
はいぱー中谷どら彦のサーキットインプレッション
【幸田サーキット編】
プライベートで愛知県にある幸田サーキットに足を運んでみたのでレポートをお届けする。
静岡にある別荘からは高速を使って1時間半ほどの道程。
抜けるような青空。
休暇を使ってのお遊びという事もあり、いつになく気分は高揚する。
ナビゲーションが多少古いせいもあって目的地へは広域農道を通っての入場となったのだが、この農道、思いのほか楽しい。
適度な勾配、右へ左へのリズミカルなR構成。
なるほど、ココで軽く足慣らしをしてからサーキットに入れと言う事か。。。
なんとも心憎い演出ではないか。
世界のサーキットを知り尽くした私でも、ここまで考えられたコースは記憶に無い。
経営者の思い入れがひしひしと伝わってくるようだ。
「幸田サーキット」の看板が見え農道を離れる。
かなり急な下り坂を降りると、そこにサーキットが鎮座している。
しかしキツイ坂だ。このサーキット、元は採石場だったというから当時の搬出通路をそのまま利用したのであろう。
ひと昔前のテレビ特番で、糸井重里氏が徳川埋蔵金を掘り当てるため大胆にもひと山切り崩すという暴挙に出たコトがあったが、サーキット全体の雰囲気がその情景とラップする。
【講習会】
10時よりライセンス講習を開始。
世界のどら彦に講習とは何事ぞ!とは思ったが、「規則は規則」という事なのでおとなしく受講する事とにした。
「ルール」と「帰宅時間」を守るのが私の身上である。
講師の方には、幸田サーキットの生い立ち,走行券の買い方,旗の意味,事務所のお姉ーちゃんの歳 等について熱弁をふるって頂いた。
「白い旗」の説明を受けたときに、「もうこれ以上、良いタイムは出ませ~ん!って場合に窓から振ればいいんですか?」と質問しようとしたが、真剣な場の雰囲気にとりあえず発言は止めておいた。
懸命な判断ではなかろうか。
【昼食】
とりあえず講習も終わり昼食に。
三ヶ根駅近くの「グリーシースプーン」というお店に入る。
海老フライランチは美食家の肩書きも持つ私の口を満足させるに十分すぎる美味しさであった。
野菜サラダのソースも適度に酸味が効いて絶品である。
【走行開始】
13時よりコースに入る。
今日は私が来ることもあり、コースの御好意で貸切にしてくれたらしく1人っきりでの走行である。
私ひとりのために炎天下に監視台に立つおじさんには気の毒と思ったが、「日光でビタミンDを生成させ強い骨を作るのぢゃ」と、割り切ってもらう事にした。
一周軽く流し、徐々に本格走行へと移行する。
とたんに1コーナーでスキール音。たいした速度ではないのにタイヤが泣き始めた。
特殊アスファルトか?
先日行ったニュルの路面より少しだけグリップ力が劣っていそうだが、私の力量をして望めは多少のグリップ差など大した事ではない。
コースインし2周目、タイムは55"9
3周目、55"8
その後も55秒台がコンスタントに続く。
2周目からコースアベレージ付近を叩き出す”コースに対する順応性の高さ”には我ながら関心するが、し、しかし、ちょっと
遅すぎやしないか?
たまらずピットイン。
まずいぞこれは、、、
読者の方々に「やっぱどら彦はたいした事ねーや」と思われかねない。
セカンダリータービンが止まっているのか?いつもよりシケインが多いのか?今日は気温が50度くらいあるんじゃないのか?原因は何だ??
理論派ドライバーを自負する私にとって、結論を導き出すまでにさほど時間の必要はなかった。
そう、単に腕が悪いだけである。
F1ドライバーとの若干のテクニックの差が、ここ幸田サーキットで露呈したのである。
気を取り直して再度コースイン。
アグレッシブにコースを攻めたが、無駄なカウンターとスピンを繰り返すだけで思うようにタイムが伸びていかない。
しかたない、今日は軽く流す程度と考えていたが、、、やるか!
マフ大寺先生直伝、伝説のブーメラン走法!
こんなに早くこの大技を使うとは思いもよらなかったが背に腹はかえられん。
ブーメランコーナーが迫る。電光石火のシフトダウンと親の仇ブレーキング!
けたたましいスキール音と共に、四輪ドリフト状態でクリップをかすめたアルテは次のコーナーまで横向きの姿勢を維持し、この世の出来事とは思えぬ速度で立ち上がっていった!
と、想像してみたが、危険度120%なのでやめる事にした。
懸命な判断と読者の方も納得して頂けるだろう。
後半は肩の力を抜いた走行のおかげでベストタイムは 53"7
それにしても遅い。
【総評】
想像していたよりも奥の深いコースだ。特にAコーナーは私とって鬼門のようである。
エスケープゾーンがさほど広くないので、私のようなドライバーは早めにビビリミッターのスイッチが入ってしまう。
設備も充実しており読者の方にも十分満足してもらえると思うが、唯一トイレがウォシュレットでは無かったのが悔やまれる。
私のような「ぢ」予備軍には最も重要となる点なのだから・・・ 改善を期待したい。
【取材後談】
幸田から静岡の別荘まで帰る際、対行車からの視線をいつになく強く感じた。
私も有名になったものだと幸田の激遅タイムも忘れ気持ち良く帰路についたのだが、別荘について唖然。。。
そこには赤いテープで×印にテーピングされたヘッドライトが、、、
久々の おばかさん である。
次回は「リベンジ・幸田サーキット」もしくは「隣の奥さんの午後」いずれかの予定。