
ガソリンスタンドのお兄ちゃんに聞いて行ったマンガ喫茶は、全席個室で横になれたので寝ることだけは出来たんで、それなりに疲れも取れたものの、わざわざ山形まで行ってこんなところで夜を明かすもんじゃぁないですね。
それでも一つくらい利点があって、なにかというと朝早く出られるということ。民宿や温泉宿で美味しい朝ごはんと朝風呂を堪能するとどうしても出るのが遅くなってしまうので、寝床を提供するだけであとくされなく出立できるカプセルホテルやビジネスホテルは、それはそれで便利ではあります。
中には四国ツーリングで利用したお遍路さん御用達のビジネスホテルみたいにサービスや食事のレベルが高くてまた利用したいと思えるところもあるんですが、そういうところはやっぱり予約しておかないとダメでした(四国また行きたい)。
まぁそんなこんなで、酒田市郊外から稲穂が揺れる水田越しに朝ぼらけの鳥海山を望みながらブルーラインを目指しました。
今回のツーリングは芭蕉のルートをそれなりにたどっていたので(途中通行止めでしたけど)、芭蕉一行も宿泊した吹浦の港町へ寄り道し、出羽二見の景観を見に行きました。ここはブルーラインの始点となるので足を延ばすのも良いのではないでしょうか。
鳥海山に源流を持つ月光川(河口では吹浦川に変わる)にある夫婦岩には長い注連縄がかけられています。
河口からは鳥海山が望めます。
この日は風もなく早朝から穏やかな天気で、この時も明け方の月が日本海側に見えました。ここは有名な夕日スポットだそうですので、今度は夕日も楽しみたいところです。

そばには芭蕉の句碑が。
「あつみ山や 吹浦かけて 夕涼み」
また漁師の鎮魂と安全を祈願した磨崖仏「十六羅漢岩」もすぐそばです。自分も旅の安全を祈りつついよいよブルーラインへ。
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(ブルーラインの始点付近)
特に何もありませんが、比較的真っ直ぐな道が続きます。

(鳥海山、麓より少し上)
私は鳥海山になだらかな富士山といった感想を抱いたのですが、実際には富士スカイラインなどよりもかなり開放的で走りやすい印象でした。

(標高700~800m付近)
だんだん色づきが濃くなっていきます。が、山陰に入っちゃてて分かりにくいですね。

(大平山荘の手前)
この辺に来ると紅葉もはっきりとわかるくらいになってきます。

(国民宿舎 大平山荘)
ここで標高1000mくらいです。ここでトイレ休憩。この先は登山口になっていますので、そこまで一気に駆け抜けます。周囲はどこも赤と黄と橙でした。

(山荘付近の眺望)
もう酒田の港はかすんでいて、かすかに風力発電の風車が見えるばかりでした。

(登山口駐車場からにかほ市側の眺望)
色づく森の中を走る線がブルーラインです。右に見えるのが獅子ケ鼻湿原です。

(鳥海山の山肌)
何故か肝心の山頂の写真を撮ってないんですが、おれ下界の景色ばっかり見ていたようです。
そして、見よこの大パノラマを!
海も空も森も山も、ただただ綺麗でした。

とりあえずグラと記念撮影。この日は風も雲もなく穏やかな陽気で、登山者の姿と車で溢れていました。バイクはあまり見かけませんでしたが、それでも遠く埼玉や東京のナンバーを付けたバイクも何台かやってきていました。お互い軽くあいさつしつつも、眼下の光景を何することもなく見つめ、やがて自然に別々の道へ走っていきました。
そんなふうに他のライダーを見送っていると、なんというか、あぁ俺いま旅してるんだなぁ・・・と心に沁みてくるんですよね。
やはりただ旅をするための旅に出るならバイクが良いと思う。車で行くと行楽になっちまうから。

(1合目付近)
そんなくさいことを考えながら先ほど見下ろした樹林を抜けていくとにかほ市側へ。ふもとの方は上からみたとおり水田地帯でした。このまま日本海側へ出て象潟の道の駅へ向かいます。

道の駅「象潟」。こちらはもう秋田ですね。
ここは宿泊施設に温泉も兼ね備えたかなり大型の道の駅でした。庄内特産のフルーツや海産物のお土産が充実していたので、旬の柿やイチジク、ブドウなどを購入するのならお勧めです。バラードという種類の洋ナシがあり購入しましたがかなりのサイズで甘みも濃厚ですよ。
海岸から男鹿半島を望み、一路酒田市内へ。当日中に帰る予定だったのでお土産を物色しつつ土門拳記念館へ。
もう少しだけ続きます。
Posted at 2014/10/21 21:48:06 | |
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ロングツーリング | 日記