出た時は寒かったのに帰ってきたら寒かった。
どういうことかと言うと…ついに、ついにその日がやってきたのです。
ついに!ついに!みんともさんとお泊まりオフ会へ行くことができたのです!
※また無駄に長くなってしまっているので、ここで引き返したほうがいいと思います…。
みんともさん自身のお仕事が非常に忙しかったこと、コロナ禍、僕の定期的な検査入院。
いろんなことが重なり、すでにもう半年以上ずっと会えていませんでした。
そうなるともう、どんどん悲観的な気持ちになっていくわけです。
いつかは身を引かなくてはいけない時がくる、そう覚悟はしているものの、できるだけ長く、願わくば永遠にこの関係が続かないものかと、どこか期待しているわけで。
しかし、会えない期間が長くなるほど、そんな期待値もどんどん下がっていき、悲観的な考えばかり浮かんできます。
自分より半分近く若い女の子…それも見た目から中身まで完全に理想どおりで、その容姿や性格や雰囲気はまさにエロゲから出てきたような女の子。
そんな女の子がこんな超デブの中年キモオタなんかとこんな関係になってくれるなんて、やはりエロゲの中の出来事なわけで。
やはりみんともさんは僕の重度の妄想が作り出した幻だったのではないか。
これだけ会えていないと、みんともさんもそんな非現実的なことから解き放たれてしまって、現実の世界に戻ってしまうのではないか。
そんなことばかり考えている中、みんともさんとのLINEのやり取りや、時々話してくれる電話(今はテレビ電話があって助かりました)が心の支えでした。
そして夏が過ぎ、コロナ禍の規制も一旦緩和され、みんともさんは長期のお休みがとれるようになったらしく「久しぶりにどこかご一緒しましょう!」と…。
ついに…!ついに…!やっと…!やっと…!
情けないことですが本当に涙が溢れ出てしまいました。
行きたいところは相談するでもなく、すぐに決定。
日程を決めて、その日を待つばかり。
そして久々に執り行う恒例の儀式、1週間前からみんともさんの画像や動画で自家発電し、放電寸前で停止する行為を完遂し、当日を迎えました。
いつもなら待ち合わせ場所に向かう間、ただでさえこんな超デブのキモオタ中年と一緒なのに天候まで悪かったら申し訳なさすぎる…と、発電棒を漏電させながら天候のことなど心配していたりするのですが、今回はそんな余裕ありませんでした。
漏電どころではなくなっている状態のまま、ただひたすら、一刻も早くみんともさんに会いたいと、そればかりでした。
そして待ち合わせ場所で待っていてくれたみんともさんの姿を見つけると「本当にいた…本当にあの子と…!」と、頭の中は緊張と興奮で混乱しながら発電棒は自我を持って勝手に動き出しそうなほど超反応。
「ご無沙汰してますねぇ♪」と、その笑顔と声だけでもう危険な状態。
なんせこの半年以上。
1日平均3回、休日になると5回以上の僕の自家発電活動において、そのほとんどの発電材料はみんともさんの画像や動画だったのです。
いつもなら観光気分でどこかへ立ち寄ったりするのですが、今回ばかりはなるだけ早く宿泊場所へ…!
今回は過去最長、4泊してもらえることに…!
僕の目的はただ1つでしたし、みんともさんもあまりに忙しかったせいか「とにかく日常から切り離されたい」とのことでしたので、何度か利用させてもらってすっかりお気に入りになっている宿に連泊して、とにかくなにも考えずに過ごしましょうということになったのでした。
1番近くのお店まで車で20分という山奥の中の広大な敷地にぽつんと建つ1棟貸し切りの宿泊施設。
チェックイン時に管理の人に挨拶すると、本当に誰1人すれ違うことさえないのです。
過剰なサービスはありませんし、しませんが、あるものは好きに使ってくださいという、山奥に1棟だけの貸し切りで放置してもらえる。
こういう場所しか無理だったのです。
なので、チェックインしてから翌日のお昼近くまでは食事も摂らず、寝ていません。なにかを食べる時間さえもったいなかったのです。
翌日のお昼くらいに僕もみんともさんも気絶するように眠って、夕方暗くなり始めた頃に目が覚めて、ようやく少し理性が戻った感じでした。
さすがにお腹がすきすぎていたので、早速食事の準備。
今回も途中のお店で4日分の食材を買い込んできていました。
囲炉裏での火熾しもだいぶ慣れてきました。
適当に炭を放り込んでガシガシ風を送ればいいコンロやグリルと違って難しいんですよね。
この地域のお店の食材はとにかく安くておいしい。
囲炉裏で焼物という雰囲気も相まって非情に美味です。
その翌日。
ずっと部屋に篭もっていてもよかったのですが、少しお出かけしてみましょうということになりました。
以前から書いていますが、みんともさんは「誰からでもすぐに話しかけられる」という特性があります。
恐らく小柄で童顔で人畜無害そうな愛らしい顔立ちという小動物的な印象があるからだと思われますが、この日はそれがいかんなく発揮されました。
まずはなにかのCMで有名になったらしいトンネル跡があるようでしたので、そこに行ってみることに。
山際の道に突然現れました。
ここの鉄道を通そうとしていたのでしょうか、普通のトンネルの形と違って、かなり独特の印象がありました。
少し異様な印象さえあり、薄暗くなる時間帯だとちょっと怖いのではないでしょうか。
ここに鉄道を通そうとしていたということは、この地域にそれだけの生活があったということなのでしょう。
これまでにも廃線跡など見てきましたが、時間旅行の入口に立っているような不思議な気分になります。
で…。
僕とみんともさんはトンネルの端で写真を撮ったりしていためけっこう離れていたのですが、そこへ後からやってきたライダーさんがみんともさんに話しかけていました。
「な、なにか話してる…」と、焦りながらも恐る恐るトンネルの向こう側で話しているみんともさん達のほうへ歩いていったところ、僕のほうをチラと見ただけでみんともさんと話し続けるライダーさん。
僕がみんともさんの近くに来ると「あ、じゃあ一緒に行ってみますね、ありがとうございます!」というみんともさんの言葉に「え?!」という感じで僕を見て「え?あ、そうなんですか?…じゃあ…」と立ち去るライダーさん。
どうやらすぐ近くの橋のことを教えてもらっていたようで、よかったら案内がてら一緒に行きましょうか…ということだったらしいです。
そこに僕のような豚男が近づいてきても…そりゃこんな子とこんな超デブ中年キモオタが一緒に行動しているとは思われませんよね…。
そしてライダーさんに教えてもらった橋に行ってみることに。
立派な二連の石橋。
これは確かにすごい。堂々とした構えです。
しかしこの橋はそこじゃなく、時間帯によっては橋の影と光が合わさってハートマークに見えることが有名らしく、その時間帯が近かったようでけっこうな人数が見にいらっしゃいました。
↑わかりにくいと思いますが、そういうことらしいです。
そして写真を撮るために橋下に降りて戻ってきてみると、老夫婦と話し込んでいるみんともさん。
老婦人とはいえ、旦那様と共にとても品のある方で、みんともさんも楽しそうに話していましたが「ところでどういうご関係なの?」と、直球で聞いてくるあたり、さすがだな、と…。
容姿や雰囲気だけじゃなく、なにより年齢差もありますからね…。
「良い友人です」とみんともさんがにこやかに答えると「そうなのね、色々あると思うけど仲が良いことが1番だからね」と、色々察してくれたようですが、とても和やかに話すことができました。
「ああいう方が仰ると重みがありますね」とみんともさん。
そして宿に戻ろうとしたのですが、走り出したところですぐに道が逆だと気づき、方向転換。
少し走っていると、前を走っていた白い軽自動車が脇道に入ったのですが、すぐに出てきてみんともさんの車を追いかけてくるかのように接近。
なんだろうと警戒して先に行かせようとしたら軽自動車も止まって人が降りてきました。
煽ったと勘違いさせるようなこともしてないし、なんだろうと思っていたら、降りてきたのはにこやかな老紳士。
「橋を見に来たんじゃろ?他にもいろいろあるけんこれを見てみんね」と、新品の観光パンフレットを渡してくれました。
「え!これを渡すためにわざわざですか?!」
「うん、さっき道間違えたりしよったけん、橋ば見にきたんじゃろうねと思うて追いかけた。せっかくやけん色々見てまわって!」
みんともさんと2人「なんてご親切な!」と、おおいに感激し、せっかくだからと教えてもらった橋に行ってみることに。
苔むした姿がなんとも趣きのある石橋。
すぐ近くを幹線道路が走り、その道が開通されたため使われなくなったのでしょう、忘れ去られたようにひっそりと佇んでいました。
橋の横に滝があり、周囲の雰囲気と共に非情に風情がありました。
「うわあ…これはいいですねぇ…」と、みんともさんもその情趣に心奪われるといった様子でした。
橋の風情も素晴らしかったのですが、橋のたもとにあった木もすごかったのです。
最初はただの倒木かと思ったのですが、根本を見てみると、横向きに生えているのです。
長く伸ばした枝はずいぶん先のほうまで伸びていて、途中で見失うほどでした。
ここまで枝を伸ばすのにはたしてどれくらいの年月がかかったんだろう。
橋の姿と共に、時の流れを感じずにはいられない場所でした。
ではそろそろ宿に戻りましょう…と車を走らせていたのですが、途中にあった工芸品のお店にみんともさんが興味を示し、立ち寄ってみたところ…。
他にも複数のお客さんがいらっしゃったのですが、店主らしき若い男性が熱心にみんともさんに話しかけてくるのです。
自分が何故この仕事をしているのか、仕事に対する熱意や意義、作品に対する思い、将来の展望…
当然ながら僕の存在など眼中にない様子で、とにかく熱心にみんともさんに語っていたのです。
みんともさんもお仕事柄、話を展開させるのに長けていますので、ますます話に熱が帯びる男性。
僕はもちろんのこと、他のお客さんにも目もくれず、みんともさんに何度もお茶を出して語り続けていました。
かれこれ1時間ほど経過して、さすがにみんともさんが話を切り上げようとすると、裏に個人的な連絡先が書かれた名刺を渡されていました。
「すいません…悪い人じゃなかったから、なかなか話を切れずに…」と、申し訳なさそうなみんともさん。
小一時間ほど出かけるはずでしたが、宿に戻ってきた時にはすっかりお昼も過ぎていました。
宿に戻ると食事の仕込みを始めるみんともさん。
「さすがに4日間も焼物ばかりはなんでしょうから、なにか食べたいものはあります?」との質問に、いろいろと思案しましたが、以前作ってもらったビーフシチューとオムライスをお願いしていたのです。
スポーツでも芸術でも仕事でも、なにかしら道具を使う作業は、その道具を持った様子だけでその人の経験が見て取れますが、料理においてはそれが殊更顕著な気がします。
本人は「あまり得意じゃないです」というわりに、てきぱきと複数の作業をこなしていくみんともさん。
そしてようやく本来の目的であった「この環境でなにも考えずダラダラ過ごす」ことになりました。
本を読んだり…
ぼんやり景色を眺めたり…
明るいうちからお風呂に入ったり…
ボードゲームで遊んだり…
途中で買ってきたケーキを食べたり…
前日に仕込んでおいてくれたシチューを使ってオムライスを作ってくれたり…
世の男性は彼女やお嫁さんのこういう姿を当たり前のように見れているんでしょうね…
夜になると人の暮らす町と完全に切り離された環境というのが、より感じられます。
深夜にデッキに出たりすると、真っ暗で虫の鳴き声しか音がない中、横の草原で獣が動き回る音が響いてちょっと怖かったりします。
次の日もまた本を読んだり…
大袈裟じゃなくて、本当に誰もいないし来ない場所なので、自然の音しかせず、とても静かなのです。
風が通り抜けていく感覚とか、スズムシやコオロギは昼間から賑やかに鳴いていることがよくわかります。
また景色をぼんやり眺めたり…
またボードゲームで遊んだり…
夜はswitchで遊んだり…
とにかくそんなふうに、残りの時間は特になにもせず過ごすことができました。
僕としては半年以上会えなかったみんともさんにようやく会えて、こうして少しでも長くみんともさんと2人だけの時間を過ごしたかったので、とても充実したオフ会になりました。
最終日、名残惜しそうに景色を眺めるみんともさん。
解散場所へ向かう時は「またしばらく会えないのか…」という気持ちになるので、どうしても落ち込みぎみなのですが、解散する時に「今年はけっこうお休み取れそうなので、いろいろご一緒してくださいね!」と言ってくれて…!
それがどんなに嬉しいか…でも帰り道はやっぱり「ああ!好きだ!好きだ!本当に大好きだ!」という感情でいっぱいになり、汚涙を流しながらの帰路でした。
とにかく、ようやくみんともさんに会うことができました。
心のどこかで半信半疑になっていたみんともさんという存在も、本当に存在したということにどれだけ安堵したか。
いつか身を引かなければいけない時がくる。
その覚悟はあるけど、願わくばそれはずっと先であってほしい。できれば永遠に。
そんな気持ちをあらためて痛感したオフ会でもありました。
そして、オフ会に出かけた時はまだ暑いくらいだったのに、帰ってきた時は肌寒く、わずか5日の間で季節は少し進んでいたようです。
また季節が変わらないうちに一緒にお泊まりオフ会ができればと日々願うばかりです。