうと思いましたが、あの三角のマークのことでした。確かに似て…ると思います。
この部屋には音響装置が置かれていて、部屋の露天風呂でも音楽が流せるとわかったみんともさんは車にCDを取りに行きました。
みんともさんが流していたCD。
VIDEO
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僕はジャズは…というか、音楽はアニソンばかり聴いてきてまったくもって疎いのですが、空間に広がるような音の響きがとても心地よかったです。
部屋の横は大きなガラス戸になっていて、その奥に内風呂と露天風呂が見えました。
ということはこの部屋は居間というより、入浴時の休憩スペースといった感じでしょうか。
とても広い檜の内風呂と、外の露天はツルツルとした材質で作られていました。
内風呂は浴槽だけではなく、部屋のほとんどが檜で造られていて、とてもいい香りでした。
そしてこの部屋には2階がありまして…。
2階が居間と寝室でした。
広い!豪華!
しかも「HULU」が導入されていて、いろんな映画も視聴することができました。
1階の敷地はすべてお風呂のため、2階は居住空間として。
2階建ての離れの部屋は予想以上に贅沢な造りでとても驚きました。
そんな贅沢な造りの部屋だったのですが、みんともさんがとても気に入ったのは…
階段の下の小さな収納スペース。
落ち着くのだそうです^^;
この宿は食事は提供しない素泊まりを基本とする宿でしたが、素泊まりにしてはちょっと高いなと思っていた宿泊費も納得の贅沢さでした。
その代わり、持ち込みはもちろんですが、いわゆる店屋物を各部屋で自由に注文してよいらしく、いろんなお店のメニューが置いてありました。
当初は近くの居酒屋で地元の名産でも食べる予定だったのですが、みんともさんはこの部屋をそうとう気に入ったようで、「ここに住みたい」「もう出たくないですねぇ」と言っていましたので、夕食は店屋物ですませました。
僕としてもそのほうがいろいろと好都合でしたので…。
この日は霞んでいたものの「晴れてはいないけど曇りでもない」くらいの天気でしたし、翌日も晴れのようでしたので、久々に天候に恵まれてよかったと思っていたのですが、深夜から明け方近くにパラパラと小雨が降り、チェックアウトの時はみんともさんのCX-5をはじめ、他の宿泊者の方達の車も黄砂コーティング+小雨仕上げ+きっちり乾燥で無残な姿になっていました^^;
やはり、どうあっても絶対に雨は降らせたいようです^^;
しかしその雨のせいか、翌日は前日よりも霞は晴れていたようでしたので、まずは宿の近くにあった展望所へ。
山から海へ向かう一帯が見渡せる素晴らしい景色でした。
宿のあった町は坂道が多く、そのどれもが同じほぼ方向・勾配で、扇状地ということを非常に実感できる町だったのですが、それが視覚的によくわかる眺めでした。
あまり知られていない場所かと思いましたが、けっこう多くの人が訪れていました。
次に訪れた場所はみんともさんが強く希望したこの場所。
けっこう急な坂道を上っていくと、少しずつただならぬ雰囲気に。
なんとも荒々しい風景のこの場所は活火山。
このすぐ後ろには小さいながらもその火口が見えるのです。
これだけ近くで火口を見たことは初めてでした。
今噴火したらどうなるだろうと考えるとなんとも恐ろしかったです。
いわゆる大自然の美しい景色というもののほとんどは激しい火山活動の結果によるものでしょうし、その力は人類の英知など太刀打ちできないものでしょうから、以前みんともさんが話していた「自然の景色を見て美しいと感じる心はもしかすると畏怖なのかもしれない」ということもよくわかります。
この場所はみんともさんが毎週欠かさず視聴しているという某国営放送の地理番組で紹介された場所で、みんともさんはそれを観て「行かねば」と思ったらしく、人気番組だけあってその影響か、かなり多くの方が訪れていました。
この後は特に予定もなく、ドライブがてら遠回りしながら高速の入り口に向かっていたところ、ちょっと変わった形の山が目に入りました。
卓状台地というのでしょうか、山のほうに近づいていくとどうやら頂上は公園になっているようで、それは面白そうだということで頂上を目指すことに。
勇んで向かったはいいものの、CX-5の車幅では厳しい山道を対向車が来ないように祈りつつ頂上に向かいました。
ここの運転はみんともさんだったのですが、i-dmの点数を落とさなかったのはさすがでした。
頂上に到着。
まるでカルデラ台地のような、期待どおりの絶景でした。
駐車場から下りると平坦な頂上を利用して一帯が公園のようになっていました。
ここの敷地に入った時からすぐに目につき、これは恐らく…と思っていたら、予想どおり「あー♪」と大きく反応して他には目もくれずみんともさんが向かったのは…
大きなブランコがあったのです。
なるほどこの景色の中でのブランコはさぞ爽快だと思います。
空に飛んでいくみんともさん。
かなりはしゃいで漕いでいました。
それでも安全のためか大きく揺らすことはできないようでしたので、倍以上の体重の超デブの僕なら大きく漕げるかと思いましたが、やはり無理でした^^;
ブランコで遊ぶなんていつ以来でしょうか。
小さい頃もそうだったように思いますが、この景色のせいか、ずっと漕いでいられるほどに楽しい気持ちでした。
そうして遊んでいると、公園の職員らしきおばさんが「あそこで休んでいかれませんか」と声をかけてくれました。
おばさんが案内してくれたのはこの建物。
景色を見ながら休める休憩所のようでした。
なんでも有名な建築デザイナーの方が設計されたものらしく、なるほどちょっとオサレな感じの建物。
眼下に広がる景色を見ながら、山間の谷には川が流れ、それが大きな川に繋がり、それぞれの川に沿って人が住み、平野部に広がっていくという、人の町の成り立ちがよくわかりますねと、そんなことを話していました。
そして外では時期柄、鯉のぼりがいくつか気持ちよさそうに風に泳いでおり、その鯉に向かってみんともさんが…
「カープ優勝!」
なるほど^^;
そういえばチケットが取れないことを非常に嘆いていました。
予定外で訪れた場所でしたが、とても緩やかで穏やかな空気が流れていて、今回の行程の中でも非常に充実した時間になりました。
あまりにのんびりとした雰囲気だったためか思いのほかけっこうな時間を過ごしており、この後は最初の待ち合わせ場所へ戻りました。
今まではみんともさんの住む地域の近くで待ち合わせしていたのですが、今回からは僕の住む地域の近くまでみんともさんが来てくれることになりました。
僕の体調や家計に配慮してくれてのことだと思いますが、そもそもこんな若くてかわいい女の子が僕みたいな超デブキモオタ中年醜男と一緒に旅行してくれるのですから、旅費はもちろん、それに加えて高額の謝礼金を払ってもおかしくないと思うのですが、「折半じゃないと行きません」と言われています。
せめて食事代だけでもと何度も交渉して、ようやく「じゃあお土産を1つだけ買ってください」という状況です…。しかも僕に選択権はありませんので、いつも安いお菓子を選ばれてしまいます。
そんな状態なのに、待ち合わせ場所まで気を遣わせてしまってるという…。
本当に情けなく、頼りなく、気持ち悪いブタ野郎だと思います…。
そういう心持ちではありますが、みんともさんとお別れの時はやはりどうしようもなく「早く会いたい、次はいつ会えるだろうか」という自重できない薄汚い気持ちでした。
そんな僕のキモい心情はともかく…。
かなり霞んではいましたが、久々に晴れた日にドライブ旅行ができて本当によかったです。
やはり晴れた日のドライブは非常に気持ちのいいものですが、これからの時期、僕はじっとしていても汚汗が流れ落ちてくる、周囲に不快感を撒き散らすばかりの存在になってきます…。
そんな僕にもイヤな顔ひとつせず優しく接してくれるみんともさんと早く次のお泊りオフ会に行けることを心待ちにしています。