新しい年になり、月も変わり、お正月気分もすっかり抜け…るはずなんですが、そもそも僕みたいな底辺層の者が正月気分など味わえるはずもなく、例年どおり作業中にいつの間にか年が明けていました。
しかし世間様においては正月気分が抜けきった頃に新たな変異種が猛威を奮い始め、大騒ぎになっています。
交友関係などほとんどなく、基本的に部屋でエロゲざんまいの僕みたいな社会のはみだし者の立ち位置から見てると、そりゃそうなるでしょという状況ではあります。
そんな引き篭もり同然の僕がなにがなんでも外出する理由は、みんともさんとのお泊まりオフ会。
みんともさんはお正月時期は忙しいので、落ち着いた頃、一緒に行ってもらうことができました。
しかしその頃にはすでにオミクロンさんが大ブームでしたので、用心のためにも宿でのんびり過ごしましょうということになり、僕としては願ったり叶ったり。
みんともさんと一緒にいろんな場所を見て周るのも嬉しいですが、僕にとって1番重要なのは、やはり宿にいる時間、2人っきりの時間がどれだけあるかですから!
そういったわけで、いつもの儀式を執り行い、待ち合わせ場所で合流した後はそのまま宿へ直行。
もはや毎月来てるような宿。
周囲も静かですし、窓から見える景色も木々ばかりで落ち着けるんですよね。
そしてなにより温泉!
冷え込んだ期間でもありましたので、温泉がよりいっそう身にしみました。
広い部屋、6畳の部屋が2つ、充実した台所設備、かけ流しの温泉が内湯と露天とあり、建物自体は古いですが、スペック的にこれだけ揃っててありえない安さなんですよね。
これまでにもみんともさんと一緒にいくつかの宿を利用しましたが、これが普通の温泉宿だったら、素泊まりでも倍近くの金額になりそうな。
そういうこともあって「ここ知っちゃったら、他の宿は躊躇しますよね」と、よくみんともさんと話しています。
宿の敷地も広く、周囲を歩いて周るだけでもちょっとした散歩になります。
しかし、冷え込んだ時期とはいえ、バーベキュー施設の流しの水が凍っていたのには驚きました。やはり山間部の冬は厳しいんですね。
そして女将さんにすっかり気に入られているみんともさん。
「明日はあたし達も出かける用事もあるし、予約も入ってないから、好きなだけいていいのよ」とまで言ってもらえました。
しかしそれに甘えるみんともさんではなく「ああ言ってもらえましたけど、ちゃんと出ましょうね」と、いつもどおりきっちり後片付けをして時間どおりに宿を出ました。
それにしても、いつもいつも、最初の頃からずっと、いつの間にか用意されていたり畳まれている僕の着替えの服やタオル、いつの間にか片付けられている荷物、「男の人に手伝わせるなんて女の恥ですよ」と、食事の準備も後片付けも「座っててください」と手伝わせてもらえなかったり、なにをするにも常に僕のことを優先してくれて…
みんともさんに言わせると「私は価値観が古いんですよ」「私のほうが年下で女ですから当たり前です」「女ですから男の人に尽くすのは当然です」らしいのですが…
若くて可愛くて性格もよくて真面目で、絶対いいお嫁さんになるし優良な男からの誘いも多いのに、こんな超デブ中年キモオタとこんな…
本当になんでこんな子が存在するんだろうといまだに思いますし、やはりエロゲから出てきてくれたとしか思えないんですよね…
僕は自分でも不運な星の下にいるという自覚があるのですが、その間に溜まりに溜まった幸運でみんともさんに出会えたのだと思います。
そう考えると、もし、あの時、みんともさんと遭遇していなかったら…と思うと、本当にゾッとします。
中学生の頃の僕にみんともさんの写真を見せて「すごく辛いだろうし、もっとひどいことも続くけど、それでもずっと耐えていればこのお姉さんと出会えて、こんな関係になってくれるよ」と教えてあげたいです…理想の女の子像はあの頃から変わってないわけですし、そういう希望を与えてあげたいです。
今回もまた3泊してもらえることになっていたので、ドライブがてら次の宿へ向かいます。
ここのところは時間的にちょうどいいこともあって、先ほどの宿をチェックアウト → 途中で食材を買って次の宿に移動、というルートが定着しています。
何度か書いていますが、みんともさんとのお泊まりオフ会の時はいつも「設定」をお願いしています。
「ご主人様とメイド」「血の繋がらない兄妹」「学校でいじめられている肥満児の小学生男子とその子を旅行に連れてきてくれた近所に住む可愛いお姉さん(これは僕の幼少期の強い願望)等。
「ご主人様とメイド」の時は僕のことを「ご主人様」、血の繋がらない兄妹の場合は「お兄ちゃん」と呼んでもらうようにしていて、オフ会の間にそれが「設定」だということを忘れて、お土産屋さんとかの人前でも思わず僕のことを「ご主人様、これいかがですか?」と話しかけることもあったりして、近くにいる人から怪訝な顔をされて慌てて気づくことも多いです。
以前はこの「ご主人様とメイド」という設定をお願いすることが多かったのですが、みんともさん自身の母性の強さと慈愛の深さからしっくりくることもあって、ここのところはずっと「学校でいじめられている肥満児の小学生男子とその子を旅行に連れてきてくれた近所に住む可愛いお姉さん」をお願いしています。
そうすると僕への呼び方が「太くん」「ボク」となるのですが、今回もこの設定をお願いしており、スーパーで食材を買っている時にみんともさんが「ボクはこれ食べたい?」と話しかけてきてところを近くにいたおばさんが聞いていたようで、ものすごく不思議そうな顔をされました。
当人よりはるかに年上の中年の醜い男に、小さい子供を相手にする時みたいに話しかける若い女の子。
「ご主人様、~でしょうか?」ならばまだそういうこともあり得るのかもしれませんが、さすがに違和感がありすぎだったと思います…。
というわけで翌日の宿。
ここ半年ほど月に1回の頻度で利用させてもらっていることもあり、みんともさんも「帰ってきたって感じですね」と。
管理人さんにも「いい加減に飽きてないですか?」と聞かれるほどで、「いえ、全然」と即答するみんともさん。
みんともさんもお土産を持参するほどで、今回も管理人さんからたくさんの海産物をいただいていました。
そういった商売っ気のなさが心地よく、何度も来たくなるのだと思います。
この施設では室内の囲炉裏を使ってバーベキュー的な食事が多いのですが、以前みんともさんが作ってくれたすき焼きが非常においしかったので、今回もすき焼きをお願いしました。
あまりにおいしくて、どんどん食べていたらみんともさんから「明日のぶんも残しておいてくださいね!」と注意されるくらいおいしかったです。
翌日、以前この地域を訪れた際に親切なご老人から教えていただいた場所に行ってみました。
道の横にある水路を辿っていくと…
立派な石橋へ繋がります。
用水路は橋の中へと続いていました。
こういうのを水路橋というらしく、当時の方々のご苦労が偲ばれます。
みんともさんは
多分この時に見に行ったことが切欠だと思うのですが、用水路に惹かれてしまうようなのです。
僕達が行った時には残念ながら用水路に水は流れていなかったので、川のように流れていく様子を見てみたかったです。
どうやら先の災害で大きな被害に遭ったようで修復の形跡が目立ちましたが、それでもこういうものを見ると水というものが人々の生活に不可欠だということがよくわかります。
みんともさんが熱心に説明版や地図を見ていると、自然歩き中の男性が通りがかり、例によってみんともさんが話しかけられていました。
その方の話によると、遊歩道的なものがあるものの、やはり震災による復旧はまだそんなところまでは及んでいないようでした。
宿に戻って少し遅い昼食。
前日に食材を買っている時にカレーもいいかもですねという話になり、昼食にちょっとお高いレトルトのカレーにしましょうということになっていたのでした。
500円前後の(僕にとっては)贅沢なレトルトカレーを吟味した結果、邪神ちゃんファンのみんともさんはボンディのチーズカレー、僕は名前だけは聞いたことがあるけど食べたことがなかったバターチキンカレー。
みんともさんが作ってくれたベーコンサラダと共に食べました。
噂のバターチキンカレーも、みんともさんのボンディのカレーも、当然ですがいつも食べてる3袋100円ちょっとのレトルトカレーとは比較にならないほどおいしかったです。
それにしても…こうして女の子が食べていたものを分けてもらえるとか、こんなことができる日がくるなんてあの頃の僕には想像さえできなかったなぁ…。
天気がよかったため、いつもならデッキに出て自然の環境を感じながら読書することが多いみんともさんでしたが、さすがにこの時期の冷え込みは厳しく、部屋の中で過ごしていました。
夕食後はいつものようにスイッチが大活躍。
簡単なゲームをいくつか遊びますが、やはり体を動かして遊ぶゲームのほうが盛り上がります。
みんともさんの動きを見てるだけで楽しいですし…。
今更ですが、こうして可愛い女の子と一緒にゲームで遊べるなんて…。
初めて購入したエロゲの中の1つ「加奈子さんの憂鬱」で憧れて、それから数十年して叶えられたということです…。
加奈子さんが可愛くて可愛くて…「あぁ、こんな子が突然訪ねてきたりしないだらうか、僕ならば血を吸わせてあげて永遠に一緒にいるのに」と悶々としながらとめどなく自己発電していました。※加奈子さんは吸血鬼なのにとても気が弱くて無理やり血を吸うことができない子なのです。
思えばこの加奈子さんも「ほっそりしてるけどお尻は大きい」という、僕の理想の女の子像になった切欠の1つだったと思います。
帰る日の朝。
山間部だけあって朝方の冷え込みはかなりのもので霜が下りていました。
驚いたのは段差になっている箇所の土から横向きに立っていたこと。
これを見て何故か「ああ、冬っていいな」と思いました。
そして解散場所へと向かう途中の話の中でちょっと心が動揺する話がありました。
普通の人にとってはなんの変哲もないことで、いつかそのことも書ければと思いますが、そのことについてみんともさんとの関係もいよいよ終わってしまうのかも…僕がそんな悲観的なことを口にすると「なんでそんなことになるんですか!大丈夫ですから!」と、笑ってくれましたが…。
解散場所でいつもどおりにお礼を言ってお別れして、いつもどおりに僕の車が見えなくなるまで見送ってくれるみんともさん。
いつまでこんな夢の世界が続くのか…少し憂鬱な気持ちになりながらも、ハンドルの下はまったく違う状態になっていました…。
本当に一緒に住めたらなぁと、最近はそんな叶わぬ妄想が強くなるばかりです。