限りなく妥協の少ないコンパクトSUV

コンパクトでありながら室内空間を犠牲にしていない。どちらかというと丸みを帯びた大人しいフォルムとやや存在感のあるフロントフェイスが程良くバランスしている。

極端なスポーツ走行に向く車ではない事が前提となるが、走る曲がる止まるに関する不満はほとんど無い。
Dynamic Selectのモードの作り分けが素晴らしく、Comfortモードでは８速DCTの制御が乗り心地重視のプログラムになるのが体感でき、よりスムーズな発進、加速ができる。ECOモードでは燃費重視プログラムになり、コースティングが積極的に活用され、明確に燃費が伸びる。SPORTSモードでは変速回転数が上がり、ブーストの立ち上がりも他と異なることでアクセルレスポンスが良くなる。極低速から大きなトルクが出るので、アクセルを荒く踏むと強いダッシュとなるので使い分けるのが良い。ディーゼルエンジンだけどレッドゾーンまで気持ちよく回る。

Dynamic SelectでSPORTSを選択すればダンパーは引き締まりシャシーの反応はドライビング向きになる。ダンパーがComfort設定の場合、20インチ・45扁平タイヤでも前席・後席の同乗者が不満漏らすことはまずない乗り心地が実現されている。ディーゼルエンジンの200dの場合、アイドリング振動がやや大きく、少し気になる。

後席を倒せば大きなものが積載できるほか、リアシートスライド、リクライニング角度の調整で積載性と荷室容量の調整が可能でありとても柔軟性が高い。

市街地中心の乗り方でもカタログ燃費は出る。四輪駆動で13km/Lほど走っているので不満は無い。高速燃費は20km/L近く出るのではと思っているが、直近乗っている感じではそこまで出ない。今後に期待。

満足度の高い車だが、800万の価格になることを考えると、リアシートヒーター、ステアリングヒーター、シートベンチレーション位は標準装備でも良いのでは無いだろうか。また、振動・騒音も価格を考えるとあと一歩欲しい。